建築環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 建築環境工学Ⅰ
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築デザインコース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 建築環境工学(第三版) 倉渕隆 市ヶ谷出版社
担当教員 小林 仁

到達目標

 建物内の環境を健康で快適に保つための考え方や手法を理解する。
 建物内外の環境全般について例題を通して理解する。
 ノートの取り方を身につけ、建築環境工学を通して自学自習ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建築環境工学の概要を論理的に説明できる。建築環境工学の概要を理解できる。建築環境工学の概要の理解が不足している。
評価項目2日照・日射環境の概要を論理的に説明できる。日照・日射環境の概要を理解できる。日照・日射環境の概要の理解が不足している。
評価項目3光環境の概要を論理的に説明できる。光環境の概要を理解できる。光環境の概要の理解が不足している。
色彩環境の概要を論理的に説明できる。色彩環境の概要を理解できる。色彩環境の概要の理解が不足している。
空気環境の概要を論理的に説明できる。空気環境の概要を理解できる。空気環境の概要の理解が不足している。
熱環境の概要を論理的に説明できる。熱環境の概要を理解できる。熱環境の概要の理解が不足している。
湿気環境の概要を論理的に説明できる。湿気環境の概要を理解できる。湿気環境の概要の理解が不足している。
温熱環境の概要を論理的に説明できる。温熱環境の概要を理解できる。温熱環境の概要の理解が不足している。
音環境の概要を論理的に説明できる。音環境の概要を理解できる。音環境の概要の理解が不足している。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建物内外の環境の物理的・心理的な捉え方の基礎を概説する。関連する環境一般・熱・光・水・音について説明と演習を行う。これにより建築やデザインにおける環境についての基本知識を修得する。
授業の進め方・方法:
 2年生までに習った数学,物理知識が前提となる。演習を随時行うが、自学自習が必要である。また、自分自身で書籍や資料を基に学習する際のノート・資料の作り方を説明した上で実習を行う。
予習:毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を 考えて整理しておくこと。
復習:毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
 本科目は続く、建築環境工学Ⅱや建築設備を学ぶ上での基礎となる科目となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本科目の建築学で占める位置が理解できる。
2週 建築環境工学の目的と要素 建築環境工学の概要を理解できる
3週 建築環境工学の新しい領域と課題 建築環境工学の現状が理解できる
4週 太陽位置 太陽位置の表し方を理解できる。
5週 日照と日影 日影曲線と日ざし曲線を理解できる。
6週 日射 日射の種類・量・調節方法を理解できる。
7週 演習 日射・日射環境の理解をチェックする。
8週 測光量 視覚や測光量を理解できる。
2ndQ
9週 明視環境 明視条件・グレア・照度基準を理解できる。
10週 採光 全天空照度・昼光率・採光計画を理解できる。
11週 人工照明 人工光源・照明計画を理解できる。
12週 色彩の表し方と色彩計画 色の属性・表色系・色彩計画を理解できる。
13週 演習 光環境・色彩環境の理解をチェックする。
14週 室内空気環境 換気の目的・許容濃度・必要換気量を理解できる。
15週 自然換気の力学 風力換気・温度差換気を理解できる。
16週 機械換気の計画 機械換気方式・換気計画を理解できる。
後期
3rdQ
1週 演習 空気環境の理解をチェックする。
2週 熱の流れの基礎 熱貫流の概念を理解できる。
3週 熱貫流と日射 熱貫流率・日射の取り扱いを理解できる。
4週 建物全体の熱特性 総合熱貫流率・室温・熱負荷・省エネルギー基準を理解できる。
5週 湿り空気と露点温度 湿度の表し方・空気線図を理解できる。
6週 結露 表面結露・内部結露を理解できる。
7週 演習 熱環境・湿気環境の理解をチェックする。
8週 人体周りの熱収支 温熱環境6要素を理解できる。
4thQ
9週 温熱感覚指標 有効温度・新有効温度・PMVを理解できる。
10週 外界気象 気温変動・クリモグラフ・デグリーデー・外部風を理解できる。
11週 都市環境と地球環境 都市と地球のスケールの環境を理解できる。
12週 演習 温熱環境と都市・地球環境の理解をチェックする。
13週 音の性質 音の性質・単位と聴感を理解できる。
14週 騒音評価と遮音効果 騒音の評価法と遮音の方法を理解できる。
15週 音響計画 吸音・残響時間・室内音響計画を理解できる。
16週 演習 音環境の理解をチェックする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。4後10
気候、気象について説明できる。4後10
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4後10
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4後10
建設地と太陽位置について説明できる。4前4
日照および日射の調節方法について説明できる。4前4
日照時間および日照時間図について説明できる。4前5
日照と日射の使い分けについて説明できる。4前5
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4前4
視覚と光の関係について説明できる。4前8
明視、グレアの現象について説明できる。4前8
採光および採光計画について説明できる。4前6,前10
人工照明について説明できる。4前11
照明計画および照度の計算ができる。4前11
表色系について説明できる。4前12
色彩計画の概念を知っている。4前12
伝熱の基礎について説明できる。4後2
熱貫流について説明できる。4後3
室温の形成について理解している。4後4
温熱環境要素について説明できる。4後8
温熱環境指標について説明できる。4後9
湿り空気、空気線図について説明できる。4後5
結露現象について説明できる。4後6
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。4前14
必要換気量について計算できる。4前14
自然換気と機械換気について説明ができる。4前15,前16
音の単位について説明できる。4後13
聴覚の仕組みについて説明できる。4後13
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。4後13
吸音と遮音、残響について説明できる。4後14
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。4後14,後15
室内環境基準について説明できる。4後5,後9
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。4後4,後5
必要換気量について計算できる。4前14
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。4後4
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。4後4
分野別の工学実験・実習能力建築系分野(実験・実習能力)建築系分野(実験・実習能力)実験の目的と方法を説明できる。4前13,後1,後4,後7,後12
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。4前13,後1,後4,後7,後12
実験結果を整理し、考察できる。4前13,後1,後4,後7,後12
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力3000002050
専門的能力3000002050
分野横断的能力0000000