固体物性論Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 固体物性論Ⅰ
科目番号 0010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 応用科学コース(名取キャンパス) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 固体物性の基礎 沼居貴陽著(共立出版)
担当教員 武田 光博,伊東 航

到達目標

BCC/FCC/HCPなどの代表的な固体の結晶構造を理解し,説明ができる。結晶構造の数学的な記述のために必要になる格子ベクトル,とくに逆格子ベクトルを理解し,説明ができる。ブラッグ散乱・ラウエ散乱を理解し説明ができる。X線による結晶構造解析の手法と考え方を説明できる。格子の振動に対して運動方程式を解くことができ,音響モードと光学モードの導出ができる。格子振動について状態密度を計算し,固体の比熱を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
BCC, FCC, HCPなどの代表的な固体の結晶構造が説明できる。固体の結晶構造を教員の助言なしに説明できる。固体の結晶構造を教員の助言があれば説明できる。固体の結晶構造を教員の助言があってもできない。
逆格子ベクトルの説明ができ、FCCやBCCなどの基本並進ベクトルを用いて逆格子の基本ベクトルを求めることができる。逆格子ベクトルの説明と基本並進ベクトルを用いて逆鋼の基本ベクトルを求めることが教員の助言無しに出来る。逆格子ベクトルの説明と基本並進ベクトルを用いて逆鋼の基本ベクトルを求めることが教員の助言があれば出来る。逆格子ベクトルの説明と基本並進ベクトルを用いて逆鋼の基本ベクトルを求めることが教員の助言があってもできない。
ブラックの回折条件とラウエの条件を説明できる。ブラックの回折条件とラウエの条件の説明を教員の助言無しに出来る。ブラックの回折条件とラウエの条件の説明を教員の助言があれば出来る。ブラックの回折条件とラウエの条件の説明を教員の助言があってもできない。
X線による結晶構造解析の手法の流れを説明できる。X線による結晶構造解析の手法の流れの説明を教員の助言無しに出来る。X線による結晶構造解析の手法の流れの説明を教員の助言があれば出来る。X線による結晶構造解析の手法の流れの説明を教員の助言があってもできない。
1種類ならびに2種類から構成される結晶の格子振動を説明できる。1種類ならびに2種類から構成される結晶の格子振動の説明を教員の助言無しに出来る。1種類ならびに2種類から構成される結晶の格子振動の説明を教員の助言があれば出来る。1種類ならびに2種類から構成される結晶の格子振動の説明を教員の助言があってもできない。
格子振動について状態密度を計算し,固体の比熱を求めることができる。格子振動について状態密度を計算し,固体の比熱を求めることが教員の助言無しに出来る。格子振動について状態密度を計算し,固体の比熱を求めることが教員の助言があれば出来る。格子振動について状態密度を計算し,固体の比熱を求めることが教員の助言があってもできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
代表的な結晶構造(bcc,fcc.hcp,diamond)、格子ベクトルと逆格子ベクトル、ブラッグ散乱・ラウエ散乱、X線散乱と結晶構造、格子振動、音響モードと光学モード、固体の比熱について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業計画に従って固体物性の基礎的内容について講義する。
予習:教科書の授業内容に関わる内容を確認する。
復習:授業内容をA4用紙1枚程度にまとめて次回授業開始時までにBlackboardに提出する。
注意点:
3年生までに学習した数学、物理などの基礎科目を理解していること。また、使用教科書の第1章から第4章までは自由な学びの時間に各自で学習すること。
試験による評価は中間試験と期末試験とする。
各期の試験において合格点に満たない場合は、再試験を実施する場合があるが、実施回数は原則1回とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択必修A

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業内容のガイダンス
結晶の構造1
結晶格子ベクトルの定義と空間格子の型を説明できる。
2週 結晶の構造2 面指数の定義と実格子の関係を説明できる
3週 格子と逆格子1 基本並進ベクトルと逆格子の基本ベクトルの関係を説明できる
4週 格子と逆格子2 面心立方格子および体心立方格子に対する逆格子の基本ベクトルを求めることができる。
5週 ブラッグ散乱・ラウエ散乱1 ブラックの回折条件を説明できる。
6週 ブラッグ散乱・ラウエ散乱2 ラウエ条件を説明できる。
ラウエ条件からブラックの法則を導くことができる。
7週 X線による構造解析1 構造因子を説明できる
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の振り返り
10週 X線による構造解析2 回折強度と構造因子の関係および消滅則を説明できる。
11週 X線による構造解析3 X線回折法による実際の結晶構造解析の流れを説明できる。
12週 結晶の結合力 レナード・ジョーンズポテンシャルから希ガスの凝集エネルギーと2原子間の平衡距離を求めることができる.
13週 弾性 結晶に作用する応力とひずみの関係を説明できる.
14週 格子振動 1種類および2種類の原子から構成される結晶の格子振動を説明できる。
15週 固体の比熱 フォノンおよび自由電子気体による比熱に関して,極低温における温度と比熱の関係を説明できる.
16週 振り返り 固体物性論の学習内容に関係する演習問題を解くことができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000