固体物性論Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 固体物性論Ⅱ
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 応用科学コース(広瀬キャンパス) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 固体物性入門 沼居貴陽著(森北出版)
担当教員 栁生 穂高

到達目標

パウリの排他律・金属中の電子状態とフェルミ分布関数の関係を理解し,説明ができる。金属の自由電子論の観点から,状態密度,電気伝導率,電子比熱の計算ができる。固体の物性における電子の役割を理解し,説明ができる。周期ポテンシャル中での電子に対するブロッホの定理を理解し説明ができる。エネルギーバンドと導体・半導体の関係が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
パウリの排他律・金属中の電子状態とフェルミ分布関数の関係を理解し,説明ができる。パウリの排他律・金属中の電子状態とフェルミ分布関数の関係を教員の助言なしに説明できる。パウリの排他律・金属中の電子状態とフェルミ分布関数の関係を教員の助言があれば説明できる。パウリの排他律・金属中の電子状態とフェルミ分布関数の関係を教員の助言があっても説明できない。
金属の自由電子論の観点から,状態密度,電気伝導率,電子比熱の計算ができる。状態密度,電気伝導率,電子比熱を教員の助言なしに計算できる。状態密度,電気伝導率,電子比熱を教員の助言があれば計算できる。状態密度,電気伝導率,電子比熱を教員の助言があっても計算できない。
固体の物性における電子の役割を理解し,説明ができる。固体の物性における電子の役割を教員の助言なしに説明できる。固体の物性における電子の役割を教員の助言があれば説明できる。固体の物性における電子の役割を教員の助言があっても説明できない。
周期ポテンシャル中での電子に対するブロッホの定理を理解し説明ができる。周期ポテンシャル中での電子に対するブロッホの定理を教員の助言なしに説明できる。周期ポテンシャル中での電子に対するブロッホの定理を教員の助言があれば説明できる。周期ポテンシャル中での電子に対するブロッホの定理を教員の助言があっても説明できない。
エネルギーバンドと導体・半導体の関係が説明できる。エネルギーバンドと導体・半導体の関係を教員の助言なしに説明できる。エネルギーバンドと導体・半導体の関係を教員の助言があれば説明できる。エネルギーバンドと導体・半導体の関係を教員の助言があっても説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
結晶中の電子状態,金属と自由電子ガス(電気抵抗・比熱),nearly free electronモデル,ブロッホ関数,エネルギーバンド,半導体について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業計画に従って固体物性の基礎的内容について講義する。
予習:教科書の授業内容に関わる内容を確認する。
復習:毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
4年生までに学習した数学,物理などの基礎科目を理解していること。また,使用教科書の第1章から第4章までは固体物性論Iの内容に該当するものであり,自由な学びの時間に各自で復習すること。
試験による評価は中間試験と期末試験とする。
各期の試験において合格点に満たない場合は,再試験を実施する場合があるが,実施回数は原則1回とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択必修A

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業内容のガイダンス
エネルギーバンドとエネルギーギャップ
パウリの排他律を説明できる
2週 nearly free electronモデル nearly free electronモデルを説明できる
3週 周期ポテンシャル中の電子 摂動論の簡単な計算ができる
4週 周期ポテンシャル中の電子 ブロッホの定理を説明できる
5週 電気伝導 金属の自由電子論の観点から電気伝導率を求めることができる
6週 自由電子気体の誘電関数 金属の比誘電率が自由電子気体の誘電関数によって与えられることを説明できる
7週 静電遮蔽 静電遮蔽を説明できる
8週 演習 これまでの内容の確認
4thQ
9週 真性半導体1 半導体における伝導電子や正孔と不純物の関係を説明できる
10週 真性半導体2 真性半導体におけるキャリア濃度やフェルミ準位を説明できる
11週 不純物半導体1 半導体におけるホール効果を説明できる
12週 不純物半導体2 ドナーとアクセプターのはたらきを説明できる
13週 半導体中の電気伝導 ドリフト電流と拡散電流を説明できる
14週 非平衡半導体 SRH統計について説明できる
15週 エネルギーバンドと有効質量 直接遷移と間接遷移を説明できる
16週 振り返り

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。3
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。3
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。3
不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。3
真性半導体の伝導機構について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000