化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 一般教科(自然科学系) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「化学基礎」東京書籍 「Let's Try Note 化学基礎 Vol.1、2、3」東京書籍
担当教員 佐藤 彰彦,岩田 朗子

到達目標

1. 純物質、混合物、単体、化合物の違い、原子の構造が説明できる。
2. イオン結合、共有結合、金属結合についての説明ができる。
3. 物質量を理解・計算でき化学反応式を組み立て化学量論的な計算ができる。
4. 酸・塩基の区別、pH計算ができ中和滴定を利用して未知の酸・塩基の濃度を求めることができる。
5.酸化・還元の説明ができ酸化剤、還元剤の半反応を組み合わせて酸化還元反応式を組み立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1同素体が説明でき、原子の構造と同位体を理解し、電子配置と周期表との関連が説明できる純物質と混合物の違い、単体と化合物の違い、原子の構造が説明できる純物質と混合物の違い、単体と化合物の違い、原子の構造が説明できない
評価項目2それぞれの化学結合の特徴を物質の例を挙げて説明できる化学結合の違いが説明できるイオン結合、共有結合、金属結合がどのような結合か説明できない
評価項目3物質量を他の物理量に換算でき、化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる物質量を求める計算ができ、化学反応式を組み立てることができる物質量の計算や化学反応式を利用した化学量論的な計算ができない
評価項目4pHの計算ができ中和反応式から未知の酸、塩基の濃度を求めることができる 酸塩基の分類ができ、中和反応式を組み立てることができる 酸塩基の区別ができない
評価項目5酸化還元を理解し酸化剤、還元剤の半反応を組み合わせて酸化還元反応式を組み立てることができる 酸化還元が電子の授受によることが理解でき、酸化数の変化から酸化あるいは還元された原子がわかる 酸化還元の説明ができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
正確な化学の基礎知識をもとに化学現象や事物に関する基本的な考え方や法則を理解し,自然科学の基本的知識を修得する。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式および実験を併用し行うがグループワークも行う。実験レポートの提出を義務づける。演習問題を解くことで修得を確認して行く。必要に応じて小テストを行う。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
注意点:
合格点は50点である。
前期末と学年末の成績はそれぞれの中間と期末の試験結果を70%、小テスト、レポート、演習の結果を30%で評価する。
学年総合評価=(前期末成績+後期末成績)/2
[講義を受ける前] 中学校で履修した理科についての理解を確実にしておくこと。
[講義を受けた後] 予習と復習を行い講義ノートを必ず書くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.原子の構造
(1) 物質(純物質と混合物)
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
物質の成分とは何か考えることができる。
2週 (1) 物質(純物質と混合物)
(2) 物質(単体と化合物)
混合物の分離方法がわかる。
同素体の説明ができる。
3週 (3) 物質(物質の三態・絶対温度)
(4) 原子の構造と同位体
物質の三態・絶対温度がわかる。
原子の構造と同位体が説明できる。
4週 (5) 原子の電子配置
(6) 元素の周期表
原子の電子配置がわかる。
電子配置と周期表の関係がわかる。
5週 2.化学結合
(1) イオンとイオン結合
イオンのでき方とイオン結合が説明できる。
6週 (1) イオンとイオン結合
(2) 共有結合
イオンからなる化合物を組み立てることができる。
共有結合がどのような結合か説明できる。
7週 (2) 共有結合
(3) 金属結合
共有結合がどのような結合か説明できる。
金属結合と金属の特徴が説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
3.物質量と化学反応式
(1) 原子量・分子量・式量
到達度試験の解説と解答
原子の相対質量と原子量との関係,分子量・式量の計算ができる。
10週 (1) 原子量・分子量・式量
(2) 物質量
物質量とは何かを十分に理解し,説明できる。
11週 (2) 物質量
(3) 溶液の濃度
質量パーセント濃度とモル濃度が理解できる。
12週 (4) 化学式及び化学反応式の書き方 化学式の表す意味がわかり化学反応式を書くことができる。
13週 (4) 化学式及び化学反応式の書き方
(5) 化学反応式による計算
化学反応式をもちいてその量的計算ができる。
14週 (5) 化学反応式による計算 化学反応式をもちいてその量的計算ができる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,授業アンケート
後期
3rdQ
1週 4.酸と塩基
(1) 酸と塩基
酸と塩基の定義、性質がわかる。
2週 (1) 酸と塩基 酸と塩基の定義、性質がわかる。
3週 (2) 水素イオン濃度とpH 水素イオン濃度とpHの関係が理解できる。
4週 (2) 水素イオン濃度とpH 水素イオン濃度とpHの関係が理解できる。
5週 (3) 中和反応と中和滴定 中和反応を理解し中和滴定によって酸・塩基の定量ができる。
6週 (3) 中和反応と中和滴定 中和反応を理解し中和滴定によって酸・塩基の定量ができる。
7週 (3) 中和反応と中和滴定 中和反応を理解し中和滴定によって酸・塩基の定量ができる。
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
4thQ
9週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
10週 5.酸化還元反応
(1) 酸化と還元
電子のやりとりを酸化・還元の概念として理解できる。
11週 (2) 酸化数 酸化・還元の働きを酸化数の増減から理解できる。
12週 (2) 酸化数 酸化・還元の働きを酸化数の増減から理解できる。
13週 (3) 酸化剤・還元剤 酸化剤・還元剤の働きを電子の授受で理解できる。
14週 (3) 酸化剤・還元剤 酸化剤・還元剤の働きを電子の授受で理解できる。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。2
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。2
価電子の働きについて説明できる。2
原子のイオン化について説明できる。2
代表的なイオンを化学式で表すことができる。2
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。2
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
イオン式とイオンの名称を説明できる。2
イオン結合について説明できる。2
イオン結合性物質の性質を説明できる。2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。2
金属の性質を説明できる。2
原子の相対質量が説明できる。2
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。2
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。2
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。2
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。2
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。2
中和反応がどのような反応であるか説明できる。2
中和滴定の計算ができる。2
酸化還元反応について説明できる。2
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。1
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。1
測定と測定値の取り扱いができる。1
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。1
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。1
ガラス器具の取り扱いができる。1
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。1
試薬の調製ができる。1
代表的な気体発生の実験ができる。1
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000