基礎数学Ⅲ(2C)

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎数学Ⅲ(2C)
科目番号 0014 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教科(自然科学系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高専テキストシリーズ 線形代数」上野健爾 監修 森北出版 問題集:「秋田高専 新 数学問題集 2」 秋田高専 数学科 編  その他: 自製プリントの配布
担当教員 上田 学

到達目標

1. ベクトルの定義や平面および空間の成分表示を理解し,基本的な計算や内積の計算をすることができる。
2. ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
3. 空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる。
4. 行列の定義を理解し,行列の和・差・数との積の計算ができる。
5. 行列の積の計算ができ,逆行列を求めることができる。
6. 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求めることができる。
7. 線形変換の定義を理解し,合成変換・逆変換・平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの計算を物理や専門科目に活用することができる。ベクトルの定義や平面および空間の成分表示を理解し,基本的な計算や内積の計算をすることができる。左記のことができない
評価項目2ベクトルの平行・垂直条件を活用して,空間内の図形の関係を理解できる。ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。左記のことができない
評価項目3いろいろな条件を満たす直線・平面・球の方程式を求めることができる。空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる。左記のことができない
評価項目4行列の四則演算を間違いなく実行することができる。行列の定義を理解し,行列の和・差・数との積の計算ができる。左記のことができない
評価項目5逆行列を利用して,連立二元一次方程式の解を求めることができる。行列の積の計算ができ,逆行列を求めることができる。左記のことができない
評価項目6クラメルの公式で連立方程式を解くことができ,余因子行列を活用して逆行列を求めることができる。行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求めることができる。左記のことができない
評価項目72次・3次の行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる。線形変換の定義を理解し,合成変換・逆変換・平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。左記のことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学の基礎としての線形代数を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式およびグループ・ワークで行う。必要に応じて適宜小テストを実施し,演習課題・宿題を課す。試験の平均点が悪い場合,再試験を実施することがある。
注意点:
各中間の成績はその到達度試験 (中間) 結果をもって成績とする。各期末成績は到達度試験 (中間) 結果 35 %,到達度試験 (期末) 結果 35 %,及び平素の成績 (小テスト,レポート課題,宿題,ノート提出および授業態度など) 30 % で評価する。
学年総合評価 = (前期末成績+後期末成績)/2
なお,合格点は50点である。特に,平素の成績に関わる提出物が未提出の場合,単位取得が困難になるので
注意すること。
(講義を受ける前) 教科書等を利用して予習をすること
(講義を受けた後) 授業内容の復習を怠らず,問題集を活用して計算力を上げること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
ベクトルとその演算
授業の進め方と評価の仕方について説明する
ベクトルの定義を説明することができ,和・差・実数倍の計算ができる。
2週 内分点の位置ベクトルと二点間の距離 内分点の位置ベクトルを求めることができ,二点間の距離を求めることができる。
3週 ベクトルの成分表示と大きさ ベクトルを成分表示することができ,その大きさを求めることができる。
4週 平行条件と直線の方程式 平行条件を利用して,直線の方程式を求めることができる。
5週 ベクトルの内積 ベクトルの内積を求めることができる。
6週 演習 到達度試験の範囲の内容について,演習問題を通してその理解を深める
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
8週 試験の解説と解答
垂直・平行条件と平面の方程式
到達度試験の解説と解答
垂直・平行条件を利用して平面の方程式を求めることができる。
2ndQ
9週 球の方程式 球の方程式を求めることができる。
10週 行列の和・差・実数倍 行列の定義を説明することができ,和・差・実数倍の計算ができる。
11週 行列の積とその性質 行列の積の計算ができ,その性質を説明することができる。
12週 逆行列と連立方程式 二次の正方行列の逆行列を求めることができ,逆行列を利用して連立二元一次方程式の解を求めることができる。
13週 三次正方行列の行列式とクラメルの公式 三次の正方行列の行列式の値を求めることができ,クラメルの公式を活用して連立三元一次方程式の解を求めることができる。
14週 演習 到達度試験の範囲の内容について,演習問題を通してその理解を深める
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 行列式とその性質 4次正方行列の行列式の値を求めることができ,行列式の性質を説明することができる。
2週 余因子展開と逆行列 行列式を余因子展開することができ,余因子行列を利用して逆行列を求めることができる。
3週 基本変形による連立一次方程式の解法と逆行列 基本変形を利用して連立一次方程式の解を求めることができ,逆行列を求めることができる。
4週 行列の階数と連立一次方程式 行列の階数を求めることができ,連立一次方程式の解を求めることができる。
5週 ベクトルの線形独立と線形従属 ベクトルの線形独立と線形従属を説明することができ,与えられたベクトルの組が線形独立であるかどうかを判断することができる。
6週 線形変換とその表現行列 線形変換の定義を説明することができ,その表現行列を求めることができる。
7週 演習 到達度試験の範囲の内容について,演習問題を通してその理解を深める
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
4thQ
9週 試験の解説と解答
いろいろな線形変換
到達度試験の解説と解答
拡大・縮小・対称移動・回転の線形変換を求めることができる。
10週 合成変換,逆変換 合成変換,逆変換を求めることができる。
11週 固有値と固有ベクトル (二次) 二次の正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
12週 固有値と固有ベクトル (三次) 三次の正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
13週 行列の対角化 固有値・固有ベクトルを利用して行列を対角化することができる。
14週 演習 到達度試験の範囲の内容について,演習問題を通してその理解を深める
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。2
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2

評価割合

到達度試験小テストレポートその他合計
総合評価割合70101010100
知識の基本的な理解7055585
思考・推論・創造への適用力05005
汎用的技能00000
態度・指向性 (人間力)005510
00000