化学Ⅱ(2C)

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学Ⅱ(2C)
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教科(自然科学系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「化学基礎」「化学 vol. 1 理論編」「化学 vol. 2 物質編」東京書籍
担当教員 佐藤 彰彦,岩田 朗子

到達目標

1. 電池の原理と電気分解の生成物とその量的関係を説明できる。
2. 物質の状態変化とエネルギー、分子間力の関係を説明できる。
3. 気体に関する性質、法則の説明ができる。
4. 有機化合物の分類ができ炭化水素の構造、性質、反応を説明できる。
5. 酸素を含む有機化合物の構造と性質を説明できる。
6.芳香族化合物の構造、反応性がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電池、電気分解の原理を理解し化学量論的な計算ができる電池の原理、電気分解の生成物が説明できる電池の原理、電気分解の生成物を説明できない
評価項目2物質の状態とエネルギー、分子間力の関係を理解し気液平衡と状態図の説明ができる物質の状態とエネルギー、分子間力の関係を説明できる物質の状態とエネルギー、分子間力の関係を説明できない
評価項目3気体の性質を理解し、気体の状態方程式を使った計算ができるボイル・シャルルの法則を説明できる気体の性質を説明できない
評価項目4炭化水素の分類ができ、その構造、反応、性質を説明できる 有機化合物の分類ができ、炭素数が6までの炭化水素の命名ができる 有機化合物の特徴を説明できない
評価項目5酸素を含む有機化合物がどのような反応するか説明できる 酸素を含む有機化合物の分類と性質が説明できる 酸素を含む有機化合物の性質を説明できない
評価項目6芳香族化合物の特徴とどのような反応をするか説明できる 芳香族化合物の性質が説明できる 芳香族化合物の特徴を説明できない

学科の到達目標項目との関係

(B)工学基礎知識の習得 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学の基本的な概念, 原理, 法則等を理解すると同時に, 自然の事物や現象および実験過程を観察することで, 物質の化学的性質を理解し自然科学の基本的知識を修得する。
授業の進め方・方法:
講義および実験を併用し行う。 実験レポートの提出を義務づける。必要に応じて適宜小テストを実施する。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
注意点:
合格点は50点である。
前期末と学年末の成績はそれぞれの中間と期末の試験結果を75%、小テスト、レポート、演習の結果を25%で評価する。
学年総合評価=(前期末成績+後期末成績)/2
[講義を受ける前] 化学Ⅰの内容を確実に理解しておくこと。
[講義を受けた後] 講義ノートを必ず書くこと.無機化合物,有機化合物について系統だてて理解すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1. 酸化還元反応
(1) 酸化と還元 (a. 酸化と還元、b. 酸化数、c. 酸化還元反応と酸化数)
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
酸化還元反応での物質の変化を、酸化数の増減として説明できる。
2週 (2) 酸化剤と還元剤 (a. 酸化剤と還元剤) 酸化剤・還元剤の役割りが説明できる。代表的な酸化剤・還元剤のはたらきを示す半反応式から酸化還元反応の反応式を導き出すことができる。
3週 (2) 酸化剤と還元剤 (b. 電子の授受と酸化還元反応) 代表的な酸化剤と還元剤の酸化還元反応の反応式を、電子の授受・イオン反応式を基にして作ることができる。
4週 (2) 酸化剤と還元剤 (c. 酸化剤と還元剤のはたらきの強さ、d. 酸化剤と還元剤の量的関係) 一般的には酸化剤としてはたらく物質も、強い酸化剤との反応では還元剤となることを、代表的な酸化剤について説明できる。
5週 (3) 金属の酸化還元反応 (a. 金属のイオン化傾向、b. 金属の反応性) 金属のイオン化傾向が説明できる。金属と空気・水・酸との反応を化学式を用いて説明できる。
6週 (4) 酸化還元反応の応用 (a. 電池のしくみ、b. 実用電池) 電池の原理を説明できる。実用電池の構成や電極での反応を説明できる。
7週 (4) 酸化還元反応の応用 (c. 金属の製錬、d. 電気分解) 金属の製錬について説明ができる。電気分解の原理が理解でき、代表的な電極・水溶液を用いた電気分解を反応式を用いて説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
2. 物質の状態
(1) 物質の三態 (a. 状態変化とエネルギー、b. 状態変化と分子間力)
到達度試験の解説と解答
物質の状態変化と状態変化に伴って出入りするエネルギーの関係を説明できる。
状態変化と分子間力の関係を説明できる。
10週 (2) 気体・液体間の状態変化 (a. 気体の圧力、b. 気液平衡と蒸気圧) 気体の圧力、気液平衡と蒸気圧について説明できる。
11週 (2) 気体・液体間の状態変化 (c. 沸騰、d. 状態図) 沸騰と蒸気圧の関係を説明できる。状態図から物質の状態変化を読み取ることができる。
12週 3. 気体の性質
(1) 気体 (a. ボイルの法則、b. シャルルの法則、c. ボイルシャルルの法則)
ボイル・シャルルの法則を用いて、気体の状態が変化した際の圧力や体積、温度などの量を求めることができる。
13週 (2) 気体の状態方程式 (a. 気体の状態方程式、b. 気体の分子量) 気体の状態方程式を用い、与えられた条件から物質量や圧力、体積、温度などの量を求めることができる。気体の分子量を与えられた条件から求めることができる。
14週 (2) 気体の状態方程式 (c. 混合気体、d. 理想気体と実在気体) 分圧の法則、分圧と物質量の関係、モル分率について説明できる。理想気体と実在気体の違いについて説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,授業アンケート
後期
3rdQ
1週 4. 有機化合物の特徴と構造
(1) 有機化合物の特徴 (a. 有機化合物の多様性と特徴、b. 炭化水素の分類)
有機化合物の特徴について説明ができる。
炭化水素を構造・結合に基づいて分類できる。
2週 (1) 有機化合物の特徴 (c. 官能基による分類、d. 有機化合物の表し方、e. 異性体) 有機化合物を官能基によって分類できる。有機化合物を、分子式、構造式、示性式で表すことができる。異性体とは何か、例をあげて説明できる。
3週 (2) 有機化合物の構造式の決定 (a. 構造式決定の手順) 有機化合物の構造式を求めるための手順を理解し、実験事実から組成式や分子式などを導くことができる。
4週 (2) 有機化合物の構造式の決定 (a. 構造式決定の手順) 有機化合物の構造式を求めるための手順を理解し、実験事実から組成式や分子式などを導くことができる。
5週 5. 炭化水素
(1) 飽和炭化水素 (a. アルカンの構造、b. アルカンの性質、c. アルカンの反応、d. シクロアルカン)
アルカンの構造、性質、反応を説明できる。シクロアルカンの構造を説明できる。
6週 (2) 不飽和炭化水素 (a. アルケンの構造、b. シス-トランス異性体、c. アルケンの製法と反応) アルケンの構造、異性体、製法と反応を説明できる。
7週 (2) 不飽和炭化水素 (d. シクロアルケン、e. アルキン) シクロアルケンの構造を説明できる。アルキンの構造、反応を説明できる。
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
4thQ
9週 試験の解説と解答
6. アルコールと関連化合物
(1) アルコールとエーテル (a. アルコールの構造と分類、b. アルコールの性質、c. さまざまなアルコール)
到達度試験の解説と解答
アルコールの構造を説明し分類ができる。代表的なアルコールの名称と示性式、性質を説明できる。
10週 (1) アルコールとエーテル (d. アルコールの反応、e. エーテル) アルコールの反応を化学反応式を用いて説明できる。エーテルの構造と性質を説明できる。
11週 (2) アルデヒドとケトン (a. カルボニル化合物、b. アルデヒド、c. ケトン) アルデヒド、ケトンの構造を説明できる。代表的なアルデヒド、ケトンの性質と反応を説明できる。
12週 (3) カルボン酸 (a. カルボン酸の構造と分類、b. カルボン酸の性質、c. さまざまなカルボン酸、d. 鏡像異性体) カルボン酸の構造、性質を説明できる。代表的なカルボン酸の構造式や性質を説明できる。
13週 (4) エステル・油脂・セッケン (a. エステル、b. 油脂) エステル、油脂、それぞれの性質と関連する化学反応を説明できる。
14週 (4) エステル・油脂・セッケン (c. セッケン) セッケンの性質と関連する化学反応を説明できる。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。2
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。2
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2
酸化還元反応について説明できる。2
イオン化傾向について説明できる。2
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2
ダニエル電池についてその反応を説明できる。2
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。2
一次電池の種類を説明できる。2
二次電池の種類を説明できる。2
電気分解反応を説明できる。2
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2
ファラデーの法則による計算ができる。2
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2
ガラス器具の取り扱いができる。2
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000