物理Ⅱ(3C)

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 物理Ⅱ(3C)
科目番号 0050 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般教科(自然科学系) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 高専テキストシリーズ「物理 上 力学・波動」,「物理 下 熱・電磁気・原子」(森北出版). 問題集: 高専テキストシリーズ「物理問題集」(森北出版), 高専の物理問題集[第3版]( 森北出版). 資料集: 「フォトサイエンス物理図録」(数研出版). その他: 自製の配布物
担当教員 金田 保則

到達目標

1. 静止流体中の圧力や浮力の概念を理解し,具体的なが計算できる.
2. 温度や熱量の概念を理解した上で, 固体の熱膨張, 熱容量, 比熱, 相変化に伴う潜熱などを理解し、具体的な計算ができる.
3. 理想気体の状態方程式を理解し, さらに微視的な分子運動と巨視的な圧力・温度の関係を理解できる. これらについての具体的な計算ができる.
4. 気体がなす仕事や熱力学第一法則, 各種熱力学過程について理解できる. さらに分子運動の自由度とエネルギー等分配則が理解できる. これらについての具体的な計算ができる.
5. 代表的な熱機関, 熱サイクル, 熱効率について理解できる. 熱力学第二法則の意味を理解できる.これらについての具体的な計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 静止流体の性質 静止流体中の圧力・浮力を理解できる. これらについての応用問題が解ける. 静止流体中の圧力・浮力を理解できる. これらについての基本問題が解ける. 静止流体中の圧力・浮力を理解できない. これらについての基本問題が解けない.
2. 温度と熱温度と熱量の概念を理解できる. 固体の熱膨張/熱容量/比熱/潜熱についての応用問題が解ける. 温度と熱量の概念を理解できる. 固体の熱膨張/熱容量/比熱/潜熱についての基本問題が解ける. 温度と熱量の概念を理解できない. 固体の熱膨張/熱容量/比熱/潜熱についての基本問題が解けない.
3. 気体分子の運動理想気体の状態方程式, 気体分子の運動と圧力・温度との関係を理解できる. これらについての応用問題が解ける. 理想気体の状態方程式, 気体分子の運動と圧力・温度との関係を理解できる. これらについての基本問題が解ける. 理想気体の状態方程式, 気体分子の運動と圧力・温度との関係を理解できない. これらについての基本問題が解けない.
4. 熱力学第1法則気体のなす仕事, 熱力学第一法則, 各種熱力学過程を理解できる. これらについての応用問題が解ける. 気体のなす仕事, 熱力学第一法則, 各種熱力学過程を理解できる. これらについての基本問題が解ける. 気体のなす仕事, 熱力学第一法則, 各種熱力学過程を理解できない. これらについての基本問題が解けない.
5. 熱力学第2法則熱機関・熱サイクル・熱効率,及び熱力学第二法則を理解できる. これらについての応用問題が解ける. 熱機関・熱サイクル・熱効率,及び熱力学第二法則を理解できる. これらについての基本問題が解ける. 熱機関・熱サイクル・熱効率,及び熱力学第二法則を理解できない. これらについての基本問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では, 理工学分野の基礎となる 静止流体の力学と熱力学の基礎を学ぶ. 基本的な物理現象/法則を理解し, それぞれの理工学分野に応用できる基礎を養う.
授業の進め方・方法:
主に講義形式で行い, また課題を課すことがある.
自然現象の観察/観測から導かれた法則を理解し, 基本問題・応用問題に取り組みながら, 基礎学力・問題解決能力を養う.
講義/試験 には関数電卓を使用する.
注意点:
1. 課題の未提出/未実施の者は単位取得が困難となるので注意すること.
2. 物理IIではこれまで物理Iや数学で学習した内容も利用するので, 適宜, 物理I, 数学の自学自習による復習も要する.
3. 合格点は 総合評価 において50点である.前期中間の成績は到達度試験(前期中間)の得点とする. 前期末における総合評価は, 次の式で計算される得点とする: (総合評価)=(到達度試験(前期中間, 前期末)結果の平均点)×75% + (平素の成績(レポートなど))×25%.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
圧力
授業概要や受講上の注意点を理解する.
静止流体における圧力, パスカルの原理が理解できる.
2週 浮力
温度と熱
流体中の浮力が理解できる.
温度が分子の熱運動の激しさを表す物理量あり, 熱とは加熱や冷却により移動するエネルギーであることを理解する.
3週 固体の熱膨張
温度の測定
物質の熱膨張の原因が物質の構成原子・分子の熱運動であることが理解できる.
温度の測定方法の種類と原理が理解できる.
4週 熱容量と比熱
潜熱
熱容量, 比熱, 熱量の保存について理解できる.
物質の三態を理解し, これらの状態変化に伴う潜熱が理解できる.
5週 理想気体の状態方程式 ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式が理解できる.
6週 気体の圧力と気体分子の運動
気体分子の重心の平均運動エネルギー
微視的な気体分子の運動と巨視的な圧力の関係を理解できる.
気体分子の並進運動エネルギーが絶対温度に比例することを理解できる.
7週 気体の内部エネルギー
演習
単原子分子理想気体の内部エネルギーが理解できる.
ここまで学習した内容の種々の問題が解ける.
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
2ndQ
9週 試験の解説と解答
気体がする仕事
到達度試験の解答と解説.
気体の圧力と体積の変化によりなされる気体の仕事が理解できる.
10週 熱力学の第1法則
等温過程
熱力学的なエネルギー保存則が理解できる.
理想気体の熱力学過程において, 等温変化が理解できる.
11週 定積過程
定圧過程
理想気体の熱力学過程において, 定積・定圧変化が理解できる.さらに気体のモル比熱が理解できる.
12週 断熱過程
エネルギー等分配の法則
理想気体の熱力学過程において, 断熱変化が理解できる.
単原子分子と二原子分子の自由度によるエネルギー分配則が理解できる.
13週 カルノーサイクル
熱効率
熱機関の代表例としてのカルノーサイクル,ならびに熱効率について理解できる.
14週 オットーサイクル
熱力学の第2法則
演習
オットーサイクルについて理解できる.
熱力学第二法則の基礎を理解できる.
ここまで学習した内容の種々の問題が解ける.
15週 到達度試験(前期末) これまでに学習した内容の理解度を試験により確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解答と解説.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2前1,前2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2前2,前3,前5
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2前2,前3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2前4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2前4
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2前2,前14
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2前5,前6
気体の内部エネルギーについて説明できる。2前6,前7,前12
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2前9,前10,前11,前12
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2前2,前9,前13,前14
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2前14
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2前13

評価割合

定期試験課題その他合計
総合評価割合75250100
基礎的能力6020080
専門的能力155020
分野横断的能力0000