基礎機械製作法Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎機械製作法Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「機械工作1 新訂版」、嵯峨常生、中西佑二他著、実教出版 / 補助教科書: 「基礎シリーズ 機械実習 上 」、嵯峨常生、中西佑二監修、実教出版
担当教員

到達目標

1.鋳造に関する基本的事項を理解・説明することができ,各種鋳造法の特徴と適用範囲がわかる.
2.溶接,溶断の原理を理解し,溶接素材や適用できる条件・範囲により溶接法を選択することができる.
3.塑性加工のしくみを理解し,各種塑性加工の特徴を説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1製品の形状,要求精度,使用素材から,適用可能な鋳造法を選択できる.各種鋳造法,使用される鋳型,溶解炉の特徴を説明できる.各種鋳造法の使用される鋳型特徴を説明できない.
評価項目2溶接金属の種類,溶接継手の使用環境,継手強度等から適切な溶接方法を選択できる.溶接・溶断の原理を説明でき,それぞれの溶接法の特徴,適用範囲を説明できる.溶接,溶断の原理を説明できない.
評価項目3塑性加工による製品と他の加工法による製品との違いを加工原理から説明でき,塑性加工の優位性を説明できる.塑性加工の仕組みと加工された製品の特徴を説明できる.塑性加工の仕組みを理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械部品,機械要素を製作するためには数多くの方法がある.それらに要求される性能を満足させ,かつ経済性を
加味しながら適切に加工法を選択する能力は機械技術者として不可欠なものとなっている.本講義では,鋳造,溶接,塑性加工について理解し,これらに関する基本的知識を修得する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じて適宜小テストや課題レポートを実施する.試験結果が合格点に達しない場 合,再試験を行うことがある.
注意点:
予習,復習をしっかり行うこと. 課題提出の期限を守ること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
鋳造のあらまし
授業の進め方と評価方法について説明する.
模型や鋳型について理解できる.
2週 砂型鋳造法 砂型鋳造法の概要と鋳造法案について理解できる.
3週 砂型鋳造法 砂型鋳造法の概要と鋳造法案について理解できる.
4週 各種の鋳造法 各種特殊鋳造法について理解できる.
5週 金属の結合と溶接
ガス溶接とガス切断
金属の結合と溶接の概要が理解できる.
ガス溶接とガス切断が理解できる.
6週 アーク溶接とアーク切断 アーク溶接とアーク切断が理解できる.
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
8週 試験の解説と解答
アーク溶接とアーク切断
到達度試験の解説と解答.
アーク溶接とアーク切断が理解できる.
2ndQ
9週 抵抗溶接 抵抗溶接について理解できる.
10週 その他の溶接 各種特殊溶接について概要を理解できる.
11週 塑性加工のあらまし 塑性加工の概要が理解できる.
12週 鍛 造 鍛造について理解できる.
13週 プレス加工 せん断加工及び曲げ加工について理解できる.
14週 その他の塑性加工 その他の転造、押し出し,圧延等について理解できる.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。3
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。3
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。3
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。3
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。3
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。3
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験レポート授業態度合計
総合評価割合702010100
基本的な理解50151075
思考・推論・創造への適用力205025