工作実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 工作実習Ⅱ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材  基礎シリーズ「機械実習 上・中・下」 嵯峨常生,中西佑二監修 実教出版   
担当教員

到達目標

1.寸法公差を考えて外丸削り,端面削り,中ぐり,テーパ削り,ねじ加工をすることができる.
2.はめあい,寸法公差を意識しながらフライス加工ができる.
3.幾何公差,寸法精度を考えながら仕上げ加工,かしめ作業ができる.
4.ガス溶断の原理が理解できる.積層溶接の仕方を理解し,継手強度と溶接欠陥との関係を理解できる.
5.マシニングセンタのプログラミング,機械操作,加工の段取りができる.
6.寸法公差を考えた旋盤加工プロセスを考え,行うことができる.
7.はめあい,寸法公差を意識したフライス加工プロセスを考え,行うことができる.
8.部品の寸法精度や組み立ての精度を考慮に入れて,加工プロセスを考え,行うことができる.
9.TIG 溶接,MAG 溶接の方法,段取りを行うことができる.
10.自動プログラムシステムを理解し,それに応じて目的の形状になるように操作できる.
11.加工部品のすりあわせを行うことができ,寸法通りに組み立てをすることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1独力で公差を満足できる旋盤加工を行うことができる.教員,技術職員の指導により公差を満足できる加工ができる.公差を満足できる旋盤加工ができない.
評価項目2 独力で公差を満足できるフライス加工を行うことができる.教員,技術職員の指導により公差を満足できる加工ができる.公差を満足できるフライス加工ができない.
評価項目3 独力で公差を満足できる仕上げ加工を行うことができる教員,技術職員の指導により公差を満足できる加工ができる.公差を満足できる仕上げ加工ができない.
評価項目4溶接電圧・電流の調整を独力で適正に行うことができる.欠陥と溶接条件の関係がわかる.溶接作業の基本が理解できない.溶接ができない.
評価項目5独力でプログラミング,機械操作,段取りを行うことができる.教員,技術職員の指導により機械操作ができる.プログラミング,機械操作をすることができない.
評価項目6素材から完成までの加工のすべてを独力で行うことができる.素材から完成までの加工を助言を基に行うことができる.指導者の助言があっても正確に加工ができない.
評価項目7加工プロセスを独力で行うことができる.加工プロセスを助言を基に行うことができる.加工プロセスを考え,行うことができない.
評価項目8部品の加工精度を把握して,独力で修正することができる.部品の加工精度を把握して,助言を得ながら修正できる.部品の加工精度を把握して,助言を得ながら修正できない.
評価項目9独力でTIG 溶接,MAG 溶接の段取りをすることができる.TIG 溶接,MAG 溶接の段取りを助言によりすることができる.TIG 溶接,MAG 溶接の段取りをできない.
評価項目10自動プログラミングシステムを自由に扱うことができる.自動プログラミングシステムを助言により使用できる.自動プログラミングシステムを操作できない.
評価項目11各々の寸法精度から修正量を推定し,,加工を行うことができる.助言を参考に修正量を推定し,加工を行うことができる.修正量を推定し,加工を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学におけるものづくりの基本となる工作法についての実技及び工学的観察能力の養成を目的とする。さらに,工作機械等を扱う上で必要な安全衛生や他の関連する基礎知識の修得を目指す.各テーマの実習終了後には,作業内容修得事項および考察等をまとめた報告書を作成することで,機械技術者に必要な知識を修得する.
授業の進め方・方法:
班毎に実習形式で行う.各テーマの終了後にはレポートの提出を求める.
注意点:
それぞれの作業に興味を持ち、工学的な疑問を常に持つこと。また、実習時には専用のノートを持参し、指示された事項・作業内容,作業中に観察されたこと,気がついたこと等を詳細に記録し、レポート作成時や今後の学習活動に役立てること.さらに,レポートの作成には,図書館の文献等を積極的に活用すること.
合格点は50点である.レポートの内容60%,実習の理解度,態度40%の割合で評価する.レポートの未提出があれば単位取得ができないので注意すること.
前期評価=(レポート×0.6+実習の理解度・態度×0.4)
後期評価=(レポート×0.6+実習の理解度・態度×0.4)
学年総合評価=(前期評価+後期評価)/2

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス,安全衛生教育,
旋盤作業①
工作実習の進め方と評価の仕方を説明する.公差を意識して旋盤作業ができる.
安全衛生教育(安全衛生と危険予知)を説明する.
2週 旋盤作業② 公差を意識して端面,段つき加工旋盤作業ができる
3週 旋盤作業③ 公差を意識して外周,溝入れ旋盤作業ができる
4週 フライス作業① フェイスミルの使用法がわかる.
5週 フライス作業② エンドミルの使用法がわかる.
6週 フライス作業③ サイドカッターの使用法がわかる.
7週 溶接作業① アーク溶接ができる.
8週 溶接作業② ガス切断,自動切断ができる.
2ndQ
9週 溶接作業③ 溶接継手の強度試験法が理解できる.
10週 マシニングセンタ① NCプログラムを理解できる.
11週 マシニングセンタ② NCプログラムを作成できる.
12週 マシニングセンタ③ マシニングセンタの操作
及び工具補正に必要な測定ができる
13週 仕上げ作業① .幾何公差を意識した仕上げ作業ができる.
14週 仕上げ作業② カシメ作業ができる
15週 仕上げ作業③
授業アンケート
精度検査法が理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 旋盤作業① 単動チャックの使用ができる.
2週 旋盤作業② 突切加工加工ができる.
3週 旋盤作業③ ねじ切り加工ができる.
4週 フライス作業① 穴あけ加工ができる.
5週 フライス作業② 面取り加工ができる.
6週 仕上げ作業① けがき作業ができる.
7週 仕上げ作業② ねじ加工ができる.
8週 溶接作業 TIG 溶接により,ステンレス材,アルミ材の溶接ができる.
4thQ
9週 マシニングセンタ① 自動プログラミングシステムを使える.
10週 マシニングセンタ② NCプログラムの作成,修正ができる.
11週 万力の組み立て作業① 自ら加工した部品を用いて,万力の組み立てができる.
12週 万力の組み立て作業② 自ら加工した部品を用いて,万力の組み立てができる.
13週 万力の組み立て作業③ 自ら加工した部品を用いて,万力の組み立てができる.
14週 万力の組み立て作業④ 自ら加工した部品を用いて,万力の組み立てができる.
15週 万力の組み立て作業⑤ 自ら加工した部品を用いて,万力の組み立てができる.
16週 本授業のまとめ,授業アンケート 本授業のまとめ,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。3
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。3
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。3
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。3
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。3
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。3
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00040060100
基礎的能力0002003050
専門的能力0002003050
分野横断的能力0000000