工業熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業熱力学Ⅰ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「例題でわかる工業熱力学」 平田哲夫 田中誠 熊野寛之 共著 森北出版
担当教員 齊藤 亜由子

到達目標

1. 熱力学的量と単位について理解できる.
2. ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式について理解し,理想気体の状態変化について説明できる.
3. 気体の内部エネルギーと仕事の関係を理解し,熱力学第一法則について説明できる.
4. クラウジウスの原理,トムソンの原理を用いて熱力学第二法則を説明できる.
5. カルノーサイクルのT-s線図,エントロピーの概念を理解し,関係する問題が解ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学で使用するSI単位系を理解し,熱力学における状態量と状態量ではないものの区別を説明できる.熱力学で使用するSI単位系を理解し,熱力学における状態量と状態量ではないものについて区別できる.熱力学で使用するSI単位系や状態量について理解できない.
評価項目2ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式について理解し,理想気体の状態変化について説明できる.ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式について理解し,各種問題を解くことができる.ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式について理解できない.
評価項目3気体の内部エネルギーと仕事の関係を理解し,熱力学第一法則について説明できる.気体の内部エネルギーと仕事の関係を理解し,熱力学第一法則を用いて各種問題を解くことができる.気体の内部エネルギーと仕事の関係から熱力学第一法則を理解することができない.
評価項目4クラウジウスの原理,トムソンの原理を用いて,エントロピー増大の法則を証明することで,熱力学第二法則を説明することができる.熱力学第二法則について理解できる.熱力学第二法則について理解できない.
評価項目5カルノーサイクルのT-s線図における過程を説明することができ,関係する問題が解ける.カルノーサイクルのT-s線図に関する問題が解ける.カルノーサイクルのT-s線図に関する問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱を仕事に変える熱機関(航空機、自動車のエンジン)や仕事を熱に変える作業機(圧縮機、冷凍機)の原理を理解する上で重要な熱力学の基礎を学習する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.
講義中に,専門用語の意味や関連する問題を口頭で問う(順番にあてる)ことがある.
レポートやノートの提出を求めることがある.
試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
評価方法:以下の評価式で60点以上を合格とする.
評価式 = {(到達度試験 中間)/2 +(到達度試験 期末)/2 } × 0.8 + {(小テストの合計点)/小テストの回数 } × 0.2

*到達度試験 中間・期末,および各小テストの満点は100点とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
1. 基礎的事項
・授業の進め方,評価方法について理解できる.
・熱力学における状態量について理解できる.
2週 2. 理想気体
(1) ボイル・シャルルの法則
(2) 理想気体の状態方程式
・ボイルの法則,シャルルの法則を用いてボイル・シャルルの法則を導出できる.
・理想気体の状態方程式を用いて関連する問題が解ける.
3週 2. 理想気体
(3) 気体の分子運動
・気体の分子運動について理解できる.
4週 3. 熱力学第一法則
(1) 気体の内部エネルギーと仕事
・気体の内部エネルギーと仕事の関係について理解できる.
5週 3. 熱力学第一法則
(2) 閉じた系の熱力学第一法則
(3) 開いた系の熱力学第一法則
・気体の内部エネルギーと仕事の関係,エンタルピーについて理解できる.
6週 3. 熱力学第一法則
(4) 気体のモル比熱
(5) 理想気体の状態変化-1
・モル比熱について理解できる.
・理想気体の等温変化,定圧変化について理解できる.
7週 3. 熱力学第一法則
(5) 理想気体の状態変化-2
・理想気体の定容変化,断熱変化について理解できる.
8週 演習問題① ・理想気体の状態方程式, 熱力学第一法則を用いて,各種問題を解くことができる.
2ndQ
9週 到達度試験(前期中間)
4. 熱力学第二法則
・上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
・ 熱力学第二法則の概要を理解できる.
10週 試験の解説
5. カルノーサイクル
(1) カルノーサイクルの各過程
到達度試験(前期中間)の解説
・等温膨張,断熱膨張,等温圧縮,断熱圧縮において気体のした仕事やもらった熱量を理解できる.
11週 (2) カルノーサイクルの熱効率
(3) 可逆カルノーサイクルと不可逆サイクル(カルノーの原理)
(4) エントロピー
・カルノーサイクルの熱効率を導出できる.
・可逆カルノーサイクルと不可逆サイクルの熱効率の違いについて理解できる.
・エントロピーの概念について理解できる.
12週 (5) カルノーサイクルのT-s線図 ・カルノーサイクルのT-s線図を用いて,仕事や受熱量を計算できる.
13週 6. 理想気体のエントロピー ・各種状態でのエントロピー変化を理解できる.
14週 演習問題② ・熱力学第二法則,カルノーサイクル,気体のエントロピーに関する各種問題を解くことができる.
15週 到達度試験(前期期末) ・上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説 到達度試験(前期期末)の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

到達度試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000