機械設計基礎

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械設計基礎
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「機械設計法」三田純義,他 共著,コロナ社
担当教員 今田 良徳

到達目標

1.設計の基本通則を理解した上で,機械設計でどのようなことをすべきかわかる.
2.機械に生ずる力の概要を理解し,生じている力の種類,力の大きさ等を適切な方法で求めることができる.
3.ねじの種類,ねじの特性,ねじの適用方法,並びにねじの規格を理解し,場合に応じて適切にねじを標準部品やねじ規格から選択,使用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1設計とは何かを具体的に理解し,独力で基本通則にしたがって設計の方向性を示すことができる.基本通則を理解し,それにしたがって設計の方向性を理解できる.基本通則が理解できない.
評価項目2機械に生じている複雑な力を整理して,独力でその種類や大きさ等を求めることができる.機械に生じている力を整理して,その種類や大きさ等を求めることができる.機械に生じている力の種類や大きさを求めることができない.
評価項目3ねじの特性を理解した上で独力でねじ強度を計算でき,その結果に基づいて規格から適切にねじを選択,使用できる.ねじの強度を計算でき,その結果に基づいて,ねじの選択,使用できる.ねじの強度計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械要素に関する設計の基本通則を理解し,基本的な機械要素部品の強度計算,及び設計ができる能力を修得する.
授業の進め方・方法:
講義形式及び演習形式で行う.必要に応じて適宜課題レポートを実施する. 
試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
合格点は50点である。成績は到達度試験(後期中間)35%,到達度試験(後期末)35%,課題レポート・授業態度30%で評価する.
 総合評価 =(到達度試験(後期中間)×0.35+到達度試験(後期末)×0.35+課題レポート・授業態度×0.3)

(講義を受ける前)予習をしっかり行うこと.
(講義を受けた後)復習をしっかり行い,関連する事項を積極的に自学する様に心がけてほしい.
課題提出の期限を守ること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1.設計上の基本通則
 (1)機械要素の設計
授業の進め方と評価の仕方について説明する.

設計に必要な基本事項がわかる.
2週 (2)設計上の基本通則
設計に使われる規格がわかる.
3週 2.材料の強さ
 (1)材料に加わる荷重
材料に加わる荷重の種類を理解できる.
4週  (2)材料の引張強さと圧縮強さ 応力とひずみがわかる.
5週 (3)材料のせん断強さと曲げ強さ
せん断荷重と曲げ荷重がわかる.
6週 (4)はりの種類とはりにかかる力 はりにかかる力がわかる.
7週 (5)はりのせん断力図と曲げモーメント図 せん断力図と曲げモーメント図を描くことができる.
8週 到達度試験(後期中間)
これまでに学習した内容の理解度を確認する.
4thQ
9週 到達度試験の解説と解答
 (6)ねじりと強さ
到達度試験の解説と解答
ねじりモーメントがわかる.
10週  (7)材料の破壊と強さ 材料の破壊形態がわかる.
11週 3.ねじ
 (1)ねじの基礎
ねじの種類,ねじの使用方法がわかる.
12週  (2)ねじの力学 ねじにかかる力がわかる.
13週  (3)ねじの引張強さとせん断強さ ねじにかかる荷重により使用するねじを決定できる.
14週  (4)ねじのかみあい長さ 使用するねじのかみあい長さを計算できる.
15週 到達度試験(後期期末) これまでに学習した内容の理解度を確認する.
16週 到達度試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。3
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3
標準規格を機械設計に適用できる。3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。3
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。3
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。3
軸の種類と用途を理解し、適用できる。3
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。3
キーの強度を計算できる。3
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。3
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力50001001575
専門的能力200000525
分野横断的能力0000000