応用解析Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用解析Ⅱ
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 数値計算法 藪 忠司、伊藤 惇著 コロナ社
担当教員 若生 昌光

到達目標

1.数値計算の基本について理解できる。
2.非線形方程式、最小自乗法、数値積分、連立一次方程式、常微分方程式を数値計算で解くことが出来る。
3.数値計算によるシミュレーション法について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1数値計算の基本を理解し、誤差を最小とする工夫が出来る数値計算の基本を理解し。誤差の内容を理解できる。数値計算の基本が理解できていない。
評価項目2非線形方程式、最小自乗法、数値積分、連立一次方程式、常微分方程式の数値計算のプログラムを作って正確に計算できる。非線形方程式、最小自乗法、数値積分、連立一次方程式、常微分方程式の数値計算が手計算で出来る。非線形方程式、最小自乗法、数値積分、連立一次方程式、常微分方程式の数値計算が手計算で出来ない。
評価項目3数値計算によるシミュレーションが出来る。数値計算によるシミュレーション法を理解できる。数値計算によるシミュレーション法が理解出来できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 工業的に用いられる方程式は解析的に解けないものが多い。そこで数値計算の基本およびベースとなる数学的原理を学び、非線形方程式、最小自乗法、数値積分、連立一次方程式、常微分方程式を数値計算により、手計算またはコンピュータで解けるようにする。
授業の進め方・方法:
 講義形式で行う。レポートを課し必要に応じて小テストを行う。
 試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
注意点:
 定期試験の結果を80%、小テスト・レポート等の結果を20%の比率で評価する。合格点は60点である。
 多くの分野の数学的知識が必要となるので、3年生までの数学を復習しておくこと。
 数値計算のプログラムはFORTRANを用いるので、復習しておくこと。
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス。FORTRANの復習。 授業内容の紹介。FORTRANについて修得内容を思い出し、基本ルールが理解できる。
2週 数値計算の基本。二進数と誤差。 数値計算の基本として、コンピュータにおける二進数の取り扱いや計算誤差について理解できる。
3週 非線形方程式:区間縮小法、ニュートン法、二次ニュートン法 非線形方程式の解法として、区間縮小法、ニュートン法、二次ニュートン法が理解できる。
4週 数値微分:ラグランジュの補間公式 数値微分の解法として、ラグランジュの補間公式が理解できる。
5週 最小自乗法 データ解析の際に広く使用される最小自乗法について理解できる。
6週 FORTRANプログラムによる数値解析-1 これまで学んだ数値解法に関するFORTRANプログラムが作成できる。
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 解答と解説
数値積分:台形公式、シンプソンの公式
試験の解説と解答。
数値積分法として、台形公式とシンプソンの公式が理解できる。
4thQ
9週 連立一次方程式-1:ガウスの消去法 連立一次方程式の解法として、ガウスの消去法が理解できる。
10週 連立一次方程式-2:ヤコビ法、ガウス・ザイデル法 連立方程式の解法として、ヤコビ法とガウス・ザイデル法が理解できる。
11週 常微分方程式-1:積分方程式の反復解法、テーラー展開による解法 常微分方程式の解法として、積分方程式の反復解法、テーラー展開による解法が理解できる。
12週 常微分方程式-2:前進積分法、ルンゲ・クッタ法 常微分方程式の解法として、ルンゲ・クッタ法が理解できる。
13週 シミュレーション法:モンテカルロ法、伝熱計算 シミュレーション法としてモンテカルロ法や差分法による伝熱計算の考え方が理解できる。
14週 FORTRANプログラムによる数値解析-2 これまで学んだ数値解法に関するFORTRANプログラムが作成できる。
15週 到達度試験(学年末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 解答と解説 試験の解説と解答。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4後1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4後1
分数式の加減乗除の計算ができる。4後1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4後1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4後1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4後1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4後1
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4後1
簡単な連立方程式を解くことができる。4後1
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4後1
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4後1
恒等式と方程式の違いを区別できる。4後1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4後1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4後1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
角を弧度法で表現することができる。3後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後1
2点間の距離を求めることができる。3後1
内分点の座標を求めることができる。3後1
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3後1
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後1
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3後1
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3後1
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3後1
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3後1
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後1
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後9
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後9
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後9
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後9
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後9
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後9
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後3
合成関数の導関数を求めることができる。3後3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3後3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3後3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3後3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3後3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後8
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後8
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後8
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後8
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後8
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3後8
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後8
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後12
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後12
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後12
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後12
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後11
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後11
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後11
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3後1
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3後1
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3後1
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3後1
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後1
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後15
目標の実現に向けて計画ができる。3後15
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3後15
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後15
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後15
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後15
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3後15
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3後15
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3後15
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3後15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3後15
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後15
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3後15
企業には社会的責任があることを認識している。3後15
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3後15
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3後15
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3後15
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3後15
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3後15
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後15
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後15
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000001060
専門的能力200000525
分野横断的能力100000515