材料工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料工学Ⅰ
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「材料学」久保井 徳洋、樫原 恵蔵、コロナ社、自製プリントの配布
担当教員 櫻田 陽

到達目標

1. 鉄-炭素系状態図を読むことが出来る。
2. 鉄鋼材料の熱処理の機構と方法を理解出来る。
3. 非鉄金属材料の強化法を理解出来る。
4. 主要なJIS規格の読み方を理解出来る。
5. 非鉄金属材料の種類や特性を理解出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鉄-炭素系状態図と鉄鋼材料の性質を関連づけられる鉄-炭素系状態図から、温度降下に伴う相変化を説明できる鉄-炭素系状態図を理解出来ない
評価項目2鉄鋼材料の熱処理法の機構と方法を正確に説明できる鉄鋼材料の主要熱処理4種の内容と特徴を説明できる鉄鋼材料の熱処理4種を説明できない
評価項目3非鉄金属の強化法数種を詳細に説明できる非鉄金属の強化法のうち、時効硬化の機構を正確に説明できる非鉄金属の強化法を説明できない
評価項目4主要なJIS記号の基本的な内容が理解出来る主要なJIS記号を説明できる主要なJIS規格の意味が判らない
評価項目5非鉄金属材料の特性や使い方を説明できる非鉄金属の代表的な特徴を説明できる非鉄金属の種類や特性を言えない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年で習得した金属材料学の基本をベースにして、鉄鋼材料の熱処理や非鉄金属材料に関する物理化学的特性を
元に機械的性質や使い方を理解し、機械技術者として必要な材料に関する応用知識を習得する。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式であるが、グループワークを行う場合もある。また、小テストの実施やレポート課題もある。
なお、試験結果が合格点に達しない時、再試験を行なう場合もある。
注意点:
(講義を受ける前) 3年時に学んだ材料学の知識を十分に復習しておくこと。
(講義を受けた後) 実社会での材料事故や新材料開発等の話題に関するニュースを良く見て、本講義内容と関連付けることで生きた学問を身につける

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
鉄-炭素系状態図の復習
授業の進め方と評価法について説明する。
2週 鉄-炭素系状態図の詳細理解 3年材料学で習得した鉄-炭素系状態図の基礎を思い出す。
3週 鉄鋼材料の熱処理-1 鉄-炭素系状態図から得られる情報を理解出来る。
4週 鉄鋼材料の熱処理-2 焼入れ、焼戻しに関して、機構と方法が理解出来る。
5週 表面硬化方法 浸炭、窒化処理の機構、方法が理解出来る。
6週 非鉄金属材料の熱処理-1 GPゾーンと時効硬化について、機構と方法が理解出来る。
7週 非鉄金属材料の熱処理-2 同上
8週
到達度試験(前期中間)
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
構造用金属材料
到達度試験の解説と解答。
構造用金属材料に関して、JIS規格や主な種類が理解出来る。
10週 鋳造用金属材料 鋳造用金属材料に関して、JIS規格や主な種類が理解出来る。
11週 工具用金属材料 工具用金属材料に関して、 JIS規格や主な種類が理解出来る。
12週 耐食金属材料 耐食金属材料に関して、 JIS規格や主な種類が理解出来る。
13週 耐熱金属材料 耐熱金属材料に関して、 JIS規格や主な種類が理解出来る。
14週 特殊機能金属材料 特殊金属材料に関して、 JIS規格や主な種類が理解出来る。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答
到達度試験の解説と解答、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3前15,前16
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3前15,前16
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3前1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3前1
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3前1
金属と合金の結晶構造を説明できる。3前1
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3前1
合金の状態図の見方を説明できる。3前1
塑性変形の起り方を説明できる。3前1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3前1
鉄鋼の製法を説明できる。3前1
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3前5
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3前2
焼きなましの目的と操作を説明できる。3前4
焼きならしの目的と操作を説明できる。3前4
焼入れの目的と操作を説明できる。3前4
焼戻しの目的と操作を説明できる。3前4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前15,前16
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前15,前16
目標の実現に向けて計画ができる。3前15,前16
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前15,前16
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前15,前16
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前15,前16
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前15,前16
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前15,前16
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前15,前16
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前15,前16
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前15,前16
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前15,前16
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前15,前16
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前15,前16
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前15,前16
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前15,前16
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前15,前16
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前15,前16
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前15,前16
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前15,前16
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前15,前16
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前15,前16
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前15,前16
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前15,前16
企業には社会的責任があることを認識している。3前15,前16
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前15,前16
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前15,前16
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前15,前16
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前15,前16
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前15,前16
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前15,前16
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前15,前16
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前15,前16
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前15,前16

評価割合

試験小テストレポート・発表成果品・実技ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
知識の基本的な理解5010000060
思考・推論・創造への適応力105000015
汎用的技能205000025
態度・嗜好性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000