半導体工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「基礎電子工学」藤本晶 著 森北出版/その他:自製プリントの配布
担当教員 田中 将樹

到達目標

1.半導体のキャリア密度を状態密度と分布関数から説明できる.
2.半導体の電気伝導の基本的なメカニズムについて説明できる.
3.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが解析的に理解できる.
4.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図と数式から説明できる.
5.ユニポーラトランジスタの動作と特性をバンド図から説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体のキャリア密度を状態密度と分布関数から説明できる.半導体のキャリア密度を説明できる.半導体のキャリア密度を説明できない.
評価項目2半導体の電気伝導の基本的なメカニズムについて説明できる.半導体の電気伝導が説明できる.半導体の電気伝導が説明できない.
評価項目3各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが解析的に理解できる.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが理解できる.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが理解できない.
評価項目4バイポーラトランジスタの動作について,バンド図と数式から説明できる.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図から説明できる.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図から説明できない.
評価項目5ユニポーラトランジスタの動作と特性をバンド図から説明できる.ユニポーラトランジスタの動作をバンド図から説明できる.ユニポーラトランジスタの動作をバンド図から説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
種々の半導体接合を微視的なモデルをたて,電流・電圧特性などを解析する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じて適宜,レポートの提出を求める.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
合格点は60点である.前期末と学年末(後期)の成績は,それぞれの中間と期末の試験結果を70%,レポートの結果を30%で評価する.学年総合評価 = ( 前期末成績 + 学年末成績 ) / 2
(講義を受ける前)半導体工学に関連する第4学年までの科目の知識が不可欠であるので既に履修済みの科目について知識を確認・整理しておくこと.
(講義を受けた後)講義ノート,レポート課題により各自で内容の理解度をチェックするとともに,確実に理解することを心がけてほしい.
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施します.
自学自習時間:週2時間(合計30時間)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
電子デバイス工学の復習
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
半導体デバイスについて理解できる.
2週 1.1 半導体のキャリア密度
半導体のキャリア密度について理解できる.
3週 1.2 状態密度関数とフェルミディラックの分布関数
状態密度と分布関数がわかる.
4週 1.3 電子密度と正孔密度 半導体中のキャリア密度がわかる.
5週 1.4 フェルミ準位 フェルミ準位がわかる.
6週 1.5 ホール効果 ホール効果がわかる.
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 試験の解説と解答
2.1 有効質量
到達度試験の解説と解答
半導体中のキャリアの質量がわかる.
2ndQ
9週 2.1 有効質量 半導体中のキャリアの質量がわかる.
10週 2.2 キャリアの移動度 半導体中のキャリアの移動度がわかる.
11週 3.1 拡散電流 半導体の拡散が理解できる.
12週 3.2 ドリフト電流 半導体のドリフト電流が理解できる.
13週 3.3 キャリアの発生と再結合 半導体のキャリアの発生と消滅が理解できる.
14週 3.4 連続の方程式 連続の方程式が理解できる.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 pn接合の拡散電位と空乏層 pn接合の拡散電位が理解できる.
2週 pn接合の電流電圧特性(1) pn接合の電流-電圧特性が理解できる.
3週 pn接合の電流電圧特性(2) pn接合の電流-電圧特性が理解できる.
4週 pn接合の静電容量(1) pn接合の空乏層容量が理解できる.
5週 pn接合の静電容量(2) pn接合の空乏層容量が理解できる.
6週 pn接合の降伏現象 pn接合の降伏が理解できる.
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 試験の解説と解答
バイポーラトランジスタの構造
到達度試験の解説と解答
npn、pnpトランジスタの構造がわかる.
4thQ
9週 バイポーラトランジスタの動作(1) npn、pnpトランジスタの動作原理がわかる.
10週 バイポーラトランジスタの動作(2) npn、pnpトランジスタの動作原理がわかる.
11週 ショットキーダイオード(1) 金属・半導体接触のバンド図が理解できる.
12週 ショットキーダイオード(2)
MIS構造
金属・半導体接触のバンド図が理解できる.
MIS構造がわかる.
13週 MIS構造 MIS構造がわかる.
14週 MOSFETの動作 電界効果トランジスタの動作が理解できる.
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前3,前5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前10
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3後1,後2,後3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後8,後9,後10
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力5000001565
専門的能力1000001020
分野横断的能力100000515