応用解析Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用解析Ⅱ
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 「応用数学」 上野建爾 監修 高専の数学教材研究会編 森北出版
担当教員 武井 由智

到達目標

1.複素数や複素平面について理解し、基本的な計算ができる。
2.フーリエ級数・フーリエ変換について理解し、具体的な計算ができる。
3.正則関数の微分について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数や複素平面について理解し、基本的な計算ができる。また、関連する公式の証明を与えることができる。複素数や複素平面について理解し、基本的な計算ができる。複素数や複素平面について理解しておらず、基本的な計算ができない。
評価項目2フーリエ級数・フーリエ変換について理解し、具体的な計算ができる。また、境界値問題が解けるようになる。フーリエ級数・フーリエ変換について理解し、具体的な計算ができる。フーリエ級数・フーリエ変換について理解しておらず、具体的な計算ができない。
評価項目3正則関数の微分について理解し、解説することができる。また具体的な計算ができる。正則関数の微分について理解し、具体的な計算ができる。正則関数の微分について理解しておらず、具体的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 複素数と複素関数、フーリエ級数、フーリエ変換について理解し、演習を通して関連する微分や積分を計算することができるようになる。
授業の進め方・方法:
 講義形式で行う。レポートを課し、小テストを行う。
 試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
注意点:
 定期試験の結果を70%,小テストを20%,レポートの結果を10%の比率で評価する.合格点は60点である.
 特に、レポートの未提出者は単位取得が困難となるので注意すること.
(講義を受ける前)基本的な微積分の計算が要求されるので、微分積分学I・IIの内容を復習しておくこと。また、予習をすることが望ましい。
(講義を受けた後)復習を徹底すること。特に小テストについては返却後の再検討を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
複素数平面
授業の進め方と評価の仕方について説明する
複素数の四則演算ができ、複素平面と基本的な図形がわかる。
2週 極形式 基本的な複素数のn乗根をもとめることができ、複素数の乗算と図形の変換の関係を説明できる。
3週 基本的な複素関数 基本的な複素数関数(指数関数・三角関数)がわかる。
4週 フーリエ級数の性質 フーリエ級数の意味がわかり、基本的な周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
5週 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数を求めることができる。
6週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
7週 試験の解説と解答
フーリエ変換とフーリエ積分定理1
到達度試験(後期中間)の解説と解答
基本的な関数のフーリエ変換を求めることができる。
8週 フーリエ変換とフーリエ積分定理2 いろいろなフーリエ変換を求めることができる。
4thQ
9週 離散フーリエ変換1 基本的な離散フーリエ変換を求めることができる。
10週 離散フーリエ変換2、z変換、畳み込み いろいろな離散フーリエ変換を求めることができ、z変換・畳み込みを適用できる。
11週 演習 7週から10週の内容に関する演習を行う。
12週 コーシーリーマンの関係式 コーシーリーマンの方程式を利用することができる。
13週 正則関数とその導関数 いろいろな正則関数が分かり、その導関数を求めることができる。
14週 演習 到達度試験の内容について理解度を確認する。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答
後期のまとめ
到達度試験(後期末)の解説と解答
授業内容をまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4
分数式の加減乗除の計算ができる。4
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4
簡単な連立方程式を解くことができる。4
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4
恒等式と方程式の違いを区別できる。4
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
角を弧度法で表現することができる。4
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4
一般角の三角関数の値を求めることができる。4
2点間の距離を求めることができる。4
内分点の座標を求めることができる。4
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。4
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。4
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。2
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。2
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。4
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。4
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4
合成関数の導関数を求めることができる。4
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。2
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。2
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。4
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。4
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000