制御システム工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 制御システム工学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「自動制御」阪部俊也,飯田賢一 著 コロナ社,教科書:「演習で学ぶ基礎制御工学」森 泰親 著 森北出版, 参考書:「自動制御」水上憲夫 著 朝倉書店,「制御工学」 下西二郎,奥平鎮正 著 コロナ社
担当教員 安東 至

到達目標

1.特性方程式が導出でき,特性根と応答の関係が分かる。
2.根軌跡が描け,安定判別に利用できる。
3.フルビッツ,ラウスの数列を算出でき,安定判別法を活用できる。
4.安定性を考慮したシステムの設計ができ,定常偏差と応答性を検討できる。
5.システムにおける補償ゲインの効果を理解でき,適切な調整ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1特性方程式が導出でき,特性根と応答の関係を説明できる。特性方程式を導出できる。特性方程式が導出できず,特性根と応答の関係が分からない。
評価項目2基本的な系の根軌跡が描け,安定判別に利用できる。基本的な系の根軌跡が描ける。基本的な系の根軌跡が描けない。
評価項目3フルビッツ,ラウスの数列を算出でき安定判別法を活用して安定判別ができる。フルビッツ,ラウスの数列を算出できる。フルビッツ,ラウスの数列を算出できない。
評価項目4安定性を考慮したシステムの設計ができ,定常偏差と応答性を検討できる。安定性を考慮したシステムの設計ができる。安定性を考慮したシステムの設計ができない。
評価項目5システムにおける補償ゲインの効果を理解して説明でき,適切な調整ができる。システムにおける補償ゲインの効果を理解でき,説明できる。システムにおける補償ゲインの効果を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各工学分野で用いられる制御技術を理解する学問であり,フィードバック制御系を数学的に解析することにより安定性,応答性,定常特性について学ぶことで簡単な制御系を設計できる能力を修得する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。この科目は学修単位科目であるため,必要に応じて適宜小テストを実施し,事前・事後学習としてレポートを課す。総合評価が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
注意点:
合格点は60点である。到達度試験結果を70%,レポート,小テストを 30%で評価し,これを評価点とする。
総合評価=(到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点)/2
(講義を受ける前)講義内容を事前に予習し,分からなかった点をまとめておくこと。 
(講義を受けた後)問題集の問題を数多く解くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス
1. フィードバック制御の安定性
(1)ラプラス変換とブロック線図
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
ラプラス変換ができ,ブロック線図がわかる。
2週 (2)特性方程式と特性根と応答 特性方程式が導出でき,特性根と応答の関係が分かる。
3週 (3)根軌跡と利用法 根軌跡が描け,その利用法が理解できる。
4週 2. 安定判別法
(1)フルビッツ,ラウスの安定判別法
フルビッツおよびラウスの安定判別法が活用できる。
5週 (2)ナイキストの安定判別法 ナイキスト線図が描け,安定判別ができる。
6週 (3)ボード線図による安定判別法 ボード線図が描け,安定判別ができる。
7週 (4)様々なシステムの安定判別 様々なシステムにおいて,上記安定判別法を活用し,安定判別ができる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
3. 自動制御の設計
(1)基本設計事項と安定性
到達度試験の解説と解答
基本設計事項が理解でき,安定性を考慮した設計ができる。
10週 (2)安定性の指標 安定性の指標とそれに基づく制御器を設計ができる。
11週 (3)定常偏差と応答性 定常偏差と応答性を考慮した設計ができる。
12週 4. 自動制御の設計法
(1)プロセス制御の設計
プロセス制御を理解し,実際に簡単な設計ができる。
13週 (2)サーボ機構の設計 サーボ機構を理解し,実際に簡単な設計ができる。
14週 (3)補償ゲインの効果 補償ゲインの効果を理解し,適切な調整ができる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前1
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前1
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3前2,前8
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3前11
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3前6
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10

評価割合

到達度試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(小テスト,レポート)合計
総合評価割合70000030100
知識の基本的な理解5000002070
思考・推論・創造への適用力100000515
汎用的技能100000515