物性工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物性工学
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書: 「新版 電子物性」松澤剛雄、高橋清、斉藤幸喜 共著 森北出版 その他:自製プリントの配布
担当教員 田中 将樹

到達目標

1.量子力学の基礎を説明でき,かつ化学結合,結晶構造を理解できる.
2.井戸型ポテンシャル中の電子の運動とブロッホの定理を論理的に完全に説明できる.
3.電気伝導現象、誘電体,超伝導現象を理解でき基本問題が解ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子力学の基礎を説明でき,かつ化学結合,結晶構造を理解できる.量子力学の基礎、化学結合,結晶構造を理解できる.量子力学の基礎、化学結合,結晶構造を理解できない.
評価項目2井戸型ポテンシャル中の電子の運動とブロッホの定理を論理的に完全に説明できる.井戸型ポテンシャル中の電子の運動とブロッホの定理を説明できる.井戸型ポテンシャル中の電子の運動とブロッホの定理を説明できない.
評価項目3電気伝導現象、誘電体,超伝導現象を理解でき基本問題が解ける.電気伝導現象、誘電体,超伝導現象を理解できる.電気伝導現象、誘電体,超伝導現象を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の電気的振る舞いを電磁気学の基礎概念と量子論的取扱いを基に,電子デバイス応用を修得し,電子物性の基本原理を理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.適宜,小テストの実施や演習問題等のレポートの提出を求める.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施します。
注意点:
(講義を受ける前)半導体工学の内容を確実に理解しておくこと.
(講義を受けた後)課題レポート等により各自で講義内容の理解度をチェックすると共に,物性の本質を理解することを心がけてほしい.
合格点は60点である.試験結果を70%,小テスト,レポート等の結果を30%で評価する.レポート未提出者は単位取得が困難となるので注意すること.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
総合評価=到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点)/2
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施します.
自学自習時間:前期週4時間(合計60時間)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.結晶構造 
(1)結晶の結合
授業の進め方と評価の仕方について説明する。

化学結合による結晶の分類を説明できる。
2週 (2)空間格子、結晶構造 空間格子、ミラー指数について理解できる。
3週 (2)空間格子、結晶構造 結晶の構造を説明できる。
4週 2.電子伝導
金属中の電子の伝導モデルを説明できる。
5週 3.固体のエネルギーバンド理論
(1)物質の粒子性と波動性、シュレーディンガー方程式
量子力学の基礎を説明できる。
6週 (2)井戸型ポテンシャル 井戸型ポテンシャルのモデルを理解できる。
7週 (3)クローニッヒ・ペニーのモデル 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
4.固体の光学的性質
到達度試験の解説と解答
光の吸収機構について理解できる。
10週 5.誘電体
(1)誘電分極
誘電体の電場に対する応答を定性的に理解できる。
11週 (2)局所電界 誘電体内の電界を理解できる。
12週 (3)誘電分極の機構 各分極機構について理解できる。
13週 (4)誘電分散 交流電界に対する分極機構について理解できる。
14週 6.超伝導体 マイスナー効果、超伝導応用について説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験(前期末)の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3前1
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000002050
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000010