錯体化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 錯体化学
科目番号 0010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新しい基礎無機化学」合原眞著 三共出版  参考書:「理工系基礎レクチャー 無機化学」 鵜沼秀郎・尾形健明著 化学同人
担当教員 野坂 肇

到達目標

1.原子価結合法と分子軌道法および混成軌道の概念を説明できる.
2.錯体の構造や異性現象を説明できる.
3.原子価結合理論、結晶場理論および配位子場理論の概念を説明できる.
4.配位子置換反応、電子移動反応が分かり、有機金属錯体の構造と性質を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子価結合法と分子軌道法および混成軌道の概念を説明でき、d軌道の電子配置と遷移金属の性質の関係について説明できる.d軌道の電子配置と遷移金属の性質の関係について説明できる.d軌道の電子配置と遷移金属の性質の関係について説明できない.
評価項目2錯体の配位数と立体構造や異性現象を説明できる.錯体の配位数から立体構造を説明できる.錯体の配位数と立体構造が分からない.
評価項目3原子価結合理論、結晶場理論および配位子場理論の概念を説明でき,d軌道の分裂を説明できる.結晶場によるd軌道の分裂を説明できる.結晶場によるd軌道の分裂を説明できない.
評価項目4配位子置換反応、電子移動反応が分かり、有機金属錯体の構造と性質を説明できる.有機金属錯体の構造と性質を説明できる.有機金属錯体の構造と性質を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 主に遷移金属を中心金属とする錯体の構造を原子価結合および場の理論を通じて理解する.また,錯体の反応,物理的性質を中心金属と配位子の性質に基づいて理解する.
授業の進め方・方法:
 講義形式で行う。演習課題レポートを課す。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
 錯体の構造,性質を学習する上で,原子軌道,分子軌道,酸・塩基の考え方が重要であるので,よく理解しておくこと.
 また,金属錯体は化学反応の触媒や種々の生体物質として知られており,各分野の学習の理解に役立ててほしい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1 電子軌道
(1) 原子軌道と分子軌道
授業の進め方と評価の仕方がわかる.
原子価結合法と分子軌道法の概要がわかる.
2週 1 電子軌道
(2) 混成軌道と分子の形
混成軌道と原子価電子対反発則について説明できる.
3週 1 電子軌道
(3) d軌道と遷移金属の性質
d軌道の電子配置と遷移金属の性質の関係について説明できる.
4週 2 錯体化学の基礎
(1) 錯体と配位子
錯体と複塩の違い,錯体の命名法がわかる.
5週 2 錯体化学の基礎
(2) 錯体の構造
錯体の配位数と立体構造がわかる.
6週 2 錯体化学の基礎
(3) 錯体の異性現象
錯体の異性体の構造を説明できる.
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
8週 試験の解説と解答 到達度試験(前期中間)の解説と解答
2ndQ
9週 2 錯体化学の基礎
(4) 原子価結合理論
内軌道錯体,外軌道錯体がわかる.
10週 2 錯体化学の基礎
(5) 静電結晶場理論
結晶場によるd軌道の分裂を説明できる.
11週 2 錯体化学の基礎
(6) 配位子場理論
配位子場による錯体の性質の違いを説明できる.
12週 2 錯体化学の基礎
(7) 有機金属化合物
有機金属錯体の構造と性質がわかる.
13週 2 錯体化学の基礎
(8) 錯体の反応
配位子置換反応、電子移動反応がわかる.
14週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
15週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験(前期末)の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000001060
専門的能力200000525
分野横断的能力100000515