材料計測工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料計測工学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 いかにして実験をおこなうか G.L.Squires 著 重川・山下他訳 丸善出版/(参考書)はじめての計測工学 改訂第2版 南・木村・荒木著 講談社 (参考書)Excelではじめる数値解析 伊津野・酒井著 森北出版
担当教員 丸山 耕一

到達目標

1. 計測器の性能を理解したうえで、計測データの精度や誤差を評価することができる。
2. 計測誤差の特徴を理解したうえで、直接測定や間接測定の誤差を計算できる。
3. ハードウエアによるデータの演算・処理ができ、デジタルデータ収集の原理がわかる。
4. 計測データの最小二乗法による近似曲線の算出や、補間、微分、積分、フーリエ解析等の処理を、表計算ソフトウエアを用いて実践できる。
5. 実験データを用いて自然現象を可視化できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測器の性能を理解したうえで、計測データの誤差の原因を議論できる。計測データの誤差の種類と、誤差を小さくする方法がわかる。計測データの誤差の種類と、誤差を小さくする方法がわからない。
評価項目2誤差の小さい計測法を提案でき、計測したデータの信頼性を議論できる。直接測定における誤差、間接測定における誤差の計算ができる。直接測定における誤差、間接測定における誤差の計算ができない。
評価項目3実験データをハードウエアにより処理するか否かの判断とその実践ができる。電子回路等のハードウエアを用いて、アナログデータの加工やデジタルデータの収集ができる。電子回路等のハードウエアを用いて、アナログデータの加工やデジタルデータの収集ができない。
評価項目4専用の解析ソフトやプログラムの作成なしに、データを適宜処理できる。表計算ソフトを用いて、各種データの解析や処理が実践できる。表計算ソフトを用いて、各種データの解析や処理が実践できない。
評価項目5データの処理や解析の総合的な技法を駆使してよりわかりやすい自然現象の可視化ができる。複数のデータをグラフ上で比較することで、自然現象を可視化できる。複数のデータをグラフ上で比較することで、自然現象を可視化できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計測技術は、物理学、化学、生物学などの基礎知識の複合化や融合化を基礎になりたっており、技術融合の典型例でもある。技術開発や研究は、実験科学の上に成り立っている。常に目的を見据えて計画をたて、測定や解析の正しさを確認しながら実験を行うための基本的な心構えを学び、将来技術者としての活用はもちろん、基礎研究や卒業研究等の実験で、実践できる能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
内容に応じて、講義、演習の形式とする。課題の提出をもとめることがある。試験結果の平均点が合格点に達しない場合,再テストを行うことがある。
注意点:
到達度試験の結果を80%,レポート(欠課措置を含む)を20%の比率で評価する。
総合評価 =(到達度試験(後期中間)評価点+到達度試験(後期末)評価点)/2 合格点は60点である。
(授業を受ける前)有効数字や、解析に用いるデータの実験原理を復習しておくことが望ましい。
(授業を受けた後)技術者として、研究者として、広く実験に関わり、計測および結果の解析と評価に関わる上で、データの解析や処理をどのようにとらえるべきかという概念と方法に関してのセンスを磨くように学習することを望む。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス・計測工学の領域 授業の進め方と評価の仕方について説明する。計測工学の学問領域を導入する。
2週 計測と技術史 計測原理や計測器の製造が、技術融合によって成り立っていることを説明できる。
3週 計測器の性能 計測器を供給する側と使用する側で機器性能を共有できる。
4週 計測の誤差とは はかる際の誤差の2種類の存在とその原因がわかり、低減法を提案できる。
5週 誤差の取扱い 平均値と標準誤差、ガウス分布の意味がわかる。
6週 誤差の伝播 関数関係をもつ物理量の最大誤差が計算できる。
7週 さらにすすんだ誤差の取り扱い 最小二乗法やデータの重みづけが実践できる。
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
4thQ
9週 アナログデータの演算と加工(1) オペアンプによる増幅回路の原理、受動型フィルタの原理が説明できる。
10週 アナログデータの演算と加工(2)、デジタルデータ化 能動型フィルタ、A/D変換器の原理が説明できる。
11週 計測データの処理(1) 電気伝導度滴定のデータを解析し、滴定点を誤差表記できる。(最小二乗法等)
12週 計測データの処理(2) X線回折のデータから多結晶の優先配向性を解析できる。(数値積分等)
13週 計測データの処理(3) 熱-質量分析のデータから、化学変化の挙動を解析できる。(数値積分、数値微分等)
14週 計測データの処理(4) フーリエ解析によって、複数の周波数成分を分離できる。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答、授業アンケート 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解501060
思考・推論・創造への適用力10010
汎用的技能20020
総合的な学習経験と創造的思考力01010