分析化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分析化学
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書1:「基礎からわかる分析化学」加藤正直,塚原聡 著,森北出版教科書2:「新版 基礎分析化学演習」菅原正雄 著,三共出版参考書 :「分析化学」阿藤質 著,培風館その他 :自製配布プリント
担当教員 野中 利瀬弘

到達目標

1.定性分析と定量分析の違いがわかり,基本的な濃度計算ができる.
2.化学平衡の概念を理解し,平衡式と平衡定数を表すことができる.
3.酸塩基平衡のしくみがわかり,電荷均衡や質量均衡から各種水溶液の
  濃度やpHを求めることができる.
4.溶解度積から沈殿の有無を導くことができ,複数のイオン種の
  分離について検討できる.
5.錯化合物の種類がわかり,逐次生成定数や全生成定数を計算できる.
6.原子価結合法の観点から,原子および分子の状態を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定性分析と定量分析の違いがわかり,種々の単位換算や濃度計算ができる.定性分析と定量分析の違いがわかり,基本的な単位換算と濃度計算ができる.定性分析と定量分析の違いが説明できず,基本的な単位換算や濃度計算ができない.
評価項目2化学平衡の概念を説明でき,成分濃度の量的関係から平衡式と平衡定数を表すことができる.化学平衡の概念を理解し,説明することができる.化学平衡の概念を説明できない.
評価項目3酸塩基平衡における電荷均衡式と質量均衡式を正確に記述でき,種々の水溶液のpHを計算することができる.酸塩基平衡における電荷均衡式と質量均衡式を記述でき,酸・塩基水溶液の簡単なpH計算ができる.酸・塩基水溶液の簡単なpH計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次で学習した化学に関する基礎的内容をさらに発展させ,溶液系を中心とした分析化学の基礎知識を学ぶ.また,実験を行う上で必要となる基本的な専門用語や化学反応の種類,化学計算の基礎について学習する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じて適宜小テストを実施し,また演習課題やレポートを課す.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
[評価方法]
・成績は試験結果80%,提出課題や授業態度を20%で評価し,合格点を50点とする.
・学年総合成績 =(前期中間成績+前期末成績+後期中間成績+後期末成績)/4 × 0.8 + (演習課題など)× 0.2

[注意点]
・化学Ⅰで学習する事項とともに化学の最も基本的な部分なので確実に理解すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 授業の進め方と評価の仕方について説明する.
2週 1.分析化学の基礎
(1)分析の種類と方法
分析化学の概要と種々の手法がわかる.
3週 (2)化学反応の表現と単位 反応に影響を及ぼす基本的なパラメータを理解できる.
4週 (3)モルと濃度Ⅰ 化学反応の定量的な表現がわかる
5週 (4)モルと濃度Ⅱ 化学反応の定量的な表現がわかる.
6週 2.化学平衡
(1)可逆反応と平衡定数Ⅰ
化学平衡の概念を理解できる
7週 (2)可逆反応と平衡定数Ⅱ 化学平衡の概念を理解できる
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
2ndQ
9週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
10週 (3)平衡状態の変化と色々な平衡 平衡の移動と平衡定数がわかる.
11週 3.酸塩基平衡と中和滴定
(1)電解質の分類と電離度
電解質,酸,塩基の定義がわかる.
12週 (2)水の解離平衡と酸-塩基の尺度 解離平衡がわかり,溶液のpHを計算できる
13週 (3)電離平衡と電荷均衡Ⅰ 電荷均衡と質量均衡を理解できる.
14週 (4)電離平衡と電荷均衡Ⅱ 電荷均衡と質量均衡を理解できる.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 (4)緩衝液と共通イオン効果Ⅰ 緩衝液の意味を理解でき,pHを求めることができる.
2週 (5)緩衝液と共通イオン効果Ⅱ 緩衝液の意味を理解でき,pHを求めることができる.
3週 4.沈殿平衡と分別沈殿
(1)沈殿平衡と溶解度積Ⅰ
溶解度積から沈殿の有無を導くことができる
4週 (2)沈殿平衡と溶解度積Ⅱ 溶解度積から沈殿の有無を導くことができる
5週 (3)陽イオンの系統的定性分析Ⅰ 沈殿平衡を利用したイオン種の分離が理解できる
6週 (4)陽イオンの系統的定性分析Ⅱ 沈殿平衡を利用したイオン種の分離が理解できる
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
4thQ
9週 5.錯生成平衡とキレート滴定 全生成定数と逐次生成定数の関係がわかる.
10週 6.結合の種類と原子価結合法
(1)量子数と電子配置
原子の電子配置がわかる
11週 (2)共有結合性化合物 共有結合性分子の構造と電子配置の関係がわかる.
12週 (3)d-ブロック元素と金属錯体Ⅰ d-ブロック元素から成る化合物の特性と錯体の形成条件がわかる.
13週 (4)d-ブロック元素と金属錯体Ⅱ 簡単な錯体の中心原子の電子配置が理解できる.
14週 (5)水素とs-ブロック元素 水素を含むs-ブロック元素の性質が理解でき,特性を利用した簡単分析法の概要がわかる.
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000001060
専門的能力200000020
分野横断的能力1000001020