メカトロニクス

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 メカトロニクス
科目番号 0016 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電磁気学の考え方  砂川重信 著 岩波書店
担当教員 丸山 耕一

到達目標

1. マクスウェル方程式を説明できる。
2. 静電場をきめる法則を説明できる。
3. 静磁場をきめる法則を説明できる。
4. 時間的に変動する電場と磁場を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1マクスウェル方程式が、静電場・静磁場のみならず、時間変動する電場・磁場になりたつ一般則であることがわかる。マクスウェル方程式(4式)をあげ、これらの現象をイメージすることができる。マクスウェル方程式(4式)をあげ、これらの現象をイメージすることができない。
評価項目2静電場を遠隔的作用として規定する諸法則を、近接作用の考え方に適合することができる。クーロン則、ガウス則、静電ポテンシャル、ポアッソンの方程式等を説明できる。クーロンの法則、ガウス則、静電ポテンシャル、ポアッソンの方程式等を説明できない。
評価項目3電流があるとその周りの空間に磁場が作られ、磁場の中にある電流には力は作用することがイメージできる。ガウス則、アンペール則、ビオ-サバール則、ローレンツ力等を説明できる。ガウス則、アンペール則、ビオ-サバール則、ローレンツ力等を説明できない。
評価項目4静電場・静磁場を規定する法則が、時間変動する場では一般化されることを説明できる。ガウス則の一般化、アンペール-マクスウェル則、ファラデーの電磁誘導則を説明できる。ガウス則の一般化、アンペール-マクスウェル則、ファラデーの電磁誘導則を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械技術と電子技術の融合をもたらすマイクロエレクトロニクスは、機械の知能化、システム化、総合化によってメカトロニクス製品へと変貌した。いわゆるインテリジェント機械においては、動く機会の駆動および制御のハード面の基礎と、計測工学、制御工学、コンピュータ技術などを総合的に踏まえ、市販の素子やユニットを購入して機器をつくるのではなく、アクチュエータやセンサ自身を自作する必要がある。この立案や設計では、電磁気学が根本的な原理となる。電磁気学とベクトル解析とを相補的に学修することが有効である。この方法で、物質の機能がマイクロエレクトロニクスにどのように活用されるのかを将来考案する際の基本的概念を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式とするが、受講者が少ない場合には輪講形式とする。課題の提出をもとめることがある。試験結果の平均点が合格点に達しない場合,再テストを行うことがある。
注意点:
講義形式の場合 総合評価 =到達度試験の結果を70%、レポート(欠課措置を含む)を30%の比率で評価
輪講形式の場合 総合評価=到達度試験の結果を50%、課題や発表に対する取り組む姿勢・内容理解度を50%で評価 合格点は60点である。
(授業を受ける前)古典力学、固体物性・固体化学、ベクトル解析等の基本概念を復習していることが望ましい。
(授業を受けた後)物理現象を理解するのに、数学が便利な道具であることを認識し、電磁気学の理解が、計測工学や電気化学の学修に応用でき、ベクトル解析の理解が流体力学や連続体力学、そして化学工学等の学修に接続することを認識する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス・メカトロニクスの領域 授業の進め方と評価の仕方について説明する。メカトロニクスの学問領域を導入する。
2週 物質工学とメカトロニクスの接点 記憶形状、磁歪、圧電/電歪、光歪み等の現象を説明できる。
3週 電磁気学とはどんな学問か 近接作用の考え方にもとづいて構成されるマクスウェル方程式を説明できる。
4週 近接作用と静電場(1) 遠隔作用的な形をもつクーロンの法則から静電場を導入する概念がわかる。
5週 近接作用と静電場(2) 静電場を規定する法則を近接作用の考え方に適合する形にする概念を説明できる。
6週 さらに静電場について(1) 静電場を規定する標準的な方法、電気双極子のつくる静電場を説明できる。
7週 さらに静電場について(2) 導体の静電気的性質、コンデンサーの問題、静電場のエネルギーがわかる。
8週 定常電流 電荷の定常的な流れ、導体内の電流の強さ、起電力について説明できる。
2ndQ
9週 静磁場(1) 電流のまわりの空間につくられる磁場を決定するガウスの法則とアンペールの法則を説明できる。
10週 静磁場(2) 任意形状の導体内の定常電流のつくる静磁場を決めるビオ-サバールの法則を説明できる。
11週 電流にはたらく磁場の力 磁場の中に置かれた電流に作用する力と、磁気双極子と円形電流の等価性を説明できる。
12週 時間的に変動する電場と磁場 これを考えることで電磁場を決定するもっとも一般的な法則を説明できる。
13週 電磁気学の基本法則 物質と電磁場の共存系に対するエネルギー保存則における電磁場の果たす役割を説明できる。
14週 電磁波 マクスウェル方程式が電磁波の存在を予言すること、電磁波の性質を説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答、授業アンケート 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合7030100
知識の基本的な理解502070
思考・推論・創造への適用力10010
汎用的技能10010
総合的な学習経験と創造的思考力01010