無機化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 無機化学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書1:「固体材料の科学」Richard J.D. Tilley,滝澤博胤他 訳,東京化学同人  参考図書:「これだけは知っておきたい ファインセラミックスのすべて 第2版」日本セラミックス協会 編,日刊工業新聞社  その他:自製配布プリント
担当教員 野中 利瀬弘

到達目標

1.原子の凝集状態がわかる
2.結晶構造の種類と構造決定法がわかる.
3.固体物質の特徴と種類がわかる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 種々の結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。いくつかの結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。
評価項目2結晶状態を記述でき,結晶構造の解析法がわかる。いくつかの結晶状態を記述でき,結晶構造の解析法がわかる。結晶状態や結晶構造の解析法がわからない.
評価項目3種々の固体材料の特徴と化学的特性の関係がわかる.いくつかの固体材料の特徴と化学的特性の関係がわかる.固体材料の特徴と化学的特性の関係がわからない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
100種余り存在する元素と化合物の性質との関連性を学び、自然界に適合する法則を理解することを目標とする。
ここでは、典型元素とその化合物の物性や反応を通して無機化学や固体化学の原理,構造解析法の基礎を修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜小テストを実施し、また演習課題やレポートを課す。
試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
注意点:
[評価方法]
・成績は試験結果80%,提出課題や授業態度を20%で評価し,合格点を50点とする.
・学年総合成績 =(後期中間成績+後期末成績)/2 × 0.8 + (演習課題など)× 0.2

[注意点]
・無機化学分野の基本的な領域であり,今後学習する固体化学や材料プロセッシングに繋がる重要な内容を含むため,確実に理解すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1.身近な無機材料と先進的セラミックス
授業の進め方と評価の仕方を理解する。先端材料の用途と原理の概要がわかる
2週 2.原子の凝集状態
(1)概論
原子の凝集状態の概要がわかる.
3週 (2)化学結合の種類 原子,イオン,分子間に働く相互作用がわかる.
4週 (3)構造とスケール マクロ,ミクロ,ナノ構造のサイズスケールがわかる.
5週 (4)固溶体,欠陥 固溶体や欠陥の特徴がわかる.
6週 同上 同上
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
4thQ
9週 3.結晶学と結晶構造
(1)概論
結晶構造の種類と構造決定法がわかる.
10週 (2)結晶格子と結晶系 結晶系とミラー指数がわかる.
11週 (3)構造解析 X線などを用いた結晶構造解析の概要がわかる.
12週 同上 同上
13週 4.固体物質の特徴と種類
(1)金属,セラミックス
固体内原子の結合状態の違いと材料特性の関係がわかる.
14週 (2)ガラス,複合材料 同上
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポートなど合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力50000001060
専門的能力00000000
分野横断的能力00000000
思考・推論・創造への適用2000000020
総合的な学習経験と創造的思考力1000000010
態度・嗜好性(人間力)0000001010