無機化学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 無機化学実験
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 ケンケル化学の基礎 John kenkel著 千原秀昭訳 東京化学同人
担当教員 佐藤 恒之,石塚 眞治

到達目標

1. 化学実験を安全に行うための知識を身につけ対策ができる。
2. 定量分析に必要な基礎概念ならびに基本的な化学計算方法がわかる。
3. 無機物質の合成・精製法の基礎がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 化学物質の基本単位である原子や分子の構造を理解でき、元素の性質を系統的に説明できる原子や分子の構造を理論モデルにもとづいて正確に説明でき、元素の周期的性質を系統的に説明できる原子や分子の構造を理論モデルにもとづいてある程度説明でき、周期表を理解できる原子や分子の構造を説明できず、周期表を理解できない
評価項目2 溶液の概念や調整法を理解できる溶液に関する用語や濃度の表し方を理解でき、さらに調整のための高い計算能力がある溶液に関する用語や濃度の表し方を理解でき、基本的な計算能力がある溶液に関する用語や濃度の表し方を理解できず、基本的な計算能力がない
評価項目3 化学平衡、酸塩基性、pHの概念を理解できる化学平衡定数の意味を理解したうえで諸因子の影響を考察できる。pHの概念を理解し計算が正しくできる化学平衡定数の意味を理解できる。pHの計算ができる化学平衡定数の意味を理解できず、またpHの計算ができない
評価項目4
評価項目5
評価項目6

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 物質・生物系学生が種々の実験を遂行する上で修得しなければない、無機溶液系の調製法や反応性評価、定性分析法、定量分析法の基礎的知識を身に付けさせる。そのため溶液の調整や化学平衡の考え方を理解させるとともに、溶液濃度計算やpHの測定概念を学ばせ、実際の化学計算が行える能力を修得させる。
授業の進め方・方法:
 授業形式は教科書を中心におこなう。自学修のレポート課題や定期試験結果をとおして理解度を確認しながら、将来いずれの専門コースの学修においても必須となる化学実験の基礎計算力を身に付けさせる。
注意点:
定期試験結果80%ならびに自学修課題レポートや小テスト結果20%として評価する。合格点は50点である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
第4章 原子の構造
本授業の目標ならびに進め方を理解できる
原子の構造を概念的にとらえ、理論モデルを理解できる
2週 第4章 原子の構造 原子の構造を概念的にとらえ、理論モデルを理解できる
3週 第4章 原子の構造 原子の構造を概念的にとらえ、理論モデルを理解できる
4週 第5章 元素の周期表 周期表で元素の性質を理解し、さらにイオン化エネルギーや電子親和力を説明できる
5週 第5章 元素の周期表
第6章 分子の構造
周期表で元素の性質を理解し、さらにイオン化エネルギーや電子親和力を説明できる。
イオン性化合物、共有性化合物の概念を理解し、VSEPR則などで説明できる
6週 第6章 分子の構造 イオン性化合物、共有性化合物の概念を理解し、VSEPR則などで説明できる
7週 前期中間到達度試験 前期前半授業の理解度を確認できる
8週 前期中間到達度試験の解答と説明
第6章 分子の構造
前期前半授業の理解度を確認でき、解答によりさらに理解を深めることができる。
イオン性化合物、共有性化合物の概念を理解し、VSEPR則などで説明できる。
2ndQ
9週 第10章 溶液 溶液の濃度の表し方を理解でき、調製のための基礎計算ができる
10週 第11章 化学平衡 化学平衡の概念を理解でき、化学平衡定数へ及ぼす諸因子の影響を説明することができる
11週 第11章 化学平衡 化学平衡の概念を理解でき、化学平衡定数へ及ぼす諸因子の影響を説明することができる
12週 第12章 酸、塩基、pH 酸・塩基の意味を理解でき、それにもとづいてpHの概念や計算方法を理解することができる
13週 第12章 酸、塩基、pH 酸・塩基の意味を理解でき、それにもとづいてpHの概念や計算方法を理解することができる
14週 第13章 酸化還元反応 酸化還元反応やその化学方程式の意味を理解することができる
15週 前期末到達度試験 授業全内容の理解度を確認することができる
16週 前期末到達度試験の解答と説明
アンケート
授業全内容の理解度を解答の説明によって深めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3

評価割合

試験小テスト等その他合計
総合評価割合80200100
知識の基本的な理解80200100
思考・推論・創造への適用力0000
汎用的技能0000
態度・嗜好性 (人間力)0000
総合的な学習経験と創造的思考力0000