化学工学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学工学実験
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:入門機器分析化学,庄野利之・脇田久伸 著,三共出版
担当教員 西野 智路,野中 利瀬弘,横山 保夫

到達目標

1. 流体輸送に関わる測定を行い,得られたデータから検定式あるいは管の圧力損失を計算し,理論値と比較できる。
2. 熱交換器に関わる測定を行い,得られたデータから境膜伝熱係数を計算して考察することができる。
3. 気液平衡測定を行い,得られたデータから気液平衡曲線が作成して考察することができる。
4. 蒸留操作を行い,得られたデータから蒸留前後の物質収支あるいは熱収支を計算して考察できる。
5. 流体混合特性を測定し,得られたデータから残余濃度曲線を計算し,理論値との比較ができる。
6. 化学反応の時間的変化を測定し,得られたデータを解析して反応速度を求めることができる。
7. 実験で得られた成果について,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて論理的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体輸送に関わる測定を行い,得られたデータから検定式あるいは管の圧力損失を計算し,理論値との比較ができる。流体輸送に関する測定を行い,得られたデータから検定式あるいは管の圧力損失の計算ができる。流体輸送に関する測定を行い,得られたデータから検定式あるいは管の圧力損失の計算ができない。
評価項目2熱交換器に関わる測定を行い,得られたデータから境膜伝熱係数を計算して考察できる。熱交換器に関わる測定を行い,得られたデータから境膜伝熱係数の計算ができる。熱交換器に関わる測定を行い,得られたデータから境膜伝熱係数の計算ができない。
評価項目3気液平衡測定を行い,得られたデータから気液平衡曲線を作成して考察できる。気液平衡測定を行い,得られたデータから気液平衡曲線を作成できる。気液平衡測定を行い,得られたデータから気液平衡曲線を作成できない。
評価項目4蒸留操作を行い,得られたデータから蒸留前後の物質収支,熱収支を計算して考察できる。蒸留操作を行い,得られたデータから蒸留前後の物質収支,熱収支の計算ができる。蒸留における蒸留前後の物質収支あるいは熱収支の計算ができない。
評価項目5流体混合特性を測定し,得られたデータから残余濃度曲線を計算し,理論値との比較ができる。流体混合特性を測定し,得られたデータから残余濃度曲線の計算ができる。流体混合特性を測定し,得られたデータから残余濃度曲線の計算ができない。
評価項目6化学反応の時間的変化を測定し,得られたデータを解析して反応速度を求めて考察できる。化学反応の時間的変化を測定し,得られたデータから反応速度を求めることができる。化学反応の時間的変化を測定し,得られたデータから反応速度を求めることができない。
評価項目7実験で得られた成果について,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて論理的に説明できる。実験で得られた成果について,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて説明できる。実験で得られた成果について,報告書および口頭で説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
講義で得られた化学工学に対する知識をもとに,実験を通して数式などを正確に理解し,利用できるようにすること。さらに,現象を理解し,化学工学に対する興味を持たせること。
授業の進め方・方法:
初めに講義形式で実験の説明を行う。その後,3名程度のグループで実験テーマの中から5テーマの実験を担当し,実験形式で行う。実験テーマごとにレポートの提出を求める。
注意点:
実験に取り組む姿勢,実験の理解度および実験報告書の内容(体裁,結果と考察)をそれぞれ25%,30%および45%で評価する。とくに,実験報告書の未提出者は単位修得が困難となるので注意すること。
合格点は60点である。
(講義を受ける前)実験に先立ち充分に予習しておくこと。
(講義を受けた後)各自で実験内容の理解度を確認するとともに,確実に理解することを心がけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業のガイダンス 授業の進め方と評価の仕方について説明する。
2週 実験内容の説明
1. 流動に関係するテーマ
2. 伝熱に関係するテーマ
流動に関する実験の実験方法や解析方法を理解できる。
境膜伝熱係数の求め方や算出方法を理解できる。
蒸留に関する基本操作や理論を理解できる。
反応速度や流体混合などの理論的なことを理解できる。
3週 3. 分離操作に関係するテーマ
4. 反応工学に関係するテーマ
蒸留に関する基本操作や理論を理解できる。
反応速度や流体混合などの理論的なことを理解できる。
4週 実験内容の確認と準備 次週担当する実験の内容と実験方法を理解できる。
5週 実験:以下に示す実験テーマからスケジュール表に従って5テーマを担当
1. オリフィス流量計の検定
流量計の検定を理解する。
6週 1. 管内の圧力損失 平滑管・粗面管の圧力損失を理解する。
7週 2. 流動層の圧力損失 固定層・流動層における圧力損失を理解する。
8週 3. 円管内の境膜伝熱係数の測定 乱流域における境膜伝熱係数の概念を理解する。
4thQ
9週 4. 平衡蒸留(気液平衡値の測定) 気液平衡の基本を理解する。
10週 5. 単蒸留 単蒸留に関する基本的な知識を得る。
11週 6. 多段連続蒸留装置の運転 ミニプラントの運転と簡単な熱収支を修得する。
12週 7. 槽型反応器内の流体混合特性測定 流体混合特性を測定し,流体混合の基本を理解する。
13週 8. 化学反応速度 酢酸エチルの加水分解反応速度式を導出することができる。
14週 9. PID制御 PID制御の基本を理解する。
15週 総括 担当した実験結果を整理してまとめて報告する能力を身につける。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験発表相互評価レポート成果品・実技その他合計
総合評価割合030045250100
基礎的能力02003515070
専門的能力05055015
分野横断的能力05055015