1. 計測器の性能を理解したうえで、計測データの精度や誤差を評価することができる。
2. 計測誤差の特徴を理解したうえで、直接測定や間接測定の誤差を計算できる。
3. 実験器具とこれを用いた測定法を選択できる。
4. 実験における論理を理解した上で測定できる。
概要:
計測技術は、物理学、化学、生物学などの基礎知識の複合化や融合化を基礎になりたっており、技術融合の典型例でもある。技術開発や研究は、実験科学の上に成り立っている。常に目的を見据えて計画をたて、測定や解析の正しさを確認しながら実験を行うための基本的な心構えを学び、将来技術者としての活用はもちろん、基礎研究や卒業研究等の実験で、実践できる能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
内容に応じて、講義、演習の形式とする。課題の提出をもとめることがある。試験結果の平均点が合格点に達しない場合,再テストを行うことがある。
注意点:
到達度試験の結果を80%,レポート(欠課措置を含む)を20%の比率で評価する。
総合評価 =(到達度試験(後期中間)評価点+到達度試験(後期末)評価点)/2 合格点は60点である。
(授業を受ける前)有効数字や、解析に用いるデータの実験原理を復習しておくことが望ましい。
(授業を受けた後)技術者として、研究者として、広く実験に関わり、計測および結果の解析と評価に関わる上で、データの解析や処理の概念をどのように実践に結びつけるかのセンスを磨くように学習することを望む。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス・計測工学の領域 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する。計測工学の学問領域を導入する。
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2週 |
計測と技術史 |
計測原理や計測器の製造が、技術融合によって成り立っていることを説明できる。
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3週 |
計測器の性能 |
計測器を供給する側と使用する側で機器性能を共有できる。
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4週 |
計測の誤差とは |
はかる際の誤差の2種類の存在とその原因がわかり、低減法を提案できる。
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5週 |
誤差の取扱い |
平均値と標準誤差、ガウス分布の意味がわかる。
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6週 |
誤差の伝播 |
関数関係をもつ物理量の最大誤差が計算できる。
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7週 |
さらにすすんだ誤差の取り扱い |
最小二乗法やデータの重みづけが実践できる。
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8週 |
到達度試験(後期中間) 試験の解説と解答
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上記項目について学習した内容の理解度を確認する。 到達度試験の解説と解答
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2ndQ |
9週 |
実験器具と方法(1) |
定規やマイクロメータを例に測定誤差が何に起因するかをわかる。
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10週 |
実験器具と方法(2) |
長さの測定における方法の選択と温度の影響を理解した上での測定ができる。
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11週 |
実験器具と方法(3) |
周波数測定におけるうなりの活用と、負帰還増幅器の有効性をわかる。
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12週 |
実験の論理(1) |
器具の対称性と測定の順序により測定誤差の低減を図れる。
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13週 |
実験の論理(2) |
意図的な条件の変化による意図しない条件の変化、信号のドリフトやばらつきを考慮した上で測定できる。
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14週 |
実験の論理(3) |
相対測定、零位法という測定の重要な概念を理解した上で測定できる。
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15週 |
到達度試験(後期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
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16週 |
試験の解説と解答、授業アンケート |
到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 4 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 4 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 4 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 4 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 4 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 4 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 4 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 4 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 4 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 目標の実現に向けて計画ができる。 | 4 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 4 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 4 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 4 | |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 4 | |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 4 | |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 4 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 4 | |
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 4 | |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 4 | |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 4 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 4 | |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 4 | |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 4 | |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 4 | |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 4 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 4 | |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 4 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 4 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 4 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 4 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 4 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 4 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 4 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 4 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 4 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 4 | |