エンジニアリングデザイン

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 エンジニアリングデザイン
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 参考書:「エンジニアリングデザイン入門-技術の創造と倫理の基礎- 」 林、佐藤、中谷、川上、赤石著 理工図書、その他 研究室で配布される資料(論文,過去のデータ,自作プリント等)
担当教員 丸山 耕一

到達目標

基礎研究(前期)や校外実習などでの実体験と、エンジニアリングデザインの概念とをつきあわせ、課題や問題を解決するための糸口を見出す。
1.基礎研究(後期)と連動して、プロジェクト研究等の課題分析による課題解決への接続を図れる。
2.工学教育・工学技術等の問題認識よる問題解決への接続を図れる。
3.これらの実践を、就職活動等における、自己分析、情報収集活動へ接続することを意識できる。
このためには、文献調査,実験原理の理解,実験・実習の実践を通して、プレゼンテーションやコミュニケーションの重要性を認識する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1課題解決のための方法を決定しスケジューリングをできる。課題分析をとおして課題解決をできる。課題分析を充分にできない。
評価項目2問題認識による対策と実践をできる。問題認識をとおして問題解決をできる。問題認識を充分にできない。
評価項目3研究・キャリア形成活動をエンジニアリングデザインの観点で客観視できる。エンジニアデザインの概念を研究・キャリア形成活動に反映できる。エンジニアデザインの概念を研究・キャリア形成活動に反映できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎研究(前期)や校外実習などでの実体験について、エンジニアリングデザインの観点で、課題や問題を洗い出す。基礎研究(後期)と連動して、プロジェクト研究の課題分析や、工学教育・工学技術の問題認識を実践する。これらの実践能力を、就職活動等における、自己分析、情報収集活動への接続と、これらの企業視線からのアプローチも試みる。
授業の進め方・方法:
学級担任によるキャリア形成支援や、研究室の指導教員によるゼミナール、論文輪読、企画の立案支援、実験実習等に関して、エンジニアリングデザインの観点での、個別・少人数での教授を実施する。
注意点:
研究室の指導教員が次に示す方法で総合的に評価する。
学年総合評価=概念理解(30%)+企画力(20%)+実践基礎能力(20%)+情報発信・共有能力(30%)
学年総合評価で60点以上を合格とする。
(授業を受ける前)基礎研究や校外実習等の体験で得た課題や問題を意識して整理する。
(授業を受けた後)基礎研究で実践した内容をエンジニアデザインの観点で、課題分析、問題認識し、卒業研究、就職活動等に接続する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス    
1.エンジニアリングデザインの必要性
全体ガイダンスを行う。エンジニアリングデザインの思考と実践が社会から必要とされることがわかる。
2週 2.課題解決
(1)課題分析Ⅰ
プロジェクト研究等における探索した課題、与えられた課題の背景と目的をわかる。
3週 (2)課題分析Ⅱ 探索した課題、与えられた課題の現状の達成度がわかる。
4週 (3)課題分析Ⅲ 課題解決のための方法の決定とスケジューリングをできる。
5週 3.問題解決
(1)問題認識Ⅰ
工学教育・工学技術等における問題の種類と潜在要因をわかる。
6週 (2)問題認識Ⅱ 問題発生の法則と悪化の過程をわかる。
7週 (3)問題認識Ⅲ 問題解決のプロセスと、問題に対する心の問題をわかる。
8週 (4)問題認識Ⅳ 問題の把握と原因究明の目的と方法がわかる。
4thQ
9週 (5)対策と実践 対策の視点と対策の対策をわかる。
10週 (6)対策と実践 仕様を決められる。
11週 (7)対策と実践 構想と設計をできる。
12週 4.エンジニアデザインの実践演習
(1)企画立案
エンジニアデザインの知識・概念を基礎研究・卒業研究に接続する意識ができる。
13週 (2)企画の公開 企画を周囲と共有できる。
14週 (3)実践内容の整理Ⅰ 実験・実習、思考実験、演習、プログラミング、シミュレーション等で実践した結果を整理できる。
15週 (4)実践内容の整理Ⅱ 実践により生じた新たな課題や問題を整理できる。
16週 (5)成果の公開 実践した内容をエンジニアリングデザインの概念に基づいて考察し、これを公開できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

概念理解企画力実践基礎能力情報発信・共有能力合計
総合評価割合30202030100
基礎的能力2010102060
専門的能力5551025
分野横断的能力555015