到達目標
1.有機合成の分野で頻繁に用いられている種々の基礎的な反応について、どのように反応が起こり、生成物が得られるのかが分かる。
2.工業的に合成され、医薬品などとして用いられている身近な有機化合物が、どのような反応を組み合わせて合成されているかがわかる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 種々の基礎的な反応について、反応機構を説明できる。またその反応の特徴についても反応機構から説明できる。 | 種々の基礎的な反応について、反応機構を説明できる。 | 種々の基礎的な反応について、反応機構が説明できない。 |
評価項目2 | 実際に生活で使われている有機化合物の多段階合成について、どのように合成されているか説明できる。また各段階の反応機構を説明できる。 | 実際に生活で使われている有機化合物の多段階合成について、用いられている反応の反応機構を説明できる。 | 実際に生活で使われている有機化合物の多段階合成について、用いられている反応の反応機構が説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
様々な化学工業の分野の根幹である有機合成法の手法とその理論を学ぶ。2-4年次で学んだ有機化学、及び有機合成化学Ⅰの内容を生かしながら,実践的な有機合成を修得する。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式で行うが、グループワークも行う。また、レポートの提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合、再テストを行うことがある。
注意点:
[自学自習時間]
前期週1時間(合計15時間)
[学習上の注意]
(講義を受ける前)2-4年次で学んだ有機化学,天然物化学及び有機合成化学Ⅰの内容を確実に理解しておくこと。
(講義を受けた後)有機合成化学は反応機構を基にあらゆる化合物の合成に応用する化学である。反応機構の基礎である電子の流れ,活性種,遷移状態を合理的に理解し、応用力を身に付けること。
[評価方法]
合格点は60点である。試験結果を70%、レポートを30%で評価する。レポート未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。試験結果が合格点に達しない場合、再テストを行うことがある。
学年総合評価=[到達度試験(中間)+到達度試験(期末)]×0.35+レポート×0.3
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス |
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
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2週 |
基礎的な合成反応1:位置選択的反応 |
実際に行われている位置選択的反応のうち基礎的なものを反応機構を中心に理解できる。
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3週 |
基礎的な合成反応2:官能基選択的反応 |
実際に行われている官能基選択的反応のうち基礎的なものを反応機構を中心に理解できる。
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4週 |
基礎的な合成反応3:立体特異的反応(1) |
実際に行われている立体特異的反応のうち基礎的なものを反応機構を中心に理解できる。
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5週 |
基礎的な合成反応4:立体特異的反応(2) |
実際に行われている立体特異的反応のうち基礎的なものを反応機構を中心に理解できる。
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6週 |
基礎的な合成反応5:種々の変換反応 |
上記以外の有機合成反応のうち基礎的なものを反応機構を中心に理解できる。
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7週 |
到達度試験(前期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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8週 |
試験の解答と解説 |
到達度試験の解説と解答
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2ndQ |
9週 |
応用的な合成反応1 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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10週 |
応用的な合成反応2 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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11週 |
応用的な合成反応3 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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12週 |
応用的な合成反応4 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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13週 |
応用的な合成反応5 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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14週 |
応用的な合成反応6 |
工業的に合成されている有機化合物の合成法を反応機構を中心に理解できる。
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15週 |
到達度試験(前期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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16週 |
試験の解答と解説 |
到達度試験の解説と解答
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 3 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 3 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 3 | |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 3 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 3 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 3 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 3 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 3 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 3 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 70 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |