量子化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 量子化学
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科(物質コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「量子化学―基礎からのアプローチ」真船文隆著 化学同人参考書:「量子化学 (化学入門コース 6) 」大野公一、梅沢喜夫、竹内敬人著 岩波書店   :「量子化学―演習による基本の理解」中田宗隆著 東京化学同人   :「アトキンス基礎物理化学(上)(下)」 Peter Atkins 著 東京化学同人
担当教員 佐藤 恒之,丸山 耕一

到達目標

1.量子論の基礎を十分に理解した上で、水素原子の波動関数から導かれる原子軌道についてイメージできるようになる。
2.量子論を多電子原子に適用するための近似法を理解できる。
3.ここから、化学結合や化学反応について基本を理解できるようになり、ナノテクノロジーや材料開発などの応用技術への基礎を得ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
量子論の基本から概観し、物理化学(4年生)で学習した内容を発展させて、量子化学の基礎となる考え方や取り扱い方に接続する。化学結合と化学反応の基本を量子論的に理解できるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。講義の理解を深めるため課題を課す。試験結果の平均点が合格点に達しない場合,再テストを行うことがある。
注意点:
合格点は60点である。各中間,期末の成績は,到達度試験結果を80%,課題の提出状況・理解度を20%で評価する。
学年総合成績 =(前期中間成績+前期末成績)/2
(授業を受ける前)前半の授業内容は、物理化学で導入した量子論を復習しながら、理解する。後半の授業内容は、無機化学や錯体化学等で学んだ概念に対して、より深い洞察を加えるための導入であることを意識する。
(授業を受けた後)・・・・

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1 量子論の基礎(1) ボーアの原子モデル
授業の進め方と評価の仕方について説明する。古典的な原子の描像と量子化の必要性を理解できる。
2週 1 量子論の基礎
(1) ボーアの原子モデル
(2) 波動性と粒子性
波と粒子の2重性について理解できる。
3週 1 量子論の基礎
(2) 波動性と粒子性
(3) 量子論の考え方
量子論の考え方と波動関数の意味を理解できる。
4週 1 量子論の基礎
(3) 量子論の考え方
(4) シュレーディンガー方程式
シュレーディンガー方程式が導出された経緯を理解する。
5週 2 量子化学の基礎
(1) 箱の中の粒子
1次元の電子の運動からポテンシャル問題を理解できる。
6週 2 量子化学の基礎
(1) 箱の中の粒子                    (2) 実例
井戸型ポテンシャルの実例を学ぶ。
7週 到達度試験(後期中間)             試験の解説と解答 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。         到達度試験(前期中間)の解説と解答
8週 3 水素原子
(1) 極座標変換
中心力ポテンシャルの取り扱い方を理解できる。
2ndQ
9週 3 水素原子
(2) 角度方向
水素原子を量子力学的に解く手順を理解できる。
10週 3 水素原子
(3) 動径方向
水素原子を量子力学的に解く手順を理解できる。
11週 3 水素原子
(4) 量子数とエネルギー準位
(5) 電子軌道
水素原子の波動関数から量子数を理解できる。
12週 3 水素原子
(5) 電子軌道
電子軌道の性質を理解できる。
13週 4 多電子原子
 (1) 電子配置
 (2) 元素の性質の周期性

多電子系の電子配置を理解できる。
原子軌道から元素の周期性について理解できる。
14週 4 多電子原子
 (3) 化学結合
複雑な系の原子軌道から化学結合を量子論的にイメージできる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答、授業アンケート 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題の提出状況・理解度合計
総合評価割合000
基礎的能力000
専門的能力000
分野横断的能力000