高分子材料工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 高分子材料工学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科(物質コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「高分子化学入門」 蒲池幹治著 (株)エヌ・ティー・エス
担当教員 榊 秀次郎

到達目標

1.代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。
2.高分子の分子量、一次構造から高次構造及び、構造から発現する性質が説明できる。
3.高分子の熱的性質・力学的性質が説明できる。
4.ゴム弾性(エントロピー弾性)について説明できる。
5.結晶性高分子と非晶性高分子について説明できる。
6.高分子の合成反応について説明できる。
7.生活環境と高分子(生分解性高分子・吸水性高分子・分離膜)について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の種類とその性質について十分理解し、説明できる。高分子の種類とその性質について、説明できる。高分子の種類とその性質について、説明できない。
評価項目2高分子の分子量と構造について十分理解し、説明できる。高分子の分子量と構造について、説明できる。高分子の分子量と構造について、説明できない。。
評価項目3高分子に熱・力を加えた際の分子鎖の動きを十分理解し、説明できる。高分子に熱・力を加えた際の分子鎖の動きを、説明できる。高分子に熱・力を加えた際の分子鎖の動きを、説明できない。
評価項目4ゴム弾性(エントロピー弾性)に力を加えた際の変形について十分理解し、説明できる。ゴム弾性(エントロピー弾性)に力を加えた際の変形について、説明できる。ゴム弾性(エントロピー弾性)に力を加えた際の変形について、説明できない。
評価項目5高分子の結晶・非晶構造ついて十分理解し、説明できる。高分子の結晶・非晶構造について、説明できる。高分子の結晶・非晶構造について、説明できない。
評価項目6高分子の合成反応について、反応機構・反応過程を十分理解し、説明できる。高分子の合成反応について、反応機構・反応過程を説明できる。高分子の合成反応について、反応機構・反応過程を説明できない。
評価項目7生活環境と高分子(生分解性高分子・吸水性高分子・分離膜)について十分理解し、説明できる。生活環境と高分子(生分解性高分子・吸水性高分子・分離膜)について、説明できる。生活環境と高分子(生分解性高分子・吸水性高分子・分離膜)について、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
主に高分子を中心に有機材料の立場から材料設計、材料合成、プロセス技術、機能の評価方法を理解させる。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式であるがグループワークも行う。必要に応じて適宜小テストの実施やレポート提出を求める。
注意点:
試験結果が合格点に達しない場合、再テストを行うことがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
高分子材料の特徴
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
分子量が大きい材料の特性を説明できる。
2週 分子量の測定、平均分子量,分子の形 平均分子量・重量平均分子量・分散度の概念と分子量の測定方法がわかる。
分子鎖の広がりがわかる。
3週 化学反応と高分子合成 ラジカル重合を説明できる。
4週 化学反応と高分子合成2 イオン重合を説明できる。
(アニオン重合,カチオン重合)
5週 化学反応と高分子合成3
開環重合を説明できる。
6週 化学反応と高分子合成4 重縮合,重付加,付加縮合を説明できる
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
2ndQ
9週 高分子の力学的性質1 外力と変形がわかる1。
10週 高分子の力学的性質2 外力と変形がわかる2。
11週 外力と変形、粘弾性1 粘弾性を説明できる1。
12週 外力と変形、粘弾性2 粘弾性を説明できる2
13週 外力と変形、粘弾性3 粘弾性を説明できる3。
14週 ゴム弾性1 エントロピー弾性が説明できる1。
15週 ゴム弾性2 エントロピー弾性が説明できる2。
16週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力155000020
専門的能力5010000060
分野横断的能力155000020