複合材料

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 複合材料
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科(物質コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子・光材料-基礎から応用まで 澤岡 昭著 森北出版社
担当教員 丸山 耕一,有明 順

到達目標

1. 複合材料とは何かを理解し,どのようなところで使われているかを説明できる.
2. 金属材料の構造材,電気・電子材料としての基本特性や評価方法,新材料について理解し,説明できる.
3. 誘電体材料の電気・電子・光学材料としての基本特性や評価方法,新材料について理解し,説明できる.
4. 半導体材料の電子・光学材料としての基本特性や評価方法,新材料について理解し,説明できる.
5. 磁性材料の電気・電子材料としての基本特性や評価方法,新材料について理解し,説明できる.
6. 光学材料の基本特性や評価方法,新材料について理解し,説明できる.

これらを通して,身の回りにある複合材料を利用した構造材,電気・電子材料・機器について,その原理,機能を理解し,産業の基盤になる材料のひとつであることを説明できるようになる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1複合材料の構造的・機械的特性を理解し,その応用も含めて説明できる.複合材料の構造的・機械的特性を理解した.複合材料の構造的・機械的特性を説明できない.
評価項目2金属材料の構造・電気・電子材料としての特性を理解し,その応用も含めて説明できる。金属材料の構造・電気・電子材料としての特性を理解した。金属材料の構造・電気・電子材料としての特性を説明できない。
評価項目3誘電体材料の電気・電子・光学材料としての特性を理解し,その応用も含めて説明できる。誘電体材料の電気・電子・光学材料としての特性を理解した。誘電体材料の電気・電子・光学材料としての特性を説明できない。
評価項目4半導体材料の電子・光学材料としての特性を理解し,その応用も含めて説明できる。半導体材料の電子・光学材料としての特性を理解した。半導体材料の電子・光学材料としての特性を説明できない。
評価項目5磁性材料の電気・電子材料としての特性を理解し,その応用も含めて説明できる。磁性材料の電気・電子材料としての特性を理解した。磁性材料の電気・電子材料としての特性を説明できない。
評価項目6光学材料の特性を理解し,その応用も含めて説明できる。光学材料の特性を理解した。光学材料の特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
複合材料は,その軽量性,機械的特性から航空機や自動車などをはじめとした様々なところで利用されている.
また,複合材料を構成する無機材料は,各種構造材から電気・電子機器,半導体素子,光学機器,磁気記録装置など,あらゆるところで利用されている.

本講義では,各種無機材料を含めた複合材料の特性や応用状況を理解するとともに,様々なトピックスを通じて,現在複合材料が置かれている状況や課題,また世界的な状況への理解を深めることを目標とする.
授業の進め方・方法:
教科書並びに自製プリントを用いて講義形式で行う.また,随時レポートを課すことがある.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
試験結果(中間,期末)とレポート提出などで評価する.
総合評価=試験結果80%,レポート15%,その他5%とし,合格点は60点以上とする.
(授業を受ける前)無機化学や無機材料化学などで履修した内容を復習しておく.
(授業を受けた後)複合材料に関する諸特性,無機材料に関する特性の概略を理解することで,今後の高専での学習や社会に出た後のものづくりの現場での各種材料に関する知識獲得,材料開発の基礎となることが期待される.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス オリエンテーション,授業の進め方と評価の仕方,複合材料全般について概説する.
2週 金属材料,抵抗材料(1) 金属材料の構造的な特徴と電気・電子的な振る舞いやバンド構造について学ぶ.
3週 金属材料,抵抗材料(2) 金属材料のトピックスとしてレアメタルについて解説し,その特性や課題を理解する.
4週 誘電体材料,セラミック材料 誘電体材料の特徴を把握し,コンデンサ,圧電素子など各種応用について学ぶ.
5週 半導体材料(1) 半導体材料の特徴を把握し,集積回路やLEDなど各種応用について学ぶ.
6週 半導体材料(2) 半導体材料(1)に引き続き,集積回路やLEDなど各種応用について学ぶ.
7週 磁性材料 磁性材料の特徴を把握し,モータや永久磁石などの各種応用について学ぶ.
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
2ndQ
9週 試験の解説と解答
光学材料(1)
前期中間試験の解説と解答,光学材料の特徴を把握し,光学素子,光ファイバ等の各種応用について学ぶ.
10週 光学材料(2) 光学材料(1)に引き続き,トピックスとして様々なガラスについて解説し,その特性を理解する.
11週 薄膜材料・プロセス(1) 各種薄膜作製の手段と真空の必要性について学ぶ.
12週 薄膜材料・プロセス(2) 各種薄膜材料の作製法,膜構造,プロセスについて学ぶ.
13週 複合材料(1) 複合材料の特徴を把握し,各種構造材,航空機などへの各種応用について学ぶ.
14週 複合材料(2) 複合材料の特徴を把握し,製造プロセスや応用について学ぶ.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説と解答 前期末試験の解説と解答,および授業アンケート.本授業のまとめ.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
無機化学代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4
分析化学無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験レポート授業中の受け答え,その他合計
総合評価割合80155100
基礎的能力505055
専門的能力200020
分野横断的能力1010525