工学概論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工学概論
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自製プリントの配布
担当教員 齊藤 亜由子,菅原 英子,横山 保夫,鎌田 光明

到達目標

1.機械製品が機械工学各専門分野の知識を総合的に活用して製造されていることを理解出来る
2-1.オームの法則及びキルヒホッフの法則を使って,抵抗接続の合成抵抗,電流,電圧を求めることができる
2-2.コンピュータ内部のデータ表現を理解し,2進数,10進数,16進数の変換ができる
2-3.基本論理演算を論理式,真理値表,ゲート記号で表現でき,各演算の機能を説明できる
3-1.社会における材料と化学の関係がわかる
3-2.日常生活社会におけるバイオ工学の役割がわかる
3-3.日常生活におけるマテリアル工学の役割がわかる
3-4.物質・生物系のカリキュラムの内容と特徴がわかる
4.土木・建築に関わる分野として、どのような分野があるのか説明することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1得られた各分野の基礎知識を相互に関連づけて新しい提案ができる得られた各分野の基礎知識を関連づけて具体的なものに応用できる各分野の基礎知識を具体的なものに応用できない
評価項目2-1オームの法則及びキルヒホッフの法則を駆使して問題を解くことができる.直並列回路をオームの法則を用いて電流,電圧を解くことができる.与えられた回路に対してオームの法則及びキルヒホッフの法則を適用して解くことができない.
評価項目2-2コンピュータ内部で用いられるデータ表現について説明でき,基数変換ができる.基数変換ができる.基数変換ができない.
評価項目2-3基本論理演算を論理式,真理値表,ゲート記号で表現でき,機能を説明できる.基本論理演算の真理値表を書くことができ,機能を説明できる.基本論理演算の真理値表が書けない.
評価項目3-1材料と化学の関係を説明できる材料と化学の関係がわかる材料と化学の関係がわからない
評価項目3-2日常生活(社会)におけるバイオの役割を説明できる日常生活(社会)におけるバイオの役割がわかる日常生活(社会)におけるバイオの役割がわからない
評価項目3-3 日常生活(社会)におけるマテリアルの役割を説明できる日常生活(社会)におけるマテリアルの役割がわかる日常生活(社会)におけるマテリアルの役割がわからない
評価項目3-4物質・生物系のカリキュラムの内容と特徴を説明できる物質・生物系のカリキュラムの内容と特徴がわかる物質・生物系のカリキュラムの内容と特徴がわからない
評価項目4土木・建築に関わる分野に関して、その全体像および各分野の概要を説明できる土木・建築に関わる分野として、どのような分野があるのかを説明できる土木・建築に関わる分野として、どのような分野があるのかを説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各系の専門基礎知識を学習する。また、学習内容をレポートにまとめて提出することで自己学習の習慣を養う。
授業の進め方・方法:
各系担当教員による講義方式,演習形式で行う。各系基礎教育了後にレポート(課題,報告書,ノート)を課す。
注意点:
合格点は 50 点である。各系の基礎教育におけるレポート(課題,報告書,ノート)の評点 100% で評価する。成績は各系評点の平均とする。
レポート等の提出物を提出しなかった場合は単位取得が困難となるので注意すること。
レポート等の提出期限は厳守すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械系基礎教育:① 機械工学とは 機械工学が社会でどのように活かされているかを理解出来る
2週 機械系基礎教育:② 材料学および制御技術の基礎 材料学と制御技術が社会や自動車でどのように役立つかが判る
3週 機械系基礎教育:③ 材料力学の基礎 材料力学が物作りや自動車でどのように役立つかが判る
4週 機械系基礎教育:④ 熱力学・エネルギーの基礎 社会や自動車に不可欠なエネルギーの基礎を熱の観点から判る
5週 機械系基礎教育:⑤ 流体力学の基礎 自動車の発展に重要な流体の基礎知識が判る
6週 機械系基礎教育:⑥ 機械設計・製作の基礎 自分で機械が作れるための知識と物作りの基本的考え方が判る
7週 機械系基礎教育:未来の自動車をノート上で完成させる 学んだ知識で議論し、未来の自動車をノート上で完成出来る
学科アンケート
8週 電気・電子・情報系基礎教育:(1)電気・電子・情報系ガイダンス 講義内容や研究内容を紹介する
2ndQ
9週 電気・電子・情報系基礎教育:(2)電気基礎 (a)オームの法則
オームの法則を使った計算ができる
10週 電気・電子・情報系基礎教育:(2)電気基礎 (b)抵抗の接続 抵抗の直列,並列,直並列の合成計算ができる
11週 電気・電子・情報系基礎教育:(2)電気基礎 (c)キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を理解し,電圧,電流を求めることができる
12週 電気・電子・情報系基礎教育:(3)コンピュータ基礎 (a)データ表現 コンピュータ内部でのデータ表現がわかり,変換ができる
13週 電気・電子・情報系基礎教育:(3)コンピュータ基礎 (b)基本論理演算 基本論理演算を論理式,真理値表,ゲート記号で表現できる
14週 電気・電子・情報系基礎教育:(4)電気・電子・情報系ガイダンス 講義内容や研究内容を紹介する
15週 まとめ 実習のまとめと授業アンケートを行う
16週
後期
3rdQ
1週 物質・生物系基礎教育:3.1 化学基礎(バイオ技術) 社会における材料とバイオ技術の関係がわかる





2週 物質・生物系基礎教育:3.2 化学基礎(化学工業) 社会における材料と化学工業の関係がわかる
3週 物質・生物系基礎教育:3.3 バイオ工学基礎 日常社会におけるバイオ工学の役割がわかる
4週 物質・生物系基礎教育:3.4 アグリ工学基礎 日常社会におけるアグリ工学の役割がわかる
5週 物質・生物系基礎教育:3.5 マテリアル工学基礎 日常生活におけるマテリアル工学の役割がわかる
6週 物質・生物系基礎教育:3.6 プロセス工学基礎 日常生活におけるプロセス工学の役割がわかる
7週 物質・生物系基礎教育:3.7 物質・生物系概論 物質・生物系のカリキュラムの内容と特徴がわかる
8週 土木・建築系基礎教育:土木・建築系概論 土木・建築系の概要を理解できる




4thQ
9週 土木・建築系基礎教育:建築デザイン 建築・都市空間のデザインについて理解できる
10週 土木・建築系基礎教育:環境工学概論 環境工学の概要を理解できる
11週 土木・建築系基礎教育:建築設計 建築(建物との違い,職能,資格,道具)について理解できる
12週 土木・建築系基礎教育:都市計画・交通計画 都市と交通の役割と関係が理解できる
13週 土木・建築系基礎教育:地震防災 地震被害の軽減のための取り組みが理解できる
14週 土木・建築系基礎教育:地盤工学 地盤と社会とのかかわりが理解できる
15週 まとめ 実習のまとめと授業アンケートを行う
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00100000100
基礎的能力007000070
専門的能力002000020
分野横断的能力001000010