機械工作実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工作実習Ⅰ
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造システム工学科(機械系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材  新版 機械実習 1・2・3 嵯峨常生,中西佑二監修 実教出版   
担当教員 渡部 英昭

到達目標

1.工作実習を行うために必要な測定器であるノギス,マイクロメータ,ハイトゲージの読みと操作ができる. 2.旋盤の操作方法を理解し外周切削,端面切削ができる. 3.フライス盤の操作方法を理解してフライス工具による平面切削ができる.4.溶接機の操作方法を理解してアーク溶接による突き合わせ溶接ができる. 5.ケガキ用工具,弓ノコ,ヤスリを使用して手仕上げ作業ができる. 6.旋盤の操作方法を理解し段つき加工,溝入れ,突切り加工ができる.7.マシニングセンタの操作方法を理解して,プログラミング・加工ができる. 8.溶接機の操作方法を理解してアーク溶接による肉盛り,欠陥検査,ガス切断,およびガス溶接ができる.9.ヤスリを使用して手仕上げ作業ができ,加工面の平面度,平行度を測定ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工作実習を行うために必要な測定器を使用できる.ノギス等,測定器の読み・操作ができる.ノギスの読み・操作ができない.
評価項目2旋盤の操作方法を理解し安全に外周切削,端面切削ができる.外周切削,端面切削ができる.旋盤の操作ができない.
評価項目3フライス盤の操作方法を理解し安全にフライス工具による平面切削ができる.フライス工具による平面切削ができる.フライス盤の操作ができない.
評価項目4溶接機の操作方法を理解し,安全にアーク溶接による突き合わせ溶接ができる.アーク溶接による突き合わせ溶接ができる.アーク溶接ができない.
評価項目5工具の使用方法を理解し,ケガキ用工具,弓ノコ,ヤスリを使用して安全に手仕上げ作業ができる.ケガキ用工具,弓ノコ,ヤスリを使用して手仕上げ作業ができる.ケガキ用工具,弓ノコ,ヤスリを使用できない.
評価項目6旋盤の操作方法を理解し段つき,溝入れ,突切り加工ができる.段つき,溝入れ,突切り加工ができる.旋盤で加工ができない.
評価項目7マシニングセンタの操作方法を理解し,プログラミング・加工ができる.マシニングセンタのプログラミング・加工ができる.マシニングセンタのプログラミングができない.
評価項目8溶接機の操作方法を理解して,アーク溶接による肉盛り,欠陥検査,ガス切断,ガス溶接ができる.アーク溶接による肉盛り,欠陥検査,ガス切断,ガス溶接ができる.溶接ができない.
評価項目9ヤスリを利用して手仕上げ作業を行い,加工面の平面度,平行度を測定できる.加工面の平面度,平行度を測定できる.平面度,平行度の測定ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学におけるものづくりの基本となる工作法についての実技,及び工学的観察力の養成を目的とする。さらに,工作機械等を扱う上で必要な安全衛生,及びそれに関連する各種基礎知識の修得を目指す.各テーマの実習終了後には,作業内容,修得事項,及び考察等をまとめた報告書を作成することで,機械技術者に必要な種々の知識を修得する.
授業の進め方・方法:
班毎に実習形式で行う.各テーマの終了後にはレポートの提出を求める.
注意点:
各工程に興味を持ち、その合理性・必然性を理解し修得すること.そのためには各作業内容について常に工学的疑問を持つよう意識すること。また、実習専用のノートを毎回持参し、指示された事項・作業内容,作業中に悟ったこと(成功した理由,失敗した原因と次回に向けての対策)等を詳細に記録し、レポート作成時や今後の学習活動に役立てること.レポート作成時には,実習時間中に修得したことの他,図書館の文献やインターネットで自ら得た知識等を積極的に活用することが望ましい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 安全衛生教育 安全衛生と危険予知がわかる.
2週 測定器操作法 ノギス等、測定器の読み・操作方法がわかる.
3週 旋盤作業(1) 旋盤の機構,操作方法がわかる.
4週 旋盤作業(2) 外周切削,端面切削,穴あけができる.
5週 実習レポートの作成(1) 実習報告レポートの作成方法について理解できる.
6週 実習レポートの作成(2) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
7週 フライス作業(1) フライス盤の機構,操作方法がわかる.
8週 フライス作業(2) 平面切削ができる.
2ndQ
9週 実習レポートの作成(3) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
10週 溶接作業(1) アーク溶接の原理を理解できる.
11週 溶接作業(2) アーク溶接ができる.
12週 実習レポートの作成(4) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
13週 手仕上げ作業(1) 穴あけ,ねじ切りの作業ができる.
14週 手仕上げ作業(2) ケガキ用工具,弓ノコ,ヤスリを使用して作業ができる.
15週 まとめ 実習のまとめ.
16週
後期
3rdQ
1週 旋盤作業(1) 段つき加工ができる.
2週 旋盤作業(2) 面取り加工,突っ切り加工ができる.
3週 旋盤作業(3) 4つ爪チャック加工を理解できる.
4週 実習レポートの作成(1) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
5週 マシニングセンタ作業(1) NC装置の概要,操作方法を理解できる.
6週 マシニングセンタ作業(2) コードを理解し,プログラミングができる.
7週 マシニングセンタ作業(3) 段取りを行い,加工ができる.
8週 実習レポートの作成(2) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
4thQ
9週 溶接作業(1) ガス切断ができる.
10週 溶接作業(2) 被覆剤による溶接面の変化を理解できる.
11週 溶接作業(3) 欠陥検査,V形肉盛りができる.
12週 実習レポートの作成(3) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う.
13週 手仕上げ作業(1) ヤスリ作業による平面の作成ができる.
14週 手仕上げ作業(2) 加工平面の平面度が測定できる.
15週 手仕上げ作業(3) 加工平面の平行度が測定できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験レポート成果品・実技作業態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合050401000100
知識の基本的な理解0301500045
創造への適用力05500010
汎用的技能0101500025
態度055100020