機械工作実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械工作実習Ⅱ
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 創造システム工学科(機械系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材  基礎シリーズ「機械実習 上・中・下」 嵯峨常生,中西佑二監修 実教出版   
担当教員 櫻田 陽

到達目標

1.製作図面を理解し,フライス盤の操作方法を理解し,フライス工具による側面切削ができる。
2.旋盤の操作方法を理解し,ねじ切り加工を行うことができる。
3.溶接機の操作方法を理解し,自動ガス切断,開先の溶接,溶接継手の強度試験ができる。
4.マシニングセンタの操作方法を理解し,工具径補正からプログラミングが出来る。
5.製作図面を理解し,フライス盤の操作方法を理解し,フライス工具による穴あけ,面取り加工ができる。
6.弓のこ,ヤスリ,ケガキを利用して,仕上げ加工ができる。
7.溶接機の操作方法を理解し,TIG溶接,MAG溶接ができる。
8.マシニングセンタの操作方法を理解し,CAD/CAMで,作図及びプログラム出力ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1製作図面どおりの公差でフライス工具による側面切削ができる。製作図面を理解し,フライス工具による側面切削ができる。フライス工具による側面切削ができない。
評価項目2はめあい,寸法公差を意識し,図面どおりにねじ切り加工を行うことができる。ねじ切り加工を行うことができる。ねじ切り加工ができない。
評価項目3装置の操作方法を理解し安全に自動ガス切断,開先の溶接,溶接継手の強度試験ができる。自動ガス切断,開先の溶接,溶接継手の強度試験ができる。自動ガス切断,開先の溶接,溶接継手の強度試験ができない。
評価項目4工具径補正を使用し、加工順序を考慮したプログラミングが出来る。工具径補正を使用し、プログラミングが出来る。プログラミングができない。
評価項目5製作図面どおりの公差でフライス工具による穴あけ,面取り加工ができる。製作図面を理解し,フライス工具による穴あけ,面取り加工ができる。フライス工具による穴あけ,面取り加工ができない。
評価項目6製作図面どおりの公差でけがき・穴あけ作業等の仕上げ加工ができる。けがき・穴あけ作業等の仕上げ加工ができる。けがき・穴あけ作業等の仕上げ加工ができない。
評価項目7溶接方法の原理を理解し,TIG溶接,MAG溶接ができる。TIG溶接,MAG溶接ができる。TIG溶接,MAG溶接ができない。
評価項目8CAD/CAMを理解し、作図及びプログラム出力ができる。CAD/CAMで、作図及びプログラム出力ができる。CAD/CAMで、作図及びプログラム出力ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学におけるものづくりの基本となる工作法についての実技及び工学的観察能力の養成を目的とする。さらに,工作機械等を扱う上で必要な安全衛生や他の関連する基礎知識の修得を目指す.各テーマの実習終了後には,作業内容修得事項および考察等をまとめた報告書を作成することで,機械技術者に必要な知識を修得する.
授業の進め方・方法:
班毎に実習形式で行う.各テーマの終了後にはレポートの提出を求める.
注意点:
それぞれの作業に興味を持ち、工学的な疑問を常に持つこと。また、実習時には専用のノートを持参し、指示された事項・作業内容,作業中に観察されたこと,気がついたこと等を詳細に記録し、レポート作成時や今後の学習活動に役立てること.さらに,レポートの作成には,図書館の文献等を積極的に活用すること.
合格点は50点である.レポートの内容60%,実習の理解度,態度40%の割合で評価する.レポートの未提出があれば単位取得ができないので注意すること.
前期評価=(レポート×0.6+実習の理解度・態度×0.4)
後期評価=(レポート×0.6+実習の理解度・態度×0.4)
学年総合評価=(前期評価+後期評価)/2

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 旋盤(1) 4つ爪チャックを使用した端面切削,外周面切削ができる。
2週 旋盤(2) 中ぐり,ねじ切り加工ができる。
3週 旋盤(3) はめあいを考慮したねじ切り加工ができる。
4週 レポート(1) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う。
5週 溶接(1) 自動ガス切断機を使用したガス切断ができる。
6週 溶接(2) V型開先の突合わせ溶接ができる。
7週 溶接(3) 溶接継手の試験方法を理解できる。
8週 レポート(2) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う。
2ndQ
9週 マシニングセンタ(1) 工具径補正を理解し、プログラムを作成できる。
10週 マシニングセンタ(2) 加工内容を把握し、加工順序を決定することができる。
11週 マシニングセンタ(3) 段取りを行い加工ができる。
12週 レポート(3) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う。
13週 フライス(1) 公差を考慮したエンドミルによる側面切削ができる。
14週 フライス(2) 公差を考慮した正面フライスによる平面切削ができる。
15週 フライス(3) サイドカッターによる段差加工ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 手仕上げ(1) 図面どおりにけがき作業ができる。
2週 手仕上げ(2) 加工した製品の寸法に合わせて穴あけ加工ができる。
3週 フライス(1) フライス盤による芯出し加工ができる。
4週 フライス(2) フライス盤による穴あけ,面取り加工ができる。
5週 マシニングセンタ(1) CAD/CAMを理解し、作図及びプログラム出力ができる。
6週 マシニングセンタ(2) 段取りを行い加工ができる。
7週 溶接(1) TIG溶接機を使用して溶接ができる。
8週 溶接(2) MAG溶接機を使用して溶接ができる。
4thQ
9週 万力加工(1) 万力部品のけがき,穴あけ加工ができる。
10週 レポート(1) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う。
11週 万力組立(1) 加工した万力部品を加工・組み立てることができる。
12週 万力組立(2) 加工した万力部品を加工・組み立てることができる。
13週 万力組立(3) 加工した万力部品を加工・組み立てることができる。
14週 万力組立(4) 加工した万力部品を加工・組み立てることができる。
15週 レポート(2) 実習報告レポートを作成し,必要に応じて修正を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00040060100
基礎的能力0002003050
専門的能力0002003050
分野横断的能力0000000