電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(電気・電子・情報系) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書「例題と演習で学ぶ 電気回路(第2版)」,服藤憲司著 森北出版, 「例題と演習で学ぶ 続・電気回路(第2版)」,服藤憲司著 森北出版
担当教員 安東 至

到達目標

1.直列,並列回路を理解し,直流回路においてオームの法則やキルヒホッフの法則に代表される各法則や定理を用いて各電気量を算出できる。
2.交流波形を理解するとともに,虚数などの数学的表現を用いて交流を表現し,各電気量の基本計算ができる。
3.交流回路におけるR,L,Cの単独の素子の性質を理解し,単独回路の電流,電圧,及びこれらの位相について複素数を用いて計算し,説明できる。
4.RL直並列,RC直並列,RLC直並列回路のインピーダンス,アドミタンスを複素数を用いて計算でき,且つ,回路電流,電圧の関係を表現できる。
5.直流の電力と交流の電力の違いを理解し,有効電力,皮相電力,力率などの電気量を算出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直流における直列・並列複合回路において,各法則や定理を理解し,柔軟に使いこなして各電気量を算出することができる。直流における直列・並列回路において,各法則や定理を用いて,各電気量を算出することができる。直流における直列・並列回路において,各法則や定理を用いて,各電気量を算出できない。
評価項目2交流波形を専門用語を用いて説明でき,かつ,複素数における各種数学的表現を用いて交流回路の各電気量を表現できる。交流波形を理解するとともに,かつ,複素数における各種数学的表現を用いて交流回路の各電気量を表現できる。複素数などの数学的表現を用いて交流を表現できない。
評価項目3交流回路におけるR,L,Cの単独の素子の性質を理解し,単独回路の電流,電圧,及びこれらの位相について複素数を用いて計算し,説明できる。交流回路におけるR,L,Cの単独の素子の性質を理解し,単独回路の電流,電圧,及びこれらの位相について複素数を用いて説明できる。交流回路におけるR,L,Cの単独の素子の性質を理解できない。
評価項目4RL直並列,RC直並列,RLC直並列回路のインピーダンス,アドミタンスを計算でき,且つ,回路電流,電圧の関係を複素数を用いて表現できる。RL直並列,RC直並列,RLC直並列回路のインピーダンス,アドミタンス,回路電流,電圧を計算できる。RL直並列,RC直並列,RLC直並列回路のインピーダンス,アドミタンス,回路電流,電圧を計算できない。
評価項目5交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力,無効電力,複素数表示について算出,説明ができる。交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力,無効電力について算出できる。交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力の違いが説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実際的な電気現象と対応しつつ,物理的性質を理解した上で,電圧,電流,電力,インピーダンスなどの表現法および計算法の基礎を理解し,基本定理を学んで回路網解析の能力を修得する。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式であるが,グループワークも行う。随時演習を行いながら授業を進め,必要に応じて小テストを実施し,レポート課題の提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合は再試験を行うことがある。 
注意点:
合格点は50点である。到達度試験結果を70%,レポート,小テストを30%で評価し,これを評価点とする。
総合評価=(到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点)/2
(講義を受ける前)講義内容を事前に予習し,分からなかった点をまとめておくこと。 
(講義を受けた後)電気回路の考え方を身に付けるために教科書の問題を数多く解くこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.直流回路の要素
(1)電気量
(2)オームの法則
電圧,電流などの電気量を説明でき,オームの法則を理解し,利用できる。
2週 (3)直列・並列回路と分圧・分流 直列と並列回路が分かり,分圧や分流の計算ができる。
3週 (4)回路方程式 キルヒホッフの法則を理解するとともに,利用して回路方程式を導き,解くことができる。
4週 (5)諸定理 重ね合わせの原理,テブナンの定理などの電気回路の基本となる性質を理解し,電気量の計算に利用できる。
5週 (6)電圧源と電流源及び電力 電圧源と電流源を理解し,変換できる。更に,直流回路における電力について理解し,計算できる。
6週 2.交流回路の基礎
(1)交流波形の表現法
(2)正弦波交流の複素数表示
正弦波交流の瞬時値表現を理解し,振幅,周波数,実効値等が説明できる。さらに,交流を複素数で表すことができる。
7週 (3)直交座標系表示と極座標系表示による複素数の演算
(4)回転オペレータと複素数の関係
直交座標系表示や極座標系表示を理解し,各表示の双方向変換を用いて複素数の演算ができる。さらに,複素数と回転オペレータの関係を説明でき,交流の電気量と位相について説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
2ndQ
9週 試験の解説と解答
3.基本素子の交流回路
(1)抵抗Rのみの回路
到達度試験の解説と解答。交流における抵抗Rのみの回路の特性を理解し,各部電気量を算出できる。
10週 (2)インダクタンスLのみの回路とキャパシタンスCのみの回路
交流におけるリアクトルLのみ,キャパシタCのみの回路の特性を理解し,各部電気量を算出できる。
11週 (3)複素インピーダンスとRLC直列回路 複素インピーダンスを理解し,RLC直列回路における各部電気量の算出に利用できる。
12週 (4)RLC並列回路 複素インピーダンスを理解し,RLC並列回路における各部電気量の算出に利用できる。
13週 4.交流の電力
(1)有効電力,無効電力と皮相電力
有効電力,無効電力,皮相電力,及び力率を理解し,説明でき,かつ計算できる。
14週 (2)電力と電力量
電力と電力量の違いを説明でき,且つ計算できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前5,前13,前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前6
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前6
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前7
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前9,前10,前11,前12
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前11,前12
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前11,前12
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3前13,前14

評価割合

到達度試験発表小テスト・レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
知識の基本的な理解5002000070
指向・推論・創造への適用力100500015
汎用的技能100500015