電気・電子・情報工学概論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気・電子・情報工学概論
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 創造システム工学科(電気・電子・情報系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 教科書「例題と演習で学ぶ 電気回路」,服藤憲司著 森北出版, 「例題と演習で学ぶ 続・電気回路」,服藤憲司著 森北出版,「電子計測」専修学校教科書シリーズ6 浅野健一,岡本知巳 他著 コロナ社
担当教員 田中 将樹,菅原 英子

到達目標

1.直列,並列回路を理解し,直流回路においてオームの法則やキルヒホッフの法則に代表される各法則や定理を用いて各電気量を算出できる。
2.交流波形を理解するとともに,虚数などの数学的表現を用いて交流を表現し,各電気量の基本計算ができる。
3.交流電力を算出することができるとともに,RL,RCの直列,並列回路とブリッジ回路が解析できる。
4.直流の電力と交流の電力の違いを理解し,有効電力,皮相電力,力率などの電気量を算出できる。
5.実験において測定値を的確に評価できる。
6.代表的な各種指示計器の構造と動作原理が説明できる。
7.電圧,電流,抵抗などの電気量の基本的測定法が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直流における直列・並列回路において,各法則や定理を理解し,柔軟に使いこなして各電気量を算出することができる。直流における直列・並列回路において,オームの法則とキルヒホッフの法則を理解し,電圧・電流・抵抗を算出できる。直流における直列・並列回路において,各法則や定理を理解できない。
評価項目2交流波形を理解するとともに,虚数などの数学的表現を用いて交流を表現し,各法則や定理を活用して各電気量を算出することができる。交流波形を理解するとともに,虚数などの数学的表現を用いて交流を表現し,オームの法則とキルヒホッフの法則を用いて電圧・電流・抵抗を算出することができる。虚数などの数学的表現を用いて交流を表現できない。
評価項目3交流の有効電力を算出することができるとともに,RL,RCの直列,並列回路とブリッジ回路が解析できる。RL,RCの直列,並列回路とブリッジ回路が解析できる。RL,RCの直列,並列回路とブリッジ回路を解析できない。
評価項目4交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力,無効電力,複素数表示について算出,説明ができる。交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力,無効電力について算出できる。交流の瞬時電力,有効電力,皮相電力の違いが説明できない。
評価項目5測定値の誤差と単位について説明でき,考察へ応用できる。測定値の誤差と単位について説明できる。測定値の誤差と単位について説明できない。
評価項目6基本的な指示計器の構造と動作原理が説明でき,実験で適切に使用できる。基本的な指示計器の構造と動作原理が説明できる。基本的な指示計器の構造と動作原理が説明できない。
評価項目7電圧,電流,抵抗などの電気量の基本的測定法が説明でき,分流器,倍率器,誤差を計算できる。電圧,電流,抵抗などの電気量の基本的測定法が説明できる。電圧,電流,抵抗などの電気量の基本的測定法が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期:実際的な電気現象と対応しつつ,物理的性質を理解した上で,電圧,電流,電力,インピーダンスなどの表現法および計算法の基礎を理解し,基本定理を学んで回路網解析の能力を修得する。
後期:電気量の測定法と結果の評価法を学ぶ。電圧,電流,インピーダンスなどの基本測定法や代表的指示計器の構造,動作原理を修得する。
授業の進め方・方法:
前期:基本的に講義形式であるが,グループワークも行う。随時演習を行いながら授業を進め,必要に応じて小テストを実施し,レポート課題の提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合は再試験を行うことがある。 
後期:講義形式で行う。適宜,小テストの実施・レポートの提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合は,再試験を行うことがある。
注意点:
合格点は50点である。到達度試験結果を70%,レポート,小テストを30%で評価し,これを評価点とする。
総合評価=(到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点)/2
前期(講義を受ける前)講義内容を事前に予習し,分からなかった点をまとめておくこと。 
前期(講義を受けた後)電気回路の考え方を身に付けるために教科書の問題を数多く解くこと。
後期(講義を受ける前)電気基礎,電気回路Ⅰの学習内容と重複する箇所も多いので予習・復習を兼ねて勉強するとよい。
後期(講義を受けた後)基礎工学実験において実践し,理解を深めて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.直流回路の要素
(1)電気量
(2)オームの法則
電圧,電流などの電気量を説明でき,オームの法則を理解し,利用できる。
2週 (3)直列・並列回路と分圧・分流 直列と並列回路が分かり,分圧や分流の計算ができる。
3週 (4)回路方程式 キルヒホッフの法則を理解するとともに,利用して回路方程式を導き,解くことができる。
4週 (5)諸定理 重ね合わせの原理,テブナンの定理などの電気回路の基本となる性質を理解し,電気量の計算に利用できる。
5週 (6)電圧源と電流源 電圧源と電流源がわかり,変換できる。
6週 2.交流回路の基礎
(1)交流波形の表現法
(2)正弦波交流の複素数表示
正弦波交流の瞬時値表現を理解し,振幅,周波数,実効値等が説明できる。さらに,交流を複素数で表すことができる。
7週 (3)直交座標系表示と極座標系表示による複素数の演算
(4)回転オペレータと複素数の関係
直交座標系表示や極座標系表示を理解し,各表示の双方向変換を用いて複素数の演算ができる。さらに,複素数と回転オペレータの関係を説明でき,交流の電気量と位相について説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
2ndQ
9週 試験の解説と解答
3.基本素子の交流回路
(1)抵抗Rのみの回路
到達度試験の解説と解答。交流における抵抗Rのみの回路の特性を理解し,各部電気量を算出できる。
10週 (2)インダクタンスLのみの回路とキャパシタンスCのみの回路
交流におけるリアクトルLのみ,キャパシタCのみの回路の特性を理解し,各部電気量を算出できる。
11週 (3)複素インピーダンスとRLC直列・並列回路 複素インピーダンスを理解し,RLC直列・並列回路における各部電気量の算出に利用できる。
12週 5.交流の電力
(1)直流電力と交流電力
(2)瞬時電力
直流電力と交流電力の違いを理解でき,瞬時電力を含めて説明できる。
13週 (3)有効電力と無効電力と皮相電力
(4)電力量
有効電力と無効電力と皮相電力を理解し,説明できる。また,電力と電力量の違いを説明でき,電力量を算出できる。
14週 (5)力率と電力の複素数表示 力率と電力の複素数表示を理解し,力率および電力を算出できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 授業のガイダンス
1.計測の基礎
(1)測定法,測定方式
授業の進め方と評価の方法について説明する。偏位法,零位法,直接/間接測定がわかる。
2週 (2)誤差,測定値の処理
(3)SI単位,電気単位,標準器
誤差,有効数字,精度,確度がわかる。
SI単位系,特に電気単位がわかる。
測定標準がわかる。
3週 2.計器の基礎
(1)指示計器の分類と構成
(2)可動コイル形計器
指示計器の分類と基本構造がわかる。
可動コイル形計器の動作原理がわかる。
4週 (3)可動鉄片形計器
(4)電流力計形計器
(5)電圧,電流の測定範囲の拡大
可動鉄片形計器の動作原理がわかる。
電流力計形計器の動作原理がわかる。
分流器,倍率器の使い方がわかる。
5週 3.電圧,電流,電力,抵抗の測定
(1)電圧電流計法
(2)ブリッジ法
(3)電力・力率の測定法
抵抗,インピーダンス,電力の基本的な測定原理がわかる。
6週 4.デジタル計器
(1)AD変換の基礎
(2)AD変換とDA変換
デジタル信号の取り扱いが分かる。
デジタル計器の動作原理が分かる。
7週 5.波形の観測 オシロスコープの動作原理がわかる。
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
4thQ
9週 試験の解答と解説 到達度試験の解説と解答,授業のまとめ,および授業アンケート
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

到達度試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
知識の基本的な理解5000002070
指向・推論・創造への適用力100000515
汎用的技能100000515