分析化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 分析化学
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(物質・生物系) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「基礎からわかる分析化学」加藤正直,塚原聡 著,森北出版,参考図書1:「新版 基礎分析化学演習」菅原正雄 著,三共出版,参考図書2:「分析化学」阿藤質 著,培風館,その他 :自製配布プリント
担当教員 野中 利瀬弘

到達目標

2年時後期に開講される物質・生物系学生の専門教科である分析化学は、マテリアル・プロセスコースおよびバイオ・アグリコースのいずれのコースを選択する学生にとっても必須学問であり、本授業終了時には、分析化学の基礎事項である、溶液の性質、化学平衡とその計算方法、酸塩基、pHとその計算方法について、十分理解が進んでいることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定性分析と定量分析の違いがわかり,種々の単位換算や濃度計算ができる.定性分析と定量分析の違いがわかり,基本的な単位換算と濃度計算ができる.定性分析と定量分析の違いが説明できず,基本的な単位換算や濃度計算ができない.
評価項目2化学平衡の概念を説明でき,成分濃度の量的関係から平衡式と平衡定数を表すことができる.化学平衡の概念を理解し,説明することができる.化学平衡の概念を説明できない.
評価項目3酸塩基平衡における電荷均衡式と質量均衡式を正確に記述でき,種々の水溶液のpHを計算することができる.酸塩基平衡における電荷均衡式と質量均衡式を記述でき,酸・塩基水溶液の簡単なpH計算ができる.酸・塩基水溶液の簡単なpH計算ができない.
評価項目4溶解度積から沈殿の有無や残濃度を計算でき,複数のイオン種の分離について定量的な説明ができる.溶解度積から沈殿の有無や残濃度を計算でき,単一のイオン種の沈殿分離について定量的な説明ができる.溶解度積から沈殿の有無や残濃度を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は、マテリアル・プロセスコースおよびバイオ・アグリコースのいずれのコースを選択する学生にとっても必須学問であり、本授業終了時には、分析化学の基礎事項である、溶液の性質、化学平衡とその計算方法、酸塩基、pHとその計算方法について理解できていることを目標とする。分析化学に関するtechnical termの意味や概念を理解し、同時に化学計算の基礎を修得する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じて適宜小テストを実施し,また演習課題やレポートを課す.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
[評価方法]
・成績は試験結果80%,提出課題や授業態度を20%で評価し,合格点を50点とする.
・学年総合成績 =(後期中間成績+後期末成績)/2 × 0.8 + (演習課題など)× 0.2

[注意点]
・化学Ⅰで学習する事項とともに化学の最も基本的な部分なので確実に理解すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
2週 1.分析化学の基礎
(1)分析の種類と方法
(2)化学反応の表現と単位
分析化学の概要と種々の手法がわかり,反応に影響を及ぼす基本的なパラメータを理解できる.
3週 (3)モルと濃度
2.化学平衡
(1)可逆反応と平衡定数Ⅰ
化学反応の定量的な表現がわかる.また,化学平衡の概念を理解できる.
4週 2.化学平衡
(2)可逆反応と平衡定数Ⅱ
(3)平衡状態の変化と色々な平衡
化学平衡の概念を理解でき,平衡の移動と平衡定数がわかる.
5週 3.酸塩基平衡と中和滴定
(1)電解質の分類と電離度
電解質,酸,塩基の定義がわかる.
6週 (2)水の解離平衡と酸-塩基の尺度Ⅰ 解離平衡がわかり,溶液のpHを計算できる.
7週 後期中間到達度試験 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 後期中間到達度試験の解答 到達度試験の解説と解答
4thQ
9週 (3)水の解離平衡と酸-塩基の尺度Ⅱ
(4)電離平衡と電荷均衡Ⅰ
解離平衡がわかり,溶液のpHを計算できる.また,電荷均衡と質量均衡を理解できる.
10週 (5)電離平衡と電荷均衡Ⅱ 電荷均衡と質量均衡を理解できる.
11週 (6)緩衝液と共通イオン効果Ⅰ 緩衝液の意味を理解でき,pHを求めることができる.
12週 (7)緩衝液と共通イオン効果Ⅱ 緩衝液の意味を理解でき,pHを求めることができる.
13週 4.沈殿平衡と分別沈殿
(1)沈殿平衡と溶解度積Ⅰ
溶解度積から沈殿の有無を導くことができる
14週 (2)陽イオンの系統的定性分析 沈殿平衡を利用したイオン種の分離が理解できる
15週 年度末到達度試験 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 年度末到達度試験の解答
アンケート
到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。2
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
錯体の生成について説明できる。1
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000001060
専門的能力200000020
分野横断的能力1000001020