総合化学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 総合化学実験
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(物質・生物系) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 自製プリント
担当教員 野坂 肇,石塚 眞治

到達目標

実験を安全かつ効率よく行うにはどのような注意が必要か実習を通して学び,基本的な化学実験器具の取り扱いや洗浄方法,得られたデータのまとめ方などを学ぶ.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1pHの定義がわかり,指示薬を用いて溶液のpHを求めることができる.指示薬を用いて溶液のpHを求めることができる.指示薬を用いて溶液のpHを求めることができない.
評価項目2コロイド溶液を調整し,その性質を調べることができる.コロイド溶液の性質を調べることができる.コロイド溶液の性質を調べることができない.
評価項目3酢酸エチルを合成してその性質を調べることができ、エステル化と加水分解反応が理解できる.酢酸エチルを合成してその性質を調べることができる.酢酸エチルを合成することができない.
評価項目4ブドウ糖,ショ糖およびデンプンの性質を調べることができ、その違いがわかる.ブドウ糖,ショ糖およびデンプンの性質を調べることができる.ブドウ糖,ショ糖およびデンプンの性質を調べることができない.
評価項目5タンパク質の性質を調べることができ,タンパク質の成分,その変性及び特有な反応がわかる.タンパク質の性質を調べることができる.タンパク質の性質を調べることができない.
評価項目6銀族イオンの性質を理解し,混合溶液から逐次分離して確認することができる.銀族イオンを混合溶液から逐次分離して確認することができる.銀族イオンを混合溶液から逐次分離して確認することができない.
評価項目7アルミニウム族イオンの性質を理解し,混合溶液から逐次分離して確認することができる.アルミニウム族イオンを混合溶液から逐次分離して確認することができる.アルミニウム族イオンを混合溶液から逐次分離して確認することができない.
評価項目8定量分析の概念を理解し、標準溶液の調整と中和滴定ができる.標準溶液の調整と中和滴定ができる.標準溶液の調整と中和滴定ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
最初に、安全教育として実験上の諸注意と化学実験の基本操作について説明する。次に定性的な無機、有機系の実験を行い、実験器具の取り扱い方や洗浄方法を身につける。最後に定量的な分析実験を行い、データのまとめ方などを学ぶ.
授業の進め方・方法:
全員同じテーマを2人1組で行なう。実験終了後は口頭により理解度の確認を行ない、各テーマ終了毎にレポートの提出を求める。評価は実験に臨む姿勢、理解度、レポートの出来栄えを総合して行なう。合格点は50点である。
注意点:
(事前)各自の実験ノートに基づいて実験を行わせるので、実験ノートを事前に作成しておくことが必須となる。
(事後)評価はレポートの比率が大きいので、レポートを提出しないと単位の取得が困難となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス
安全教育(1) 実験上の諸注意
実験の進め方と評価の仕方が分かる。また安全に実験を行うにはどうしたらよいかわかる
2週 安全教育(2) 化学実験の基本操作 実験器具の名称及び基本的操作がわかる
3週 実験準備 実験ノートの作り方がわかり、実験器具を確認できる
4週 pHと指示薬 pH指示薬を用いて溶液のpHを求めることができる
5週 コロイド溶液の性質 コロイド溶液の性質がわかる
6週 有機実験の基礎 有機実験の基礎的な概念がわかる
7週 酢酸エチルの合成 酢酸エチルを合成してその性質を調べることができ、エステル化と加水分解反応が理解できる
8週 糖とデンプンの性質 ブドウ糖,ショ糖およびデンプンの性質を調べることができ、その違いがわかる.
2ndQ
9週 タンパク質の性質 タンパク質の成分,その変性及び特有な反応がわかる
10週 金属イオンの反応と分離(1)
定性分析の概要
定性分析の基礎的な概念が分かる
11週 金属イオンの反応と分離(2)
第一族イオンの反応と分離
第一族イオンの性質を理解し,分離ができる
12週 金属イオンの反応と分離(3)
第二,第三族イオンの反応と分離
第二,第三族イオンの性質を理解し,分離ができる
13週 中和滴定(1)
定量分析の概要
定量分析の基礎的な概念がわかる
14週 中和滴定(2) 炭酸ナトリウム標準溶液の調整ができる
15週 中和滴定(3) 滴定による塩酸溶液の標定ができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度理解度レポート合計
総合評価割合000101080100
基礎的能力0001003040
専門的能力0000103040
分野横断的能力000002020