分析化学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 分析化学実験
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(物質・生物系) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書 :「図解とフローチャートによる定量分析 第二版」浅田誠一ほか 共著,技報堂  参考書 :「分析化学」阿藤質 著,培風館その他 :自製配布プリント
担当教員 野中 利瀬弘,児玉 猛

到達目標

1.中和滴定法を理解し,酸や塩基,金属塩水溶液の定量ができる.
2.酸化還元滴定法を理解し,金属イオンの定量ができる.
3.キレート滴定法を理解し,金属イオンの定量ができる.
4.無機化合物の化学的性質を理解し,定性・定量分析ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1中和滴定法を理解し,酸や塩基,混合した金属塩水溶液の定量が精度良くできる.中和滴定法を理解し,酸や塩基,金属塩水溶液の定量ができる.中和反応を理解できず,酸や塩基,金属塩の定量が精度良くできない.
評価項目2キレート滴定法を理解し,水溶液中に含まれる種々の金属イオンを精度良く定量できる.また,未知試料にも応用できる.キレート滴定法を理解し,水溶液中に含まれるいくつかの金属イオンを精度良く定量できる.キレート滴定法を理解できず,水溶液中に含まれる金属イオンを精度良く定量できない.
評価項目3酸化還元滴定法を理解し,水溶液中に含まれる金属イオンを,直接法・間接法のどちらでも精度良く定量できる.酸化還元滴定法を理解し,水溶液中に含まれる金属イオンを,直接法もしくは間接法を用いて定量できる.酸化還元反応を理解できず,水溶液中に含まれる金属イオン濃度を,直接法や間接法を用いても,精度良く定量できない.
評価項目4無機化合物の化学的性質を理解し,種々の分析法を組み合わせて特性評価できる.無機化合物の化学的性質を理解し,いくつかの分析方法により特性評価できる.無機化合物の化学的性質を理解できず,適した分析法を選択して特性評価することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
汎用性の高い容量分析法を通して,化学実験に必要な基本的操作や実験の進め方を学ぶ.さらに,中和反応,キレート反応,酸化還元反応のメカニズムを理解し,定量的な計算方法に習熟する.物質の化学的性質を理解し,分離精製プロセスをベースとして無機化合物の簡単な特性評価方法を修得する.
授業の進め方・方法:
始めに講義形式で実験内容の説明を教室で行う.内容説明終了後,実験室にて実験を実施する.各実験テーマ終了後にレポート提出を課す.
注意点:
[学習上の注意]
・実験を実施する前日までに,実験理論,実験操作等を実験ノートにまとめておく事.また予め参考になる文献等を調査し,読んでおくこと.
・実験中は指導教員の指示に従うこと.
・実験ノートを用いて,自身の実験結果(途中経過やデータ)を総括しておくこと.
・実験内容に不備がある場合,再実験などを課すことがある.
[評価方法]
・合格点は50点である.なお,未提出レポートがあった場合,不合格になることがある(再提出分を含む).
・①実験に取り組む態度を30%,②実験終了後の質疑応答を20%,③実験報告書を50%として評価をする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1.分析の基礎
(1)容量分析の概要と精度
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
容量分析の種類と原理を理解することができる.
2週 2.中和滴定
(1)概要の説明Ⅰ
中和滴定法の原理を理解できる.
3週 (2)標準溶液の調製と標定 必要量の試薬を計算し,標準溶液の調製と標定ができる.
4週 (3)中和反応を利用した混合物の定量 中和滴定法の原理を理解し,混合物の定量ができる.
5週 3.キレート滴定
(1)概要の説明
キレート滴定法を理解できる.
6週 (2)金属イオンの定量 キレート滴定法を理解し,金属イオンの定量ができる.
7週 (3)水中のイオン分析Ⅰ 水中のCaイオン,Mgイオンの定量ができ,硬度計算ができる.
8週 (4)水中のイオン分析Ⅱ 未知試料のイオン定量ができ,硬度を求めることができる.
4thQ
9週 4.酸化還元滴定
(1)概要の説明
酸化還元滴定法の原理を理解できる.
10週 (2)標準溶液の調製 酸化還元滴定法の原理を理解し,実際に滴定できる.
11週 (3)過マンガン酸カリウム滴定法 ヨウ素滴定法の原理を理解し,実際に滴定できる.
12週 5.無機化合物の特性評価
(1)概要の説明
無機化合物の混合試料調製,合成,分離精製,特性評価までの一連のプロセスを理解できる.
13週 (2)試料調製,分離精製 無機化合物の調製と特性評価ができる.
14週 (3)特性評価 無機化合物の調製と特性評価ができる.
15週 5.実験のまとめとアンケート 本実験のまとめを行う.授業アンケート
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。3
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合020030050100
基礎的能力01001001030
専門的能力01002002050
分野横断的能力000002020