無機化学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(物質・生物系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書1:「ケンケル化学の基礎」John Kenkel著、滝澤博胤他訳、東京化学同人、教科書2:「固体材料の科学」Richard J.D. Tilley,滝澤博胤他 訳,東京化学同人  
担当教員 石塚 眞治

到達目標

1.原子の凝集状態がわかる
2.結晶構造の種類と構造決定法がわかる.
3.固体物質の特徴と種類がわかる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 種々の結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。いくつかの結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。結合形態,構造欠陥や熱化学諸量との関係がわかる。
評価項目2結晶状態を記述でき,結晶構造の解析法がわかる。いくつかの結晶状態を記述でき,結晶構造の解析法がわかる。結晶状態や結晶構造の解析法がわからない.
評価項目3種々の固体材料の特徴と化学的特性の関係がわかる.いくつかの固体材料の特徴と化学的特性の関係がわかる.固体材料の特徴と化学的特性の関係がわからない

学科の到達目標項目との関係

(B)工学基礎知識の習得 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
100種余り存在する元素と化合物の性質との関連性を学び、自然界に適合する法則を理解することを目標とする。
ここでは、典型元素とその化合物の物性や反応を通して無機化学や固体化学の原理,構造解析法の基礎を修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜演習課題やレポートを課す。
試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
注意点:
[評価方法]
合格点は50点である.到達度試験を80%,提出課題や授業態度を20%で評価し,これを評価点とする.
総合評価 =(到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点+到達度試験(後期中間評価点)+到達度試験(後期末)評価点)/4

[注意点]
無機化学分野の基本的な領域であり,今後学習する固体化学や材料プロセッシングに繋がる重要な内容を含むため,語句確実に理解すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期授業ガイダンス
1.無機化学の基礎
(1)身近な無機材料と先進的材料
前期授業の進め方と評価の仕方を理解する。
無機化学の位置づけと応用としての先端材料の用途の概要がわかる
2週 1.無機化学の基礎
(1)身近な無機材料と先進的材料
(2)前期量子論と電子配置
先端材料の用途と原理の概要がわかる
量子数の概要と電子配置の関係がわかる
3週 1.無機化学の基礎
(2)前期量子論と電子配置
量子数の概要と電子配置の関係がわかる
4週 1.無機化学の基礎
(3)遮蔽と有効核電荷
電子配置に関する規則と有効核電荷がわかる。
5週 1.無機化学の基礎
(3)遮蔽と有効核電荷
(4)周期表と原子の性質
電子配置に関する規則と有効核電荷がわかる。
イオン化エネルギー、電子親和力がわかる。
6週 1.無機化学の基礎
(4)周期表と原子の性質
イオン化エネルギー、電子親和力がわかる。周期表の読み方が分かる。
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答1
1.無機化学の基礎
(4)周期表と原子の性質
到達度試験の解説と解答
周期表の読み方が分かる。
2ndQ
9週 2.化学結合と分子構造
(1)原子価結合法と分子軌道法
(2)共有結合とイオン結合
分子軌道法を用いた電子構造の記述方法がわかる
共有結合性・イオン結合性化合物の構造と性質がわかる
10週 2.化学結合と分子構造
(2)共有結合とイオン結合
(3)分子間に働く力
分子軌道法を用いた電子構造の記述方法がわかる
共有結合性・イオン結合性化合物の構造と性質がわかる
11週 2.化学結合と分子構造
(2)共有結合とイオン結合
(3)分子間に働く力
分子軌道法を用いた電子構造の記述方法がわかる
共有結合性・イオン結合性化合物の構造と性質がわかる
12週 2.化学結合と分子構造
(2)共有結合とイオン結合
(3)分子間に働く力
双極子の相互作用と水素結合がわかる
13週 2.化学結合と分子構造
(2)共有結合とイオン結合
(3)分子間に働く力
双極子の相互作用と水素結合がわかる
14週 2.化学結合と分子構造
(2)共有結合とイオン結合
(3)分子間に働く力
双極子の相互作用と水素結合がわかる
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答2 到達度試験の解説と解答
本授業のまとめ、および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 後期授業ガイダンス
1.固体化学と機能の関連
後期授業の進め方と評価の仕方を理解する。
固体の原子凝集状態と機能の発現の関連を理解する。
2週 2.原子の凝集状態
(1)概論
原子の凝集状態の概要がわかる.
3週 (2)化学結合の種類 原子,イオン,分子間に働く相互作用がわかる.
4週 (3)構造とスケール マクロ,ミクロ,ナノ構造のサイズスケールがわかる.
5週 (4)固溶体,欠陥 固溶体や欠陥の特徴がわかる.
6週 同上 同上
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
4thQ
9週 3.結晶学と結晶構造
(1)概論
結晶構造の種類と構造決定法がわかる.
10週 (2)結晶格子と結晶系 結晶系とミラー指数がわかる.
11週 (3)構造解析 X線などを用いた結晶構造解析の概要がわかる.
12週 同上 同上
13週 4.固体物質の特徴と種類
(1)金属,セラミックス
固体内原子の結合状態の違いと材料特性の関係がわかる.
14週 (2)ガラス,複合材料 同上
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3前1,前2
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3前1,前2,前3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3前2,前3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3前5,前6
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3前5,前6,前8
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3前5,前6
イオン結合と共有結合について説明できる。3前9,前10,前11,前13
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3前9,前10,前11,前13
金属結合の形成について理解できる。3後2,後13
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3前9,前10,前11,前13,前14
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3前10,前11,前13
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3後9,後10,後11
配位結合の形成について説明できる。3後3
水素結合について説明できる。3前12,前13,前14
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3後1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポートなど合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力40000001050
専門的能力40000001050
分野横断的能力00000000
思考・推論・創造への適用00000000
総合的な学習経験と創造的思考力00000000
態度・嗜好性(人間力)00000000