概要:
生命現象を化学的に究明する「生物化学」の基本として，生体を構成する物質の構造や性質を学び，生体分子の反応の基礎を理解する．
授業の進め方・方法:
講義形式で行う．必要に応じて適宜小テストなどを実施する．
注意点:
合格点は５０点である．成績は，試験結果を７０%，小テスト，授業に対する姿勢を合わせて３０%として評価する．
学年総合成績 ＝（前期中間成績＋前期末成績＋後期中間成績＋学年末成績）／４
（講義を受ける前）：生物基礎，生物の内容を確実に理解しておくこと．
（講義を受けた後）：分からない箇所があった場合は，自分で調べたり，積極的に質問し，確実に理解すること．
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
・授業ガイダンス
・生体成分と細胞構造 |
・授業の進め方と評価の仕方について説明する
・生体を構成する高分子がモノマーから構成されていることを理解できる
・細胞の構造を理解し，原核生物と真核生物の違いを理解できる
|
| 2週 |
・水 |
水の構造と性質を理解し，生体や生命に対する重要性が理解できる
|
| 3週 |
・炭水化物（１）：単糖 |
単糖の化学構造を理解し，各異性体について理解できる
|
| 4週 |
・炭水化物（２）：二糖 |
グリコシド結合を理解し，二糖の構造，性質を理解できる
|
| 5週 |
・炭水化物（３）：多糖 |
多糖の構造，機能，性質を理解できる
|
| 6週 |
・アミノ酸（１） |
アミノ酸の構造，性質，分類などを理解できる
|
| 7週 |
・アミノ酸（２） |
アミノ酸の電離平衡について理解できる
|
| 8週 |
到達度試験（前期中間） |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する
|
| 2ndQ |
| 9週 |
・ペプチド |
ペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる
|
| 10週 |
・タンパク質（１） |
タンパク質の高次構造を理解できる
|
| 11週 |
・タンパク質（２） |
タンパク質の機能および性質について理解できる
|
| 12週 |
・酵素の特性 |
酵素の構造，酵素基質複合体を学び，酵素の性質を理解できる
|
| 13週 |
・酵素反応速度論（１） |
酵素と基質濃度の関係を理解できる
|
| 14週 |
・酵素反応速度論（２） |
酵素の反応速度パラメーターを理解できる
|
| 15週 |
到達度試験（前期末） |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する
|
| 16週 |
試験の解説と解答 |
・到達度試験の解説と解答，本授業のまとめ，および授業アンケート
|
| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
・ビタミンと補酵素 |
補酵素の機能を理解し，水溶性ビタミンとの関係を説明できる
|
| 2週 |
・脂質（１） |
油脂の構造を理解し，油脂を構成する脂肪酸の構造および性質について理解できる
|
| 3週 |
・脂質（２） |
油脂の性質について理解できる
|
| 4週 |
・脂質（３） |
リン脂質の構造を理解し，リン脂質によるミセルや脂質二重膜について説明できる
|
| 5週 |
・ヌクレオチドと核酸（１） |
ヌクレオチドの構造，およびDNA や RNA の基本構造を理解できる
|
| 6週 |
・ヌクレオチドと核酸（２） |
DNAの二重らせん構造について理解し，DNAとRNA の性質の違いについて説明できる
|
| 7週 |
・ヌクレオチドと核酸（３） |
DNA の半保存的複製，および転写と翻訳の概要について理解できる
|
| 8週 |
到達度試験（後期中間） |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する．
|
| 4thQ |
| 9週 |
・代謝（１）：異化と同化 |
ATPの構造と機能を理解し，同化反応と異化反応を説明できる
|
| 10週 |
・代謝（２）：解糖と発酵 |
無酸素下での ATP 生成反応である解糖系の概要を理解でき，アルコール発酵や乳酸発酵の過程を説明できる
|
| 11週 |
・代謝（３）：クエン酸回路 |
クエン酸回路による酸化的過程の概要を理解できる
|
| 12週 |
・代謝（４）：電子伝達 |
還元型補酵素の電子から，一連の電子伝達体を介してATPを生成する過程を理解できる
|
| 13週 |
・光合成（１） |
光合成色素の機能を理解できる
|
| 14週 |
・光合成（２） |
光合成の光化学過程と生化学過程の概要を説明できる
|
| 15週 |
到達度試験（後期末） |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する
|
| 16週 |
試験の解説と解答 |
・到達度試験の解説と解答，本授業のまとめ，および授業アンケート
|
| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 3 | |
| 生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 3 | |
| 単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 3 | |
| 単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 3 | |
| グリコシド結合を説明できる。 | 3 | |
| 多糖の例を説明できる。 | 3 | |
| 脂質の機能を複数あげることができる。 | 3 | |
| トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 3 | |
| リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 3 | |
| タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 3 | |
| タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 3 | |
| アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 3 | |
| タンパク質の高次構造について説明できる。 | 3 | |
| ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 3 | |
| DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 3 | |
| DNAの半保存的複製を説明できる。 | 3 | |
| RNAの種類と働きを列記できる。 | 3 | |
| コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 3 | |
| 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 3 | |
| 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 3 | |
| 補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 3 | |
| 解糖系の概要を説明できる。 | 3 | |
| クエン酸回路の概要を説明できる。 | 3 | |
| 酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 3 | |
| 嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 3 | |
| 各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 3 | |
| 光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 3 | |
| 炭酸固定の過程を説明できる。 | 3 | |