生物工学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 生物工学実験
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(物質・生物系) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 自製プリント実験書
担当教員 伊藤 浩之,野池 基義

到達目標

1. 自然界から真菌を分離する原理を理解し,分離することができる
2. 土壌から放線菌を分離する原理を理解し,分離することができる
3. 還元糖(グルコース)の酵素定量法を理解し,測定することができる
4. 酵素の活性測定法が分かり、測定することができる
5. 酵素の至適 pH および至適温度の存在が理解できる
6. 酵素反応に対する基質濃度の影響が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1自然界から真菌を分離する原理を 理解し,分離することができる自然界から真菌を分離する原理を理解することができる自然界から真菌を分離する原理を 理解することができない
評価項目2土壌から放線菌を分離する原理を 理解し,分離することができる土壌から放線菌を分離する原理を理解することができる土壌から放線菌を分離する原理を 理解することができない
評価項目3還元糖(グルコース)の酵素定量 法を理解し,精度よく測定するこ とができる還元糖(グルコース)の酵素定量法を理解することができる還元糖(グルコース)の酵素定量 法を理解することができない
評価項目4酵素の活性測定法が分かり,精度 よく測定することができる酵素の活性測定法が分かる酵素の活性測定法が分からない
評価項目5酵素の至適 pH および至適温度の 存在が理解でき,考察できる酵素の至適 pH および至適温度の存在が理解できる酵素の至適 pH および至適温度の 存在が理解できない
評価項目6酵素反応に対する基質濃度の影響を理解でき,考察できる酵素反応に対する基質濃度の影響を理解できる酵素反応に対する基質濃度の影響を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
バイオテクノロジーは醸造,食品,医薬品,農産物,工業製品など,多くのものに利用されている。実験ではバイオテクノロジーを利用するための基本的な微生物および酵素タンパク質の取り扱いを修得する。
授業の進め方・方法:
はじめに講義形式で実験の説明を行う。その後,2〜3名程度のグループに分かれて実験形式で行う。実験テーマごとにレポートの提出を求める。
注意点:
合格点は50点である。
 実験に取り組む態度 (30%)、質疑応答 (20%)、実験に関するレポートの内容 (50%) で評価する。
特に、レポートの未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。レポートの提出期限は厳守すること。

(講義を受ける前)テキストを予習し,実験操作の原理や原則を理解して実験に臨むこと。
(講義を受けた後)レポートの書き方を修得すること。結果に対する考察は時間をかけて取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・授業ガイダンス
・実験導入教育:実験演習1
・実験の進め方と評価の仕方について説明する
・演習を通して,実験内容を理解する
2週 ・安全衛生教育
・実験導入教育:実験演習2
・実験を安全に行うための進め方と評価の仕方について説明する
・演習を通して,実験内容を理解する
3週 ・実験導入教育:器具の取り扱い ・特殊な器具類の取り扱いができる
4週 ・微生物実験:実験テーマの内容説明 ・実験テーマの理論,実験方法,解析方法を理解できる
5週 ・微生物実験:自然界からの微生物の単離 (1) ・自然界からの真菌の分離法および真菌が生成するセルラーゼの評価法を理解できる
6週 ・微生物実験:自然界からの微生物の単離 (1) ・自然界からの真菌の分離法および真菌が生成するセルラーゼの評価法を理解できる
7週 ・微生物実験:自然界からの微生物の単離 (2) ・土壌から放線菌を分離する方法を理解できる
8週 ・微生物実験:食品試料からの微生物の単離 ・ヨーグルトから乳酸菌を分離する方法を学ぶとともに
,実際に単離した乳酸菌を使ったヨーグルト作成を試みる
4thQ
9週 ・微生物実験:アルコール発酵 ・酸素呼吸と無気呼吸の違いが分かる
10週 ・酵素化学実験:実験テーマの内容説明 ・実験テーマの理論,実験方法,解析方法を理解できる
11週 ・酵素化学実験:還元糖の定量 ・還元糖(グルコース)の酵素定量法を理解できる
12週 ・酵素化学実験:酵素活性測定 ・酵素の活性測定法が分かる
13週 ・酵素化学実験:酵素反応へ与える pH の影響 ・酵素反応の至適 pH の存在が理解できる
14週 ・酵素化学実験:酵素反応へ与える温度の影響 ・酵素反応の至適温度の存在が理解できる
15週 ・酵素化学実験:酵素反応における基質濃度の影響 ・酵素活性に対する基質濃度の影響を理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。3
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。3
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。3
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。3
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。3
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。3

評価割合

試験レポート質疑応答態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合050203000100
基礎的能力03010300070
専門的能力0201000030
分野横断的能力0000000