土木工学・建築学概論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 土木工学・建築学概論
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造システム工学科(土木・建築系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:1
教科書/教材 【前期】改訂 測量学Ⅰ 堤隆 コロナ社 および改訂 測量学II 岡林 他 コロナ社【後期】「コンパクト設計資料集成」日本建築学会編 丸善 、「初めて学ぶ建築製図」建築のテキスト編集委員会 学芸出版社
担当教員 長谷川 裕修,山添 誠隆

到達目標

1. 各種測量手法の特徴を説明できる。
2. 距離の定義,および距離測量に必要な器具と測定法を説明できる。距離の測定と誤差の補正ができる。
3. 角の定義,および角測量に必要な器具と測定法を説明できる。水平角の測定や野帳の記入,誤差の評価ができる。
4. トラバース測量の原理および測量の手順を説明できる。また,方向角,緯距・経距の計算,誤差の調整ができる。
5. 距離測量における各種の測定方法の特徴を説明でき、正しく誤差の取り扱いができる
6. 各測量における各種の測定方法の特徴を説明でき、正しく測角儀を据え付け誤差の取り扱いができる
7. 図面記号を理解し、それらを適切に使用できるようになること。
8. 建築の構成や構造と各部材をよく理解し、線の太さや濃淡などに配慮した図面を作成できるようになること。
9. 作図する上で、図面の配置レイアウトについての重要性を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種測量手法の特徴を説明でき,場面に応じて適切な測量手法を選択できる。各種測量手法を説明できる。各種測量手法を説明できない。
評価項目2距離の定義や距離測量に必要な器具を説明でき,距離の測定と誤差の補正ができる。距離の測定と誤差の補正ができる。距離の測定と誤差の補正ができない。
評価項目3角の定義や各測量に必要な器具を説明でき,水平角の測定や野帳の記入,誤差の評価ができる。水平角の測定や野帳の記入方法,誤差の評価方法が説明できる。水平角の測定や野帳の記入,誤差の評価ができない。
評価項目4トラバース測量の原理および手順が説明できる。また,方向角,緯距・経距などが計算でき,誤差の調整ができる。トラバース測量の基本となる方向角,緯距・経距の計算ができ,誤差の調整ができる。トラバース測量の基本となる方向角,緯距・経距の計算ができ,誤差の調整ができない。
評価項目5距離測量における各種の測定方法の特徴を説明でき、誤差の取り扱いを自主的に行える距離測量に用いる各種の機器を据え付けでき、測定できる距離測量の各種の機器を用いて測定できない
評価項目6測角儀を正しく据え付けることができ、誤差の取り扱いを自主的に行える測角儀を据え付けでき、測定できる測角儀を用いて測定できない
評価項目7図面記号を理解し、それらを適切に使用できる。図面記号を理解し、それらを適切に使用できる。図面記号を理解できず、それらを適切に使用することができない。
評価項目8建築の構成や構造と各部材をよく理解し、線の太さや濃淡などに配慮した図面を作成できる。線の太さや濃淡などに配慮した建築図面を作成できる。線の太さや濃淡などに配慮した建築図面を作成することができない。
評価項目9図面を適切に解りやすくレイアウトできる。図面を適切にレイアウトできる。図面を適切にレイアウトすることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
土木・建築系の専門的な知識を学ぶにあたり必要となる基礎的な知識を修得する。具体的には前期に測量、後期に建築デザインに関する講義を行い、専門基礎を理解する事を目標とする。
授業の進め方・方法:
前期90分×2、後期90分の講義を行う。
【前期】講義および実習形式で行う。
講義形式では授業中、個人またはグループでの演習を行なうことがある。複数回のレポートの提出を求める他,到達度試験を実施する.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
実習形式では天候により講義形式で行うことがある。授業時間内に実技試験を実施する。適宜、課題の提出を求める。
【後期】講義および演習形式で行う
各課題のはじめに講義を行ない、その後、演習形式を中心に行なう。
 必要に応じて、エスキースの提出など、進行状況が把握できるものの提出を求める。
提出物が合格点に達しない場合、再提出を課すことがある。
注意点:
[評価方法]
合格点は50点である。
総合評価=(前期測量講義成績+前期測量実習成績+後期建築デザイン成績)/3
特に,レポート,課題の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。
・前期測量講義成績は,試験結果を70%,レポートを30%の割合として評価する。
・前期測量実習成績は,実技試験の評価を50%、課題の評価を40%、実習態度を10%として評価する。
・後期建築デザイン成績は,課題1と課題2の評価を平均して評価する.
(講義を受ける前) 実務に従事することを念頭に学習すること。毎回の予習を欠かさないこと。教科書,ノート,電卓を忘れずに準備して出席すること。レポートの提出期限を厳守すること。特に後期の建築デザインでは,多くの図面を閲覧し、設計者が計画意図をどのように表現しているか参考にすること。また、単位寸法に注意して人体スケールを把握すること。また、授業時間外での検討が重要であるので日々の生活での空間の利用を意識すること。
(講義を受けた後) 課題レポートにより各自で講義内容の理解度をチェックするとともに,確実に理解すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【講義】授業のガイダンス/測量学概論 【実習】ガイダンス 【講義】測量の目的、測量の種類を説明できる。【実習】授業の進め方と評価の仕方を理解できる。
2週 【講義】測量技術の変遷と現代の測量(1) 【実習】距離測量 歩測(1) 【講義】測量学の発展の歴史を説明できる。日本の座標原点および水準原点を説明できる。【実習】自身の歩長を調べることができる。
3週 【講義】測量技術の変遷と現代の測量(2) 【実習】距離測量 歩測(2) 【講義】UAV(ドローン)を活用した3次元測量の概略を説明できる。【実習】歩測によって任意区間の長さを調べることができる。
4週 【講義】距離測量(1) 【実習】距離測量 巻尺による測定(1) 【講義】斜距離、水平距離の定義を説明できる。距離測量に必要な器具やそれらの使用方法を説明できる。距離測量で生じうる誤差と補正の考え方を説明できる。【実習】巻尺を用いて距離を測定できる。
5週 【講義】距離測量(2) 【実習】距離測量 巻尺による測定(2) 【講義】光波を使用した距離測量の方法と生じうる誤差を説明できる。【実習】巻尺を用いて距離を測定できる。
6週 【講義】角測量(1) 【実習】距離測量 巻尺による測定(3) 【講義】角の定義や角測量に用いる器械の構造,操作方法,生じうる誤差を説明できる。【実習】距離の測定値をもとに最確値を求めることができる。
7週 【講義】角測量(2) 【実習】距離測量 巻尺による測定(4) 【講義】測角儀を用いた水平角の測定方法、測定結果の野帳への記入方法を説明できる。【実習】距離の測定値をもとに最確値を求めることができる。
8週 【講義】角測量(3) 【実習】距離測量実技試験 【講義】測定角の誤差の評価ができる。【実習】正しく機器を用いて、要求される精度で距離測量ができる。
2ndQ
9週 【講義】トラバース測量(1) 【実習】測角儀の構造 【講義】トラバース測量の種類や測量の手順が説明できる。【実習】トランシットの構造が説明できる。
10週 【講義】トラバース測量(2) 【実習】測角儀の据付け 【講義】トラバース測量における踏査・選点の考え方が説明できる。【実習】トランシットを正しく据付けできる。
11週 【講義】トラバース測量(3) 【実習】水平角(単測角)の測定(1) 【講義】閉合トラバースにおける角誤差の調整方法が説明できる。【実習】単測角の測定ができ、測定値を正しく野帳に記入できる。
12週 【講義】トラバース測量(4) 【実習】水平角(単測角)の測定(2) 【講義】方向角,緯距・経距が計算できる。【実習】単測角の測定ができ、測定値を正しく野帳に記入できる。
13週 【講義】トラバース測量(5) 【実習】水平角(3倍角)の測定(1) 【講義】閉合トラバースにおける閉合差、閉合比が計算できる。【実習】3倍角の測定ができる。
14週 【講義】トラバース測量(6) 【実習】水平角(3倍角)の測定(2) 【講義】コンパス法則、およびトランシット法則に基づいて閉合差の配分ができる。【実習】3倍角の測定ができる。
15週 【講義】到達度試験(前期末) 【実習】角測量実技試験 【講義】上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。【実習】正しく機器を据付けでき、要求される精度で角測量ができる。
16週 【講義】試験の解説と解答/実務者による実演・実技指導 【講義】到達度試験の解説と解答,および授業アンケート。測量実務者から指導を受け測量技術の重要性および測量の意義を説明できるようにする。
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス、(1) 図面記号と建築としての住宅の解説 授業の進め方と評価の仕方について説明する。
課題1の趣旨および評価基準について説明する。
製図方法、図面のきまり、表現方法を整理する。住宅の種類や諸機能について学ぶ。
2週 (2) 住宅の配置図兼平面図の作図 住宅の配置図および平面図を理解し表記できる。
3週 (2) 住宅の配置図兼平面図の作図 住宅の配置図および平面図を理解し表記できる。
4週 (2) 住宅の配置図兼平面図の作図 住宅の配置図および平面図を理解し表記できる。
5週 (3) 住宅の断面図の作図 住宅断面を理解し表記できる。
6週 (4) 住宅の立面図の作図 住宅の立面を理解し表記できる。
7週 (5) 住宅の矩形図の作図 住宅詳細を理解し表記できる。
8週 (5) 住宅の矩形図の作図 住宅詳細を理解し表記できる。
4thQ
9週 課題2(公共空間)ガイダンス、(1) 造形的構成 課題2の趣旨および評価基準について説明する。
また、プレゼンテーションについても説明する。与条件を元に、造形的な空間構成ができる。
10週 (2) 建築的意味の付加 (1)で構成した空間に、求められる建築の諸機能を付加できる。
11週 (3) 平面図・断面図・立面図の作成 (2)の建築空間を、様々な手法を用いて分かりやすく作図できる。
12週 (3) 平面図・断面図・立面図の作成 (2)の建築空間を、様々な手法を用いて分かりやすく作図できる。
13週 (4) 平面図・断面図・立面図・立体表現の作成 (3)の建築空間を、様々な手法を用いて分かりやすく表現できる。
14週 (4) 平面図・断面図・立面図・立体表現の作成 (3)の建築空間を、様々な手法を用いて分かりやすく表現できる。
15週 課題2提出 プレゼンテーション 評価基準を過不足なく満たした設計図書を提出し、プレゼンテーションできる。
16週 課題2 プレゼンテーション 評価基準を過不足なく満たした設計図書を提出し、プレゼンテーションできる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合3911033314100
基礎的能力2970013756
基礎的能力820010727
分野横断的能力220010014
態度0003003