概要:
測量は土木・建築工事の計画・設計・施工および検査に必要不可欠な工程であり、当該分野における技術者として身につけておくべき知識である。
知識の定着には、講義で得た知識の実践が欠かせない。本実習では、基礎測量学で学んだ角測量、距離測量の知識を活用しながら、また測量学Ⅰで学ぶ水準測量の知識を活用しながら、トラバース測量を実践し、これらの知識の定着を目指す。
授業の進め方・方法:
屋外において実習形式で行なう。ただし荒天の場合は屋内で行うことがある。作業は基本的に班単位で行なう。
適宜、成果物(測定結果、調整計算書、図面など)の提出を求める。
注意点:
水準測量に関する計算書(レポート)25%、トラバース測量に関する計算書(レポート)40%、平板測量に関する図面25%、実習態度10%の割合で評価する。合格点は50点である。
レポート等提出物は確実に提出すること。提出物が未提出の場合、単位修得が極めて困難となる。
【授業を受ける前】基礎測量学の内容をよく復習しておくこと。同時期に開講される測量学Ⅰの内容をよく復習しておくこと。
【授業を受けた後】課される成果物の作成を通じて、理解を深めておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス/現地踏査 |
測量対象領域をくまなく歩き、閉合トラバース測量を行なうにあたっての測量計画を立てることができる。
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2週 |
選点、造標、スケッチ |
立案した測量計画を踏まえて、適切な位置に測点を設置することができる。測量対象領域および測点周辺の地物をスケッチし、以後の測量作業を円滑に実施するための準備ができる。
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3週 |
水準測量(1) |
各測点の高低差を水準儀を用いて測定できる。
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4週 |
水準測量(2) |
各測点の高低差を水準儀を用いて測定できる。
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5週 |
水準測量(3) |
各測点の高低差を水準儀を用いて測定できる。高低差の推定値を求めることができる。水準測量結果および高低差の推定値を求める計算を報告書としてまとめることができる。
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6週 |
実務者による実演・実技指導(1) |
測量に従事する実務者から実技指導を受け、現場における測量技術の重要性を説明できるようになる。
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7週 |
実務者による実演・実技指導(2) |
測量に従事する実務者から実技指導を受け、現場における測量技術の重要性を説明できるようになる。
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8週 |
UAV(ドローン)による3次元測量(1) |
写真解像度、焦点距離、オーバーラップ、サイドラップを考慮しながら飛行経路を設計できる。
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2ndQ |
9週 |
UAV(ドローン)による3次元測量(2) |
相互標定、接続標定の考え方を理解しながら飛行経路上のモデル作成ができる。
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10週 |
UAV(ドローン)による3次元測量(3) |
対空標識の測地座標を与え、絶対標定ができる。また地上の点群データの生成ができる。
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11週 |
トラバース測量 測角(1) |
測点における内角の大きさを測角儀を用いて倍角法によって測定できる。
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12週 |
トラバース測量 測角(2) |
測点における内角の大きさを測角儀を用いて倍角法によって測定できる。
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13週 |
トラバース測量 測距(3) |
内角和を求め、測定誤差を評価するとともに各測点の角度を調整できる。ある1つの測線の方向角を測定できる。
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14週 |
トラバース測量 測距(1) |
各測線の長さを鋼巻尺等を用いて測定できる。
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15週 |
トラバース測量 測距(2) |
各測線の長さを鋼巻尺等を用いて測定できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
トラバース測量 測距(3) |
各測線の長さを鋼巻尺等を用いて測定できる。
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2週 |
トラバース測量 測距(4) |
各測線の長さを鋼巻尺等を用いて測定できる。
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3週 |
トラバース測量 測距(5) |
各測線の長さを鋼巻尺等を用いて測定できる。
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4週 |
閉合トラバースの調整計算(1) |
調整後の内角と測定した方向角の情報を用いて、各測線の方向角を求めることができる。
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5週 |
閉合トラバースの調整計算(2) |
各測線の緯距・経距を求めることができる。合緯距、合経距を求めることができる。
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6週 |
閉合トラバースの調整計算(3) |
閉合差、閉合比を求めることができる。閉合比を用いて精度の評価ができる。
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7週 |
閉合トラバースの調整計算(4) |
各測線の調整緯距、調整経距が求められる。各測点の座標が求められる。閉合トラバースで囲まれた領域の面積が求められる。
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8週 |
閉合トラバースの調整計算(5) |
これまでの測量に関する知識、機器の取り扱い、測定値の取り扱いを確認する。閉合トラバースの調整計算方法の理解度を確認する。
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4thQ |
9週 |
細部測量(1) |
放射法によって測点周辺の地物を適切なスケールで平板上に記録できる。
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10週 |
細部測量(2) |
放射法によって測点周辺の地物を適切なスケールで平板上に記録できる。
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11週 |
細部測量(3) |
放射法によって測点周辺の地物を適切なスケールで平板上に記録できる。
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12週 |
図面の作成(1) |
細部測量の結果をもとに、測量対象領域の地図を作成できる。
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13週 |
図面の作成(2) |
細部測量の結果をもとに、測量対象領域の地図を作成できる。
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14週 |
図面の作成(3) |
細部測量の結果をもとに、測量対象領域の地図を作成できる。
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15週 |
図面の作成(4) |
細部測量の結果をもとに、測量対象領域の地図を作成できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前6,前8,後12 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 前1,前2,前6,前8,後12 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1,前2,前6,前8,後12 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 前6,前8,後12 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前6,前8,後12 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 前6,前8,後12 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | 前6,前8,後12 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 前1,前6,前8 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 前1,前6,前8 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 前1,前6,前8 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 前1,前6,前8 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 | 1 | 前6 |
測量体系(国家基準点等)を説明できる。 | 1 | 前6 |
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
光波・電波による距離測量を説明できる。 | 1 | 後8 |
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 3 | 前10,前11,前12 |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 3 | 前10,前11,前12 |
種類、手順および方法について、説明できる。 | 3 | 前10,前11,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8 |
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
測定結果から、面積や体積の計算ができる。 | 3 | 後7,後8 |
地形測量の方法を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 1 | 後10 |
写真測量の原理や方法について、説明できる。 | 3 | 前7,前8,前9 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 3 | 後12 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 3 | 後12 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 距離測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 3 | 前13,前14,後1,後2,後3 |
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 3 | 前8,前10,前11,前12 |
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | 前1 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | 前1 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 前1 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | 前1 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | 前1 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | 前1 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前1 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前1 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前1 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前1 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 前1 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 前1 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 前1 |