流体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流体工学Ⅰ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(知能機械コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新編 流体の力学」 中山泰喜著 養賢堂
担当教員 渡部 英昭

到達目標

1.流体の性質および流体の静力学について物理現象として説明でき,それに関連する基礎的な問題を解くことができる.
2.流れの基礎について物理現象として理解でき,説明することができる.
3.質量保存則,エネルギー保存則の物理的意味を理解でき,それに関連する基本的な問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の性質および流体の静力学について物理現象として明確に説明でき,それに関連する基礎的な問題を容易に解くことができる.流体の性質および流体の静力学について物理現象としてある程度説明でき,それに関連する基礎的な問題を解くことができる.流体の性質および流体の静力学について物理現象として説明できない.
評価項目2流れの基礎について物理現象として深く理解でき,説明することができる.流れの基礎について物理現象として理解でき,ある程度説明することができる.流れの基礎について物理現象として理解できない.
評価項目3質量保存則,エネルギー保存則の物理的意味を明確に理解でき,それに関連する基本的な問題を容易に解くことができる.質量保存則,エネルギー保存則の物理的意味をある程度理解でき,それに関連する基本的な問題を何とか解くことができる.質量保存則,エネルギー保存則の物理的意味を理解できず,それに関連する基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流体の物理的性質や圧力などの静力学,および流れの基礎的かつ重要な保存則について,流体に作用する力の釣り合い、仕事、エネルギー等の力学的現象と関連付けながら学習することにより,エンジニアとしての業務に役立つ基礎を修得する.
授業の進め方・方法:
講義形式であるが,学生の「言語力・コミュニケーション能力」向上の為,授業中に与える課題に関して学生にプレゼンテーションを行わせたり,教員対学生,あるいは学生相互のディスカッション演習を適宜行う場合がある.定期試験の他,授業時間中に抜打ち試験を複数回実施する.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.この科目は履修単位であるが,事前・事後学習として自学自習60時間を目標とする.

注意点:
合格点は60点である.前期中間成績は,前期中間試験と中間試験までの授業中に複数回実施する抜き打ち試験の合計点数を80%,授業中に実施する課題や学生自身の発表に対する評価を20%として評価する.前期末成績も,到達度試験(期末試験)と中間試験以降の授業中に複数回実施する抜き打ち試験の合計点数を80%,授業中に実施する課題・発表に対する評価を20%として評価する.
前期総合評価=(前期中間成績+前期末成績)/2
(講義を受ける前)物理学の授業で修得した李k学の内容を確実に理解しておくこと.
(講義を受けた後)流体現象は数学ではなく全て実在する物理現象であるため,授業で扱う内容も,実際の流れ現象と対応させながら物理的な意味をよく考えること.ノート整理等を行い,内容を確実に理解すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
単位と次元
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
単位と次元,SI単位系について,物理的定義から理解できる.
2週 流体の性質 流体の物理的性質を理解できる.
3週 流体の性質 流体の物理的性質を理解できる.
4週 圧力 静水圧の計算ができる.
5週 圧力の計測 マノメータによる圧力差の計測原理を理解できる.
6週 アルキメデスの原理 アルキメデスの原理を,力学的に理解できる.
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
8週 試験の解説と解答
流れの基礎
到達度試験の解説と解答.
流れの形態の分類を説明できる.
2ndQ
9週 流れの基礎 流れの形態の分類を説明できる.
10週 流れの基礎 レイノルズ数を理解できる.
11週 流れの基礎 渦度の物理的意味を理解できる.
12週 質量の保存 連続の式を理解し活用できる.
13週 エネルギーの保存 ベルヌーイの式を力学的に理解できる.
14週 エネルギーの保存 ベルヌーイの式を簡単な流れ場に活用できる.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説と解答,授業アンケート 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

中間試験・期末試験・抜き打ち試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040