電気磁気学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2020
授業科目 電気磁気学
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(電気エネルギーシステムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 「電気磁気学」第2版・新装版 安達三郎 大貫繁雄 共著 森北出版   「演習電気磁気学」新装版 大貫繁雄 安達三郎 共著 森北出版  補助演習書:「電磁気学例題演習I,II」山口昌一郎著  電気学会
担当教員 山崎 博之

到達目標

静電界,磁界及び電磁波における物理現象,法則を理解し,それらの様々な物理現象を数式で表し,逆に数式で表された物理現象がどのようなものか,本質を深く理解できる能力を修得する.本授業は3年生で学んだ静電界後の内容について学ぶ.自学自習および演習によって,各種問題が解けるようになることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1磁界中の電荷に働く力,電流による磁界,ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分の法則の各種問題が解ける.磁界中の電荷に働く力,電流による磁界,ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分の法則を説明できる.磁界中の電荷に働く力,電流による磁界,ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分の法則を理解できない.
評価項目2磁束密度と磁気回路に関する計算ができる.磁束密度と磁気回路が理解できる.磁束密度と磁気回路に関する基本が記述できない.
評価項目3ファラデーの法則を用いて誘導起電力の計算ができる.ファラデーの法則を用いて誘導起電力の概念を理解できる.ファラデーの法則を用いて誘導起電力の概念を説明できない.
評価項目4磁界のエネルギーと各種線路等のインダクタンスを計算できる.磁界のエネルギーと各種線路等のインダクタンスを理解できる.磁界のエネルギーと各種線路等のインダクタンスを説明できない.
評価項目5ベクトル解析を用いた電気磁気学を理解でき,マクスウエル方程式と電磁波の基本式を導いて説明できる.ベクトル解析を用いた電気磁気学を理解でき,マクスウエル方程式と電磁波の基本的概念がわかる.ベクトル解析を用いた電気磁気学を理解できず,マクスウエル方程式と電磁波の基本式を記述できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「電磁気学」は「電気回路」とならんで、電気工学のあらゆる分野の基礎となる重要な科目である。ここでは、3年次に学んだ真空中の静電気現象に続いて、静磁界、磁性体、電磁誘導、インダクタンス、電磁波、マクスウエル方程式などについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式であるがグループワークも行う.適宜,小テストの実施や演習問題等のレポートの提出を求める.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
合格点は60点である。試験結果を70%,小テスト,レポート等の結果を30%で評価する.レポート未提出者は単位取得が困難となるので注意すること.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
総合評価=(到達度試験(前期中間)評価点+到達度試験(前期末)評価点+到達度試験(後期中間)評価点+到達度試験(後期末)評価点)/4
(講義を受ける前)3年次の基礎電気磁気学の内容を確実に理解しておくこと.
(講義を受けた後)小テストと課題レポート等により各自で講義内容の理解度をチェックすると共に,演習問題を解くことにより本質を理解することを心がけてほしい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス
1 定常電流
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
定常電流界について理解できる。
2週 2 真空中の静磁界
(1) 磁界
磁界中で運動する電荷に働く力を理解できる.
3週 (2) 電流による磁界と磁束 アンペアの右ねじの法則と磁束密度を説明できる.
4週 (3) ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則を理解できる.
5週 (4) アンペアの周回積分の法則 アンペアの周回積分を使って磁界の計算ができる.
6週 (5) 電磁力,演習 磁界中の電流に働く力を計算し,説明できる。演習を行う.
7週 (5) 電磁力,演習 磁界中の電流に働く力を計算し,説明できる。演習を行う.
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
2ndQ
9週 試験の解説と解答
3 磁性体
(1) 物質の磁気的性質と磁化電流
到達度試験の解説と解答
到達度試験の解説と解答
到達度試験の解説と解答
到達度試験の解説と解答
物質の磁気的性質が理解でき,磁化される原因を説明できる.


10週 (2) 磁界の強さと透磁率 磁界の強さと透磁率から磁束密度が計算できる.
11週 (3) 磁気回路 磁気回路に関する計算ができる.
12週 (3) 磁気回路 磁気回路に関する計算ができる.
13週 (4) 磁性体の磁化,磁石と磁極,演習 磁性体の磁化曲線,点磁荷の磁界を計算できる。演習を行う.
14週 (4) 磁性体の磁化,磁石と磁極,演習 磁性体の磁化曲線,点磁荷の磁界を計算できる。演習を行う.
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 4 電磁誘導
(1) ファラデーの法則
ファラデーの法則を用いて誘導起電力が計算できる。
2週 (2) 導体の運動による起電力
(3)過電流と表皮効果,演習
起電力の計算ができる。
渦電流と表皮効果を説明できる。演習を行う。
3週 5 インダクタンス
(1) 自己および相互インダクタンス
自己インダクタンスと相互インダクタンスに関して計算できる。
4週 (2)インダクタンスの接続
(3) 磁界のエネルギー
インダクタンスの直並列接続について計算できる。
磁性体が蓄えるエネルギーについて計算できる。
5週 (4) インダクタンスの計算,演習 各種線路等のインダクタンスを計算できる。演習を行う。
6週 (4) インダクタンスの計算,演習 各種線路等のインダクタンスを計算できる。演習を行う。
7週 (4) インダクタンスの計算,演習 各種線路等のインダクタンスを計算できる。演習を行う。
8週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
4thQ
9週 試験の解説と解答
6 電磁波

到達度試験の解説と解答
3年次からの静電界,4年次の静磁界,電磁誘導等の基本原理を説明できる。
10週 6 電磁波 ベクトル解析を使った電気磁気学の基本がわかる.
11週 (1) 変位電流 変位電流が理解できる。
12週 (2) マクスウエルの方程式 ベクトル解析を用いたマクスウエル方程式の微分形と積分形がわかる.
13週 (2) マクスウエルの方程式 マクスウエル方程式の意味が理解でき、記述できる。.
14週 (3) 電磁波
(4) 平面電磁波
(5) ポインチングベクトル
電磁波の概要について理解できる。
ポインティングベクトルが理解でき、説明できる
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3前9,前10,前13,前14
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3前4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3前3,前5
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3前6,前7
ローレンツ力を説明できる。3前2,前6,前7
磁気エネルギーを説明できる。3後4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3後1,後2
自己誘導と相互誘導を説明できる。3後1,後2
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3後3,後5,後6,後7

評価割合

試験レポート・小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力2010000030
専門的能力5020000070
分野横断的能力0000000