半導体工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(電気エネルギーシステムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎から学ぶ半導体電子デバイス」大谷直毅 著 森北出版/その他:自製プリントの配布
担当教員 田中 将樹

到達目標

1.半導体のキャリア密度を状態密度と分布関数から説明できる.
2.半導体の電気伝導の基本的なメカニズムについて説明できる.
3.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが解析的に理解できる.
4.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図と数式から説明できる.
5.電界効果トランジスタの動作と特性をバンド図から説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体のキャリア密度を状態密度と分布関数から説明できる.半導体のキャリア密度を説明できる.半導体のキャリア密度を説明できない.
評価項目2半導体の電気伝導の基本的なメカニズムについて説明できる.半導体の電気伝導が説明できる.半導体の電気伝導が説明できない.
評価項目3各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが解析的に理解できる.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが理解できる.各種ダイオードの動作について,簡単な微視的モデルに基づき電流・電圧特性などが理解できない.
評価項目4バイポーラトランジスタの動作について,バンド図と数式から説明できる.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図から説明できる.バイポーラトランジスタの動作について,バンド図から説明できない.
評価項目5電界効果トランジスタの動作と特性をバンド図から説明できる.電界効果トランジスタの動作をバンド図から説明できる.電界効果トランジスタの動作をバンド図から説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
種々の半導体接合を微視的なモデルをたて,電流・電圧特性などを解析する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じて適宜,レポートの提出を求める.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
合格点は60点である.前期末と学年末(後期)の成績は,それぞれの中間と期末の試験結果を70%,レポートの結果を30%で評価する.学年総合評価 = ( 前期末成績 + 学年末成績 ) / 2
(講義を受ける前)半導体工学に関連する第4学年までの科目の知識が不可欠であるので既に履修済みの科目について知識を確認・整理しておくこと.
(講義を受けた後)講義ノート,レポート課題により各自で内容の理解度をチェックするとともに,確実に理解することを心がけてほしい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1 半導体の基礎
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
半導体材料の性質について理解できる.
2週 2 半導体の性質 真性半導体、不純物半導体について理解できる。
3週 3 エネルギー帯理論 エネルギー帯理論が理解できる。
4週 4 電子と正孔の性質 電子と正孔の性質が理解できる。
5週 5 電子の状態密度と分布関数 状態密度と分布関数が理解できる。
6週 6 真性半導体のキャリア密度 真性半導体のキャリア密度が理解できる。
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 試験の解説と解答
7 不純物半導体のキャリア密度
到達度試験の解説と解答
不純物半導体のキャリア密度が理解できる.
2ndQ
9週 7 不純物半導体のキャリア密度 不純物半導体のキャリア密度の温度依存性が理解できる。
10週 8 半導体の電気伝導 移動度が理解できる。
11週 9 拡散電流 拡散現象が理解できる。
12週 10 キャリアの生成と再結合 キャリアの発生、消滅が理解できる。
13週 11 拡散方程式 拡散方程式が理解できる。
14週 11 拡散方程式 拡散方程式が理解できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,および授業アンケート
後期
3rdQ
1週 12 pn接合ダイオード pn接合のバンド図が理解できる。
2週 12 pn接合ダイオード 拡散電位とフェルミ準位が理解できる。
3週 12 pn接合ダイオード 電流-電圧特性が理解できる。
4週 12 pn接合ダイオード 空乏層容量が理解できる。
5週 13 金属と半導体の接触 金属と半導体の接触が理解できる。
6週 13 金属と半導体の接触 金属と半導体の接触が理解できる。
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
8週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答
4thQ
9週 14 バイポーラトランジスタ バイポーラトランジスタの動作が理解できる。
10週 14 バイポーラトランジスタ 電流増幅率が理解できる。
11週 14 バイポーラトランジスタ 静特性が理解できる。
12週 15 接合型電界効果トランジスタ 接合型FETが理解できる。
13週 16 MOSダイオード MOS構造が理解できる。
14週 17 MOSFET MOSFETの動作が理解できる。
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前3,前5,前6,前8,前9
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前10
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前1,前2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3後1,後2,後3,後4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後9,後10,後11
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000050120
基礎的能力5000003080
専門的能力1000001525
分野横断的能力100000515