情報ネットワーク概論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報ネットワーク概論
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(電気エネルギーシステムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「インターネット工学」 原山 美知子著 共立出版
担当教員 武井 由智

到達目標

1. インターネット通信の成り立ちを理解し説明できる。
2. Ethernet、IP、TCP と周辺プロトコルの動作を理解し説明できる。
3. インターネットの脅威とセキュリティ技術を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1インターネット通信の成り立ちを、仕組みを含めて理解し説明できる。インターネット通信の成り立ちを理解し説明できる。インターネット通信の説明の成り立ちを説明できない。
評価項目2Ethernet、IP、TCP と周辺プロトコルの動作を詳細に理解し説明でき、具体的設定ができる。Ethernet、IP、TCP と周辺プロトコルの動作を理解し説明できる。Ethernet、IP、TCP と周辺プロトコルの動作を説明できない。
評価項目3インターネットの脅威とセキュリティ技術を、仕組みを含めて理解し説明できる。インターネットの脅威とセキュリティ技術を理解し説明できる。インターネットの脅威とセキュリティ技術を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
インターネットは、局所的な計算機ネットワークが結びつくことによってできた全世界を覆う巨大な単一の通信ネットワークであり、今日の我々の生活にとって不可欠のものになっている。本科目ではインターネットがどのような考え方で実現されているかを、物理的実現の基礎から応用の向きに順次学ぶ。
この科目は企業でシステム開発と計算機ネットワークの構築・運用を担当していた教員が、その経験を活かし、インターネットでの情報通信機能がどのようなプロトコルの積み重ねで実現されているかについて、TCP/IP とセキュリティプロトコルに重点を置き実際のネットワーク運用例にも触れつつ講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式で行うが、設定演習では班に分かれて出題条件下で正しく通信できる設定を考える。
注意点:
定期試験の成績を90%、設定演習の結果を10%の比率で評価する。合格点は60点である。
(授業を受ける前)教科書を予習し、不明な用語、特に省略語について Web などで調査する。
(授業を受けた後)章の課題に取り組み、理解を定着させる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 インターネットの概要 インターネットの概要と歴史、通信プロトコルの概念を説明できる。
2週 ネットワークの構造 ネットワークを構成する装置とそれらがなすトポロジーについて説明できる。
3週 インターネット通信の基礎 アドレス、通信パケットの配送、コネクション、フロー制御、スループットといった通信の基礎概念を説明できる。
4週 通信のモデル OSI参照モデルをはじめとするプロトコル層の、各層の役割を説明できる。
5週 データリンク通信の基礎 隣接装置間の通信を司るデータリンク通信のうち代表的な Ethernet の基礎について説明できる。
6週 有線・無線のデータリンク 有線および無線の Ethernet について説明できる。
7週 到達度試験(前期中間) 6週までに学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 到達度試験(前期中間)の解説、解答
ホスト間通信とIPアドレス
到達度試験(前期中間)の解説、解答
ホスト間のIP通信の基礎について説明できる。
2ndQ
9週 IPパケットの配送と経路制御 IPパケットが経路表に従い宛先に配送される仕組みと経路が制御される仕組みについて説明できる。
10週 ホスト間通信の通信制御 トランスポート層の代表プロトコル TCP による通信制御について説明できる。
11週 DNSとプライベートLAN ドメイン名とIPアドレスの相互変換を司るDNS、プライベートIPアドレスとアドレス変換について説明できる。
12週 設定演習 1 8週から11週の知識を動員し、与えられた条件の下で正しく通信できる設定ができる。
13週 設定演習 2 / インターネットセキュリティ(1) 8週から11週の知識を動員し、与えられた条件の下で正しく通信できる設定ができる。 / 盗聴、改ざん、なりすまし、ウィルス、フィッシングといったインターネットに付きまとう主な脅威について説明できる。
14週 インターネットセキュリティ(2) パケットフィルタ、ウィルスチェッカ、スパムフィルタ、暗号といった、脅威への対抗技術について説明できる。キャンパスネットワークの構築・運用上の注意点を説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 到達度試験(前期末)の解説、解答
授業のまとめ
到達度試験(前期末)の解説、解答
本科目の学習項目をまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1,前13,前14
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前1,前13,前14
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
複数の情報を整理・構造化できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前13,前14
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前13,前14
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前13,前14
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前13,前14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前12,前13
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前13,前14
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前12,前13
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前12,前13
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000