電力工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電力工学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(電気エネルギーシステムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電力工学」,江間敏,甲斐降章 共著 コロナ社,その他:自製プリントの配布
担当教員 中沢 吉博

到達目標

1.各種発電所の発電原理,主要設備および環境対策について説明できる。
2.送電方式,送電線路の構成,雷などの気象対策について説明できる。
3.異常電圧,誘導障害及びその保護,変電所の役割と機能について説明できる。
4.配電方式の種類と電気的特性について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1火力,原子力,水力発電所および再生可能エネルギー発電の発電原理,設備と環境対策について説明できる。主要な発電所である火力,原子力,水力発電所の発電原理,設備と環境対策について説明できる。主要な発電所である火力,原子力,水力発電所の発電原理,設備と環境対策について説明できない。
評価項目2送電方式,送電線路の構成,雷などの気象対策について説明でき,線路定数を求めて等価回路により送電端電圧を計算できる。送電方式,送電線路の構成,雷などの気象対策について説明できる。送電方式,送電線路の構成,雷などの気象対策について説明できない。
評価項目3異常電圧,誘導障害及びその保護,変電所の役割と機能について説明でき,異常電圧による故障計算ができる。異常電圧,誘導障害及びその保護,変電所の役割と機能について説明できる。異常電圧,誘導障害及びその保護,変電所の役割と機能について説明できない。
評価項目4配電方式の種類と電気的特性について説明でき,配電線路の電圧降下を計算できる。配電方式の種類と電気的特性について説明できる。配電方式の種類と電気的特性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電力系統の基本構成や設備,火力,原子力,水力,再生可能エネルギー発電の基本原理と送電,変電,配電分野の基礎技術を修得する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。この科目は学習単位科目のため,事前・事後学習としてレポートや小テストまたはオンラインテストを実施します。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
この科目は学修単位のため,事前・事後学習として週1時間の自学自習時間(合計30時間)が必要である。
注意点:
合格点は60点である。各中間・期末の成績を80%,小テスト,レポート,宿題の結果を20%で評価する。
学年総合評価=(前期中間成績+前期末成績)/ 2
授業を受ける前:電力工学は電気機器をはじめとしてディジタル保護制御回路にいたる幅広い分野が総合化されたものなので, 関連科目との結びつきを意識して予習をすること。
授業を受けた後:復習のため各章末の演習問題は必ず解いてみること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.電力工学
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
発送配電の仕組みと電気エネルギー輸送の現状を理解できる。
2週 2.火力発電
(1)火力発電の仕組み
(2)熱の機械エネルギーへの変換
火力発電における発電システムを理解できる。
火力発電の蒸気サイクルを理解できる。
3週 (3)主要機器
(4)環境対策
発電設備主要機器を理解できる。
環境対策を理解できる。
4週 3.原子力発電
(1)原子力発電の原理
(2)原子炉の種類
原子力発電の仕組みと核分裂反応が理解できる。
原子炉の構成要素と各種商業炉の特徴が説明できる。
5週 4.水力発電
(1)水力発電の原理
(2)水車の種類
水力発電の原理について説明できる。
水車の種類と比速度について説明できる。
6週 5.再生可能エネルギー発電 太陽光,風力,燃料電池等の再生可能エネルギーを利用した発電方式の特徴が理解できる。
7週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答
6.送電方式
7.架空送電線路
到達度試験の解説と解答
電力系統の構成,交流と直流の送電方式の特徴が理解できる。
送電線路の構成と雷などの気象対策が理解できる。
2ndQ
9週 8.地中送電線路 電力ケーブルの種類と特徴,電気特性について説明ができる。
10週 9.送電線路の線路定数と等価回路 線路定数の求め方を理解し,送電線路の等価回路が理解できる。
11週 10.異常電圧と故障計算 異常電圧,誘導障害及びその保護について説明ができ,短絡故障電流の計算と遮断器の短絡容量の計算ができる。
12週 11.電力系統の制御 無効電力と周波数制御の機能を理解し設備容量の計算ができる。
13週 12.変電所と保護継電器 変電所の役割と機能を理解できる。
14週 13.配電方式 配電方式の種類と配電線路の電気的特性が理解できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3前1,前8
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3前8
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3前11,前12,前13
電力システムの経済的運用について説明できる。3前1
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3前5
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3前2,前3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3前4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3前6
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3前1,前3,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力200000525
分野横断的能力200000525