応用物理ⅡB

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理ⅡB
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(情報・通信ネットワークコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:初歩から学ぶ基礎物理学「力学II」 柴田洋一 他 著 大日本図書  その他: 自製プリントの配布
担当教員 金田 保則

到達目標

1.極座標表示における運動方程式を説明できる。減衰振動や共振の現象と微分方程式との関係を説明できる。
2.仕事を数学的に表現できる。力学的エネルギー保存則を運動方程式から導くことができる。
3.二体系の重心の運動、運動量保存則、角運動量保存則を説明できる。
4.剛体に関する種々の問題に対し、運動方程式を立て、剛体の運動の諸量を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
質点の力学極座標表示における運動方程式を説明できる。減衰振動や共振の現象と微分方程式との関係を説明できる。極座標表示における運動方程式を理解できる。減衰振動や共振の現象と微分方程式との関係を理解できる。極座標表示における運動方程式を理解できない。減衰振動や共振の現象と微分方程式との関係を理解できない。
力学的エネルギー仕事を数学的に表現できる。力学的エネルギー保存則を運動方程式から導くことができる。仕事の数学的表現を理解できる。力学的エネルギー保存則を運動方程式から導く過程が理解できる。仕事の数学的表現を理解できない。力学的エネルギー保存則を運動方程式から導く過程が理解できない。
二体系の力学二体系の重心の運動、運動量保存則、角運動量保存則を説明できる。二体系の重心の運動、運動量保存則、角運動量保存則を理解できる。二体系の重心の運動、運動量保存則、角運動量保存則を理解できない。
質点系と剛体の力学標準的問題や応用問題においても、剛体の運動方程式を立て、剛体の運動の諸量を求めることができる。基本問題において、剛体の運動方程式を立て、剛体の運動の諸量を求めることができる。剛体の運動方程式を立てられない。もしくは、剛体の運動の諸量を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

(B)工学基礎知識の習得 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学一般の基礎となる物理学の力学分野において、ベクトル及び微積分を用いて力学の法則とその概念を数学的に表現し理解する。さらに、実際の問題の発見と解決に物理学を応用できる力を養う。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜、演習課題・宿題を課す。
注意点:
【評価方法】
・合格点は学年総合成績で60点である。
・学年総合成績は,前期末成績と後期末成績の平均とする。
  学年総合成績 = 0.5 × (前期末成績+後期末成績)
・各期末成績は到達度試験 (中間) 結果 40 %, 到達度試験 (期末) 結果 40 %,および平素の成績 (小テスト・宿題・演習課題の総合成績) を 20 % で評価する。
  各期末成績 = (0.4×到達度試験 (中間) 結果+0.4×到達度試験 (期末) 結果 )+ (小テスト・宿題・演習課題の総合成績 20 点満点)
・各中間成績は,その到達度試験 (中間)の結果をもって成績とする。
・特に,提出物が未提出の場合,単位取得が困難となるので注意すること。

【受講上の注意】
・本科目では、これまでに学習してきた数学ならびに物理の内容を用いるので、必要に応じて各自、自学自習による復習を行うこと。
・特に、基礎数学、微分積分I, II、線形代数、応用数学の教科書は手近において参照できるようにしておくのが望ましい。
・講義では、基本的ではあるが今回用いる教科書にない内容を含む場合があるので、毎回の講義内容を復習できるようにノートに書き留めておくのが重要である。
・講義を受ける前には、次の講義で予定されている部分の教科書の内容を予習しておくこと。
・講義を受けた後は、 その日のうちに学習内容を復習しておくこと。内容が理解できなかったり、問題が解けなかったりした場合は、友人・先輩・担当教員や関連科目の教員などに質問し、速やかに問題解決を図るのが重要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1. 質点の力学:1-1. 平面運動での位置・速度・加速度
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
デカルト座標での変数を用いて質点の運動を記述できる。
2週 1-2. 平面極座標での位置・速度・加速度
1-3. 単振り子
平面極座標を用いて位置・速度・加速度を表現し、質点の運動を記述できる。
単振り子の運動を極座標を用いて記述できる。
3週 1-4. 単振動 単振動と微分方程式の関係を理解し、単振動の運動を記述できる。
4週 1-5. 減衰振動 (1)抵抗がある場合の振動現象 減衰振動と運動方程式の関係を理解し、その微分方程式を解くことができる。
減衰振動がどのような現象であるか理解できる。
5週 1-5. 減衰振動 (2) 過減衰と臨界減衰
1-6. 強制振動 (1) 周期的な外力が加わった場合の振動現象
過減衰および臨界減衰がどのような現象であるか理解できる。
強制振動と運動方程式の関係を理解し、その微分方程式を解くことができる。
6週 1-6. 強制振動 (2) 共鳴・共振現象 共鳴・共振現象がどのような現象であるか理解できる。
7週 到達度試験 (前期中間)
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答
2.力学的エネルギー:2-1. 仕事 (1) 一定の力がする仕事
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。
仕事を内積を用いて記述することができる。
2ndQ
9週 2-1. 仕事 (2) 一定でない力がする仕事
仕事を内積と微分積分を用いて記述することができる。
10週 2-1. 仕事 (3) 仕事が経路に依存する場合 一般的な仕事を線積分を利用して計算できる。
11週 2-2. 力学的エネルギー保存則 (1)保存力, (2)力学的エネルギー保存則 保存力を理解できる。運動方程式から力学的エネルギー保存則を導くことができる。力学的エネルギー保存則を利用して運動の物理量を求めることができる。
12週 2-2. 力学的エネルギー保存則 (3)位置エネルギーと保存力の関係 保存力と位置エネルギーの関係を利用して、位置エネルギーまたは保存力を求めることができる。
13週 2-3. 位置エネルギーの計算例 (1)重力、弾性力、万有引力による位置エネルギー 重力、弾性力、万有引力などからくる位置エネルギーを、質点にかかる力から求めることができる。
14週 2-3. 位置エネルギーの計算例 (2)中心力が働く場での運動 中心力が働く場での物体の運動を角運動量保存則・力学的エネルギー保存則から説明することができる。
15週 到達度試験 (前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。授業アンケートに回答する。
後期
3rdQ
1週 3. 二体系の力学: 3-1. 重心と運動量 (1)重心, (2)重心の運動, (3)相対運動と換算質量 二体系の重心 (質量中心) がどこに位置するかわかる。質点系において重心がどのような運動をするか理解できる。二体系の相対運動と換算質量を理解できる。
2週 3-1. 重心と運動量 (4)衝突 衝突の現象を運動量保存則と反発係数を用いて記述できる。ロケットの運動を、運動量保存則から始めて記述できる。
3週 3-2. 角運動量保存則 (1)角運動量 角運動量を重心の角運動量と重心のまわりの角運動量に分解できる。
4週 3-2. 角運動量保存則 (2)重心の運動に対する相対運動 二体系の運動を、重心の運動と重心を中心とした質点の相対運動に分けて考えることができる。
5週 3-2. 角運動量保存則 (3)回転運動, (4)偶力
固い棒でつながれた2つの質点の回転運動を記述できる。偶力とは何かを説明できる。
6週 4. 質点系と剛体の力学:4-1. 剛体の重心 (1)質点系の重心, (2)剛体の重心
質点系および剛体の質量中心 (重心) を求めることができる。
7週 到達度試験 (後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
8週 試験の解説と解答 
4-2. 剛体の運動方程式 (1)質点系の並進運動, (2)剛体の並進運動
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。
質点系および剛体の並進運動についての運動方程式を記述することができる。
4thQ
9週 4-2. 剛体の運動方程式 (3)質点系の回転運動, (4)剛体の回転運動 質点系および剛体の回転運動についての運動方程式を記述することができる。
10週 4-2. 剛体の運動方程式 (5)剛体のつりあい 剛体の特性を理解し、剛体のつりあいの条件を説明できる。
静止した剛体について標準的な問題を解くことができる。
11週 4-3. 剛体の慣性モーメント (1)慣性モーメントの計算例, (2)平衡軸の定理 基本的な形の剛体に対して,その中心軸に対する慣性モーメントを計算できる。
平行軸の定理を理解し、慣性モーメントの計算に応用できる。
12週 4-3. 剛体の慣性モーメント (3)薄板の慣性モーメント, (4)剛体の運動エネルギー 薄板の3つの回転軸それぞれに関する慣性モーメント間の関係を理解できる。剛体の運動エネルギーを記述できる。
13週 4-4. 剛体に関する運動方程式の適用例 (1)定滑車, (2)剛体振り子
定滑車の回転運動を記述できる。
剛体振り子の運動方程式を立て、その微小振動の周期等を計算できる。
14週 4-4. 剛体に関する運動方程式の適用例 (3)斜面上の円板 斜面を滑らずに転がり落ちる円板状の剛体の運動を記述できる。
15週 到達度試験 (後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。本授業をまとめる。授業アンケートに回答する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2

評価割合

到達度試験小テスト・宿題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
知識の基本的な理解6010000070
思考・推論・創造への適用力105000015
汎用的技能105000015