物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(マテリアル・プロセス工学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 ボール物理化学 第2版 上 DAVID W.BALL著 阿竹徹他 訳 化学同人/参考書:アトキンス 物理化学要論 第6版  千原秀昭・稲葉章 訳,東京化学同人
担当教員 石塚 眞治

到達目標

1.平衡定数の表記から,化学的過程をイメージできる.
2.実在気体や希薄溶液の平衡定数がわかる.
3.成分と相を正確に区別することができ,相変化に伴うエントロピー変化あるいはエンタルピー変化を計算できる.
4.クラペイロンの式およびクラウジウス・クラペイロンの式の意味が分かり,それらを用いた計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平衡定数の表記から,化学的過程をイメージできる.化学平衡を,ギブスの自由エネルギーと化学ポテンシャルで表現できる.化学平衡を,ギブスの自由エネルギーと化学ポテンシャルで表現できない.
評価項目2実在気体や希薄溶液の平衡定数がわかる.平衡定数や平衡点における反応進行度への圧力や温度の影響がわかる.平衡定数や平衡点における反応進行度への圧力や温度の影響がわからない.
評価項目3成分と相の違いが分かり,相変化に伴うエントロピー変化あるいはエンタルピー変化を計算できる.成分と相の違いが分かる.成分と相の違いが分からない.
評価項目4クラペイロンの式およびクラウジウス・クラペイロンの式の意味が分かり,それらを用いた計算ができる,クラペイロンの式およびクラウジウス・クラペイロンの式を用いた計算ができる.クラペイロンの式およびクラウジウス・クラペイロンの式を用いて計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
エントロピーと自由エネルギーと化学ポテンシャルといった個々の状態量の相関を理解し,熱力学的平衡の現象論を整理していく.さらに,平衡という概念を拡張し,化学的な系に適用していく.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.適宜小テストを課す.
到達度試験のクラス平均点が合格点に達しない場合,再試験を行う場合がある.
注意点:
合格点は60点である.
この科目は学修単位科目のため,事後学習による理解度を確認する小テストを実施する.
成績は,到達度試験結果80%,小テスト20%で評価する.
(授業を受ける前)教科書を閲読し,関係する物理や数学の基礎概念および基礎物理化学(3年次)の学修内容を復習する.
(授業を受けた後)教科書の例題,章末問題を解き,理解度を確認する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
化学平衡(1)
授業の進め方と評価の仕方が分かる.
反応ギブズエネルギーと自発的変化の方向の関係が理解できる.
2週 化学平衡(2) 平衡定数と活量の関係が理解できる.
3週 化学平衡(3) 平衡定数の温度依存性と平衡組成の圧力依存性が理解できる.
4週 一成分系における平衡(1) 成分と相の違いが理解できる.
5週 一成分系における平衡(2) 相変化に伴うエンタルピー変化とエントロピー変化の関係が分かる.
6週 一成分系における平衡(3) クラペイロンの式を用いて圧力・温度変化に伴う他の状態量の変化を計算できる.
7週 一成分系における平衡(4) クラウジウス・クラペイロンの式を用いて圧力・温度変化に伴う他の状態量の変化を計算できる.
8週 到達度試験 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
2ndQ
9週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ,および授業アンケート
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。3
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3
平衡定数の温度依存性を計算できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3

評価割合

試験小テスト発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合802000000100
知識の基本的理解50100000060
思考・推論・創造への適用力2050000025
汎用的技能1050000015